2018年08月10日

東北地区印刷協議会の針生英一会長(宮城県印刷工業組合理事長)は7月25日、自由民主党の河村建夫衆議院議員と中曽根弘文参議院議員に国際リニアコライダー(ILC)日本誘致に関する要望書を手交し、実現に向けて協力を求めた。
 
ILCは、20㌔㍍に及ぶ地下トンネルに直線型の超伝導加速器を建設し、光に近い速度にまで加速した電子と陽電子を衝突させ、ビッグバン直後の高エネルギー状態を作り出し、宇宙創生の謎を解明する、素粒子物理学の実験施設。
 
ILCを契機に数千人の研究者、エンジニアが日本に拠点を移す。また、中小企業などがILCの製造装置の開発に関わることで高度な技術を獲得することが可能になる。ILCがもたらす産業のすそ野は製造業のみならず、居住する研究者、エンジニアに対する食、観光をはじめとするサービス産業に至るまで、非常に広いものと考えている。
 
ILCの建設候補地は、岩手県から宮城県に跨る北上サイトで、東北にとっては、ILCの建設、運用をとおして、東日本大震災からの復興をはじめ、真のグローバル化や、世界的なイノベーション拠点の形成などを通じて、『世界に開かれ、世界とつながる地方創生』の実現の契機になる。
 
さらに、ILCはアジア初の国際研究機構であることから、建設から運用まで、大学・研究機関・民間企業などが連携し、「オール・ジャパン」体制で進めることになるため、ILCの波及効果は、建設候補地である東北だけでなく、日本全体に及ぶ。東北ILC推進協議会では、ILCの建設期間(10年)、運用期間(20年)を通じた建設と活動により発生する経済波及効果は、生産誘発額で約4・3兆円、誘発雇用者数で約25万人(年平均で約8300人)になると試算している。
 
東北地区印刷協議会は、6月20日に秋田市で開いた今年度上期東北地区印刷協議会の理事長会でILC日本誘致に関する要望書を提出することを全会一致で決定した。
 

河村建夫(左)と針生英一

河村建夫議員(左)と針生英一会長


 
中曽根弘文(左)と針生英一

中曽根弘文議員(左)と針生英一会長


 
当日は針生会長をはじめ、誘致活動の中心となる東北経済連合会(東経連)の西山英作理事(東北ILC推進協議会事務局長兼務)、東経連東京事務所の佐藤五郎所長、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授、全日本印刷産業政治連盟の生井義三幹事長ら5人が自民党本部を訪れ、リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟の会長を務める河村建夫衆議院議員に要望書を手渡した。さらに、参議院会館で中小印刷産業振興議員連盟会長の中曽根弘文参議院議員に要望書を提出するとともに意見交換した。針生会長は「ILC誘致ではゼネコンや設備関係が盛り上がるが、印刷業も地域経済を担っておりILC誘致による波及効果には大いに期待しているので、実現に向けてお力添えをお願いしたい」と訴えた。
 
要望書でも、印刷業の役割について「印刷業の事業範囲はすでに印刷物製造の範囲を超え、お客様の『伝えたい』や『思い』を最適なカタチに変える情報コミュニケーション産業に変貌しております。また、地域の産業、文化、教育、市民活動などと密接なネットワークを持つことが印刷業最大の強みであります。印刷業はそれらの事業を支援することではじめて存在する価値があり、その価値を高めるためには、あらゆる情報メディアを駆使し、伝えたいことを効果的に実現するサービスの提供と、自ら仕掛ける『攻め』の姿勢が必要です。東北6県の印刷工業組合で構成する東北地区印刷協議会(組合員総数377社)といたしましては、ILC日本誘致を『世界に開かれ、世界につながる地方創生』の実現に向けた好機として捉え、一翼を担う役割があると認識しています」と強調している。
 
 

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