2018年10月18日

全日本印刷工業組合連合会・四国地区印刷協議会・高知県印刷工業組合主催の「2018全日本印刷文化典高知大会」が、10月5、6の2日間、高知市鷹匠町の「三翠園」で、「土佐で語ろう 印刷の未来」をテーマに開かれ、全国から組合員、来賓、関連業者ら540人が参加した。四国開催は2004年の香川大会以来14年ぶり、高知県で初となる今回の文化典は5日に記念式典、全印工連メッセージ、記念講演会、記念パーティー、6日には全印工連理事長会、全国事務局研修会、全青協各県青年会代表者会議、全印工連フォーラム、エクスカーションが行われ、大会を通じて中小印刷業界の団結と協調を確認した。なお、次回の全日本印刷文化典長野大会は2020年10月30・31の2日間、長野県北佐久郡軽井沢町の軽井沢大賀ホールと軽井沢プリンスホテルで開催する。

 

記念式典のもよう

記念式典のもよう

 

メインの記念式典は5日午後1時30分から、奥田章雄四国地区印刷協議会会長の「文化典の四国開催は2004年香川大会以来で14年経った。この間、印刷業界も大きく変わった。今回のテーマは『高知で語ろう 印刷の未来』である。これから印刷の未来をどのように描くことができるか、共に語り合いたい。皆さんにとって実りの多い充実した大会になることを祈念している」との開会宣言で始まった。

 

国歌斉唱ののち、開催工組を代表して酒井陽典高知大会委員長・高知県印刷工業組合理事長が「ふくしま大会での『みのり』をベースに、われわれが今持っている印刷の力、これから必要な新しい力、未来に向けての種まき、方策などを本音で語り合える場を作るべく準備してきた。高知の食・酒・おきゃく文化を体感していただくことが、胸襟を開いて語り合える一つの力になることを信じている。高知県のシンボル的な言葉である『自由は土佐の山間より』になぞり、『未来は土佐の山間より』と皆さんの記憶に残る大会にしたい」と歓迎の言葉を述べた。
 

主催者を代表して臼田真人全印工連会長が要旨次のように式辞を述べた。
 

「全印工連では、『Happy Industry 人々の暮らしを彩り幸せを創る印刷産業』をブランドスローガンに掲げ、印刷産業の向かうべき方向性を共有し、人々の幸せを作り続ける印刷産業を実現するための、諸事業に取り組んでいる。
働きがいのある、人々を惹きつける印刷産業の確立は急務であり、全印工連ではプロジェクトチームを立ち上げ、『幸せな働き方改革』への取り組みを進めることにした。これを実行するため、ステップ1からステップ5のプロセスを構築し、明日の全印工連フォーラムではステップ2『目標・計画設定』を解説する。
『幸せな働き方改革』は、組合員企業の従業員がやりがいを持ち、安心して働き続けられる職場作りによって、新たな付加価値を創出し、顧客満足度を高め、ひいては組合員企業の業績向上につなげることが目的である。改革の必要性を理解し、各社がHappiness Companyをめざしてほしい」
 

来賓を代表して吉川雅之経済産業省四国経済産業局長、中谷元衆議院議員、岩城孝章高知県副知事(尾﨑正直知事の祝辞を代読)が祝辞を述べた。
 

表彰に移り、平成30年度印刷産業発達功労者顕彰の大迫三郎(全印工連相談役、宮崎県工組顧問、㈱宮崎南印刷代表取締役会長)と四橋英児(全印工連参与、岐阜県工組常任顧問、ヨツハシ㈱代表取締役社長)の2氏に臼田会長から顕彰状が贈られたのをはじめ、組合功労者顕彰75氏を代表して吉田吉太郎(㈱精真社取締役会長、群馬県工組理事・常任顧問)と宇都宮公徳(㈱ユニックス代表取締役、広島県工組常任理事)、優良従業員表彰70氏を代表して勤続35年の矢後治彦(朝日印刷㈱)の各氏を表彰した。
 

左から四橋英児、臼田真人、大迫三郎の各氏

左から四橋英児、臼田真人、大迫三郎の各氏


 
受賞者代表謝辞で登壇した大迫三郎氏は、坂本竜馬の船中八策を読み上げて「この八策は1人の傑物が発した今日に続くすごく素晴らしい政策で、まさにわれわれ今日の日本の灯台であり灯火であった。私たちは全印工連の60余年の歴史の1ページに参加させていただいた。全印工連は全国の優れた印刷業界の知恵、情熱、感性がパワーとなって発露される場である。全国5000社、30万人の印刷人の発展のためにミッション・パッション・ビジョンに力を合わせる場でもある。それぞれの事業所が培った営業であれ技術であれ、驚くほど惜しみなく、しかもインスピレーションをも赤裸々に提供される場でもある。他業界に類を見ないものであり、全印工連こそは印刷業界の灯台であり灯火である。このような素晴らしい全印工連に縁をいただいたことに改めて感謝申し上げる。その上にまた今日は身に余る賞をいただき厚くお礼申し上げる」と述べた。
 

印刷文化典高知宣言を高知県印工組理事・青年会会長の中島大輔氏が発表し、賛同の拍手をもって採択した。最後に筒井善樹高知大会実行委員長が閉会の辞を述べて記念式典を終了した。
 

働き方改革へ向け臼田会長が全印工連メッセージ

 

午後2時45分から行われた全印工連メッセージでは、臼田会長が働き方改革の考え方について「単なる労働法の規制というレベルではない。これから起こる市場の縮小、また人口減少による労働力の減少に対して私たち経営者は自分の会社をどのような形で、この時代を、これから先を乗り越えていくか、いわゆるサステナブル、継続性を持たせていくことができるのか、真摯に真剣に向かい合わなければならない。働き方改革とは各社の魅力化プロジェクトである。ぜひ、皆さんの働き方改革に対するイメージを払しょくすべく、全印工連フォーラムでは働き方改革をどのように進めていくのか説明させていただく。働き方改革を勝つための経営計画と捉える必要がある。松本晃カルビー会長も変わらなければ負けるのではなく死ぬのだと言及している。
 

印刷業はほとんどの地方自治体で出荷額、事業所数ともにトップ3に入る、まさに日本、地域の基幹産業である。力のあるうちに勝つための経営戦略を描いていこう。働き方改革をしなければ、10年後、20年後に生き残ることはできない。2018年は働き方改革元年である。勝つための経営戦略として共に認識した上で、全印工連事業の中でも一つの柱として事業展開していきたい」と述べ、働き方改革の実行を訴えた。
 

3時30分からの記念講演会では、作家の山本一力氏が「刷ればこそ」をテーマに講演した。
 

6時30分から行われた記念パーティー「土佐のおきゃく」は、酒井大会委員長による歓迎の言葉、来賓の岡﨑誠也高知市長のあいさつ、鏡開きののち、水野秀也ハイデルベルグ・ジャパン㈱社長の音頭で乾杯し開宴。
 

次回は2020年10月に長野で開催

 
次期開催地代表あいさつでは、長野県工組メンバーが横断幕とのぼり旗を持って登壇。藤森英夫理事長が「長野大会は2020年10月30・31日に軽井沢プリンスホテルをメイン会場に開催予定で、実行委員会を立ち上げ準備に入った」と述べたのち、宮澤徹実行委員長が2年後の再会を呼びかけた。

 

長野県工組メンバーが横断幕とのぼり旗を持って登壇。横断幕の前面が藤森英夫理事長

長野県工組メンバーが横断幕とのぼり旗を持って登壇。横断幕の前面が藤森英夫理事長


 
6日午前9時30分から行われた全印工連フォーラムでは、今年度立ち上げた、幸せな働き方改革プロジェクトチーム(池田幸寛委員長)が推進する「幸せな働き方改革」の実現に向けてステップ2となる「目標・計画設定」について、㈱ワーク・イノベーション代表取締役の菊地加奈子講師が事例やワークショップを交えながら解説した。
 

【印刷文化典高知宣言】
私達、印刷産業は現在に至るまで、社会に情報を伝え、広め、そして残してきました。
見やすく、読みやすく、感性に訴え、感動を伝え、記憶に残る印刷物。活字の時代から大切に培ってきた「ものづくり」へのこだわりです。
時代は変わり印刷産業の装置の進化もさることながら、コンシューマー向けの装置の進化はすさまじく、IT・IoT・AI技術の進化はさらにすさまじいものがあります。社会の急激な変化の中で私達印刷産業は、ものづくりへのこだわりを持ちながらも「ことづくり」に傾注すべきだと考えます。効率よく刈り取ることから、次世代へ向けての種まきをすることに目を向けることが重要と思われます。
私達の印刷の力を強いものとし、印刷産業がもつ多様な顧客、様々なチャンネルを活かし、地域社会での役割を果たすとともに、豊かな生活と文化を支える産業として、社会に貢献することを宣言します。
 
 

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