2018年09月07日

共同印刷㈱(本社・東京都文京区)は9月4日、NISSHA㈱(本社・京都市)、およびその子会社で情報コミュニケーション事業を担当する日本写真印刷コミュニケーションズ㈱(同)の3社間において、日本写真印刷コミュニケーションズが東京地区において展開する事業(一部を除く東京地区の商圏およびその事業基盤、以下、本事業)を共同印刷に譲渡することについて合意し、本事業を譲渡対象とする株式譲渡契約を締結したことを発表した。(=一部既報)

 

藤森康明社長(左)と鈴木順也社長

藤森康彰社長(左)と鈴木順也社長

 

同日午前11時から共同印刷小石川本社で行われた記者会見には、共同印刷から藤森康彰代表取締役社長、大澤春雄取締役常務執行役員・情報コミュニケーション事業本部長、渡邉秀典取締役常務執行役員、NISSHAから鈴木順也代表取締役社長兼最高経営責任者が出席。はじめに、藤森社長が情報コミュニケーション部門における株式譲渡に至った背景と狙いについて次のように説明した。

 
「国内の一般印刷市場は情報メディアの多様化による需要の低迷などを背景に市場規模の縮小が続いている。こうした市場環境を踏まえ、2016年3月、当社および日本写真印刷コミュニケーションズは、資本業務提携契約および生産受委託契約の締結により、日本写真印刷コミュニケーションズから当社への生産委託を旨とする協業関係を構築し、生産体制の再編や品質管理体制の確立、購買活動や物流業務の合理化・効率化に取り組んできた。
 
今回、両社は2016年から現在に至る協業とその信頼関係に基づき、本事業の譲渡を実行することで一致した。当社は情報コミュニケーション部門の収益基盤を強化すること、日本写真印刷コミュニケーションズは東京地区の事業を縮小し、同社の強みである高精細で高品位な色調際限が活かせる分野を中心として関西地区に事業基盤を集約することを基本方針としている。両社はそれぞれの強みを活かせる市場・事業領域へ経営資源を適切に配分することにより、事業収益の改善をめざす」
 
 
事業譲渡の概要については、①日本写真印刷コミュニケーションズが、新たに設立する子会社に本事業を吸収分割(略式分割)し、2019年1月7日付でその株式の90%を共同印刷に譲渡する。日本写真印刷コミュニケーションズは株式の10%を継続保有する②譲渡対象となる商圏は日本写真印刷コミュニケーションズの東京地区における現状の売上高の約80%にあたる70億円規模で、残りの20%は日本写真印刷コミュニケーションズが継続する③譲渡対象となる事業基盤は、日本写真印刷コミュニケーションズの社員(約30人)、および有形無形の資産などから構成される。

 
今後について、共同印刷は、現在、情報コミュニケーション部門の再構築に取り組んでおり、株式譲渡契約の締結後は、本事業の円滑な移行と合わせ、業務フローの見直し・生産体制の効率化などを推進して事業収益の改善を図るとともに、成長戦略に基づく施策を着実に遂行することで、中期経営計画の達成をめざす。なお、新会社の業務開始は2019年1月7日を予定している。
 
一方、日本写真印刷コミュニケーションズは、株式譲渡契約の締結に伴い、関西地区への事業基盤の集約を骨子とする事業再編に着手する。次年度以降、同社の売り上げ規模は縮小する見通しだが、東京地区の事業縮小による合理化、子会社が運営する工場の統廃合、関西地区における業務の効率化などの施策により事業収益の改善をめざす。
 
 

NISSHA・鈴木順也社長「印刷業界にとっても意義ある再編」

 

会見で鈴木社長はこう述べた。
 
「当社は、現在、産業資材事業、ディバイス事業、メディカルテクノロジー事業、情報コミュニケーション事業を4つの柱として展開している。今回、共同印刷に譲渡する対象の情報コミュニケーション事業は当社の連結売上高の約7・4%を占める位置付けにある。その中の東京地区の売上の約80%を譲渡する。当社の連結売上高の3・6%程度に相当する規模である。
 
当社にとって情報コミュニケーション事業は最も伝統的で古い分野で、長年にわたり高級美術印刷や高精細、高品位な印刷分野で長くお客様にご愛顧いただいてきた。ただし、全社における比率は非常に小さく、当社がこのまま自社で継続するよりは、とくに東京地区の市場においては共同印刷と一緒になるかたちで推進していく方が効果があると考えた。
 
2016年から東京地区における生産提携し増益効果があったのも大きな弾みとなった。当社が長年培ってきたお客様との取引関係を共同印刷に引き継いでいただく、非常に未来志向の案件と位置付けている。印刷業界にとっても意義ある再編といえるのではないかと考えている。当社としては商圏を譲渡して終わりということではなく、今後ともお客様のご愛顧が継続するように共同印刷ならびに新会社をサポートしていきたい」
 
 
なお、両社とも今年度の連結業績に与える影響は軽微と見込んでいる。

 
 
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