2018年10月04日

東京都印刷工業組合は2016年度から2年間、東京しごと財団からの委託を受け、人材開発企業のマンパワーグループとコンソーシアムを組み、「コンサルタント事業」と「資格取得支援・集合研修事業」を無償で提供する「団体課題別人材力支援事業」を推進してきた。この成果を報告し、広く波及することを目的とした「好事例発表会」が、東京しごと財団の主催により、9月19日、東京・西神田の「べルサール神保町Room3+4+5」で行われた。東印工組からは、㈱白橋(白橋明夫社長)の事例発表があった。

 
はじめに白橋社長が、次のように述べた。
 
「東印工組は、さまざまな勉強会を行っているが、私たちは中小企業の集まりなので、自社内での、問題に取り組む組織力の欠如といったものがある。これを何とか払拭できないかと、今回マンパワーグループとタッグを組んで、業界全体の活性化になればと、手を挙げさせていただいた。
 
当社は、24年に創業100年を迎える。歴史があるが課題もある。中小企業ならではの問題である『人材育成の仕組み』である。定着率は低くないものの、従業員間の競争意識が物足りない。会社が成長するために従業員の積極性を引き出す『何か』が欲しい。17年に先代の逝去もあり、100年企業に向けて、もう一度芯から作り直そうと、このプロジェクトをスタートさせた。もともと社是・経営理念については、なんとなく存在していたが、これを明確化しようとしたのが、このプロジェクトの目的である」
 

白橋明夫

白橋明夫社長

 
またプロジェクトリーダーの小坂忠常務取締役は、「最初に従業員の意識調査をした。アンケートをしたところ、課題が見えてきた。経営方針、計画に基づく教育計画・教育方針、会社の目標、個人の目標などは、毎年行っているが、足りない部分があるのではないか。皆が働きやすいとは、どういうことなのか。
 
ここまでは、私とコンソーシアムで取り組んでいたが、ここからは社内各部署からプロジェクトメンバーを選出することにした。社員が一丸となって、出来ることはなんだろうと考えたときに、社是・企業理念の確立が必要になってきた。最初からこれがあったのではなく、人材育成を考えていく中でこういったものが生まれた。会社の中に以前から何となく社是として『凡事徹底』があった。これが基礎になった。これをベースにして考えていくという方向性が見えてきた」と語った。
 

小坂忠

小坂忠常務


 
あとを受けて、小川永二管理グループチームリーダーは、「支援事業で形になった成果を説明する」と前置きし、述べた。

 

それによると、社是・企業理念・経営理念というものが確立されたこと。これを社員一人ひとりに知らしめること。これを人間の身体に例えると「企業理念」は骨・骨格、それを肉付けするための「経営理念」、骨を動かすための血液の循環に「社是」をイメージして落とし込んだ。
 
弊社の企業理念を紹介すると「Innovation for Business」ということで形を作った。これで顧客に役立てられること、会社の存在意義が形としてあらわれたのかなと考えている。
 
「経営理念」は基本的な経営する考え方ということで、5つの項目に分けた。
1.価値観の共有
2.期待を超える価値の提供
3.革新への挑戦
4.社員の成長と社内環境づくり
5.すべての人々への貢献
 
これをA2パネル(社是は先代社長・故白橋達夫氏の揮毫)にして、フロアに掲げた。これで外部の方が来社した時発信できるし、社員も確認ができる。今年の1月4日の新発式で社是・企業理念の発表が、社長から全社員にされた。しかし、これからが大切である。掲げても社員が、これは何だと思ってしまわないように、浸透・理解を深めるために何をしたらいいのか。この支援事業の後も続けていかなければならない。
 
そこで現在進行形で、役員からパートタイマーまで全員参加型の定例ミーティングを開催している。毎月1回12~13時まで貴重な昼休みを使って行っている。部署をまたいで3つにグループ分けして、「企業理念の説明」からスタート、2回目は会社であいさつしても、この人何の仕事しているの?というケースもあるので、自己紹介を行った。現在までに8回を終了。各回ごとに個人の意見を吸い上げ共有、次回に活用している。一人ひとりが成長して自己変革ができるようなものがうまれてくれば、いいかなと感じている。
 
最後にファシリテーターとして私は、進行の仕方、中立の立場で判断しなければならず、まとめ上げる難しさも実感している。アンケートを集約していくと、ポジティブな意見2割、ニュートラルな意見6割、ネガティブな意見2割、俗にいう『262の法則』の壁にぶち当たりながら前に進んでいる。しかし、1回1回やっていると無駄ではないと実感でき、少しずつ前進している。1年間通してこれだけ変わったというのが、皆で分かち合えるようなものを作り上げながら、良い会社組織の作り方に邁進していきたいと思っている。
 

小川永二チームリーダー

小川永二チームリーダー

 
再度、白橋社長が登壇し、「これが私たちのやっていることである。とりあえず1年間やり通す。これが私たちの合言葉になっている。そしてその先には、目指すゴールがあるのだろうと、私は信じているし、ここにいるリーダーたちも信じて前に進んでいる。今、途中であるが、その先には改善できる私たちの未来がある、と信じている」と締めくくった。

 

 

 

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