2018年12月21日

金子眞吾会長

金子眞吾会長

日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)は12月6日午前、小野隆弘・小澤典由両常務理事が東京・銀座の紙パルプ会館内の日本製紙連合会を訪問し、1月からの用紙値上げが印刷需要の縮小につながりかねず、結果としてさらなる用紙需要の減少を招きかねないことを説明の上、日印産連と会員10団体の連名による反対声明文を手渡した。

 

王子製紙、日本製紙、北越コーポレーション、三菱製紙、大王製紙、中越パルプ工業の製紙各社は今年11月に原燃料価格や物流経費の高騰を理由に平成31年1月1日出荷分から印刷用紙20%以上、情報用紙10%以上の値上げを実施することを相次いで発表した。

 

これに対し、日印産連は5日、小野・小澤両常務理事が日印産連と会員10団体と連名で「印刷・情報用紙の値上げに対して反対します」と題する反対声明文を日本製紙連合会の役員に手渡した。その際、前回の値上げから間がなく、結果的に値上げが行われなかったことから値上げの根拠が曖昧な点を指摘。さらに値上げ要請が得意先の紙離れや電子媒体への移行にいっそう拍車をかけることにつながり、結果として印刷・情報用紙の内需及び印刷需要を大きく減少させることになることから容認できないことを伝えた。反対声明文は6日付で日印産連のホームページにも掲載した。
 

 

【反対声明文(全文)】

 

今般、製紙各社は2019年1月1日出荷分から印刷用紙20%以上、情報用紙10%以上値上げをすることを発表されました。用紙は印刷における原価の中で最も大きな割合を占めており、需要が減少し続けている中での用紙価格の引き上げは、さらなる需要の減少に多大な影響を与えることは必至であります。
 

印刷出荷額については、1991年をピークに下がり続けており、その減少に歯止めがかかっておりません。印刷用紙・情報用紙の動向についても貴連合会のご報告にありますが、内需は2006年をピークに減小を続けており、2017年も電子化の進行等により減少基調が続き、全体で11年連続の減少とされております。その背景には出版市場の減速、IT化の加速度的な進行に伴う印刷媒体から電子媒体への急速な移行、ネット広告へのシフト、ペーパーレス化等があり、この分野の印刷媒体の市場規模の縮小は極めて深刻な局面にあります。印刷各社はこうした状況にあっても顧客から求められる印刷媒体を、より高品質で低コストに提供するとともに環境への配慮や情報セキュリティへの取り組みを進めることにより、社会の期待に応えてまいりました。
 

このような中での今回の製紙各社における印刷用紙・情報用紙の値上げ要請は、印刷各社の努力を無にすると同時に、昨春打ち出され、夏場に決着した値上げから間がなく、得意先の紙離れ・電子媒体への移行に、より一層拍車をかけることに繋がり、結果として印刷・情報用紙の内需及び印刷需要を大きく減少させることになります。これ以上の加速度的なマーケットのシュリンクによる紙の使用量の減少は、製紙業界にとっても、印刷産業界にとっても価格改定で挽回出来ない程のダメージになりかねません。また、同品種の巻取りと平判の非合理な価格差も拡がっています。これらについて、約7500社の会員を抱える業界団体としては容認できるものではありません。今回の印刷・情報用紙値上げ要請に対して、日本印刷産業連合会及び印刷10団体は反対を表明いたします。
 

製紙業界と印刷産業界は常に両輪の関係であり、困難な状況に面しても今後益々の共通認識と相互理解を持って対処していくことを強く要望いたします。

 
 

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