2018年08月20日

ハイデル・フォーラム21(HDF21)第21回全国合同地区大会・高付加価値セミナーが7月27日午後2時半から東京・品川プリンスホテル・アネックスタワー・プリンスホールで開かれ、全国から集まった約330人の参加者がブランド価値のあり方を学んだ。同会ではHDF21事業報告に続いてハイデルベルグ社デジタル部門総責任者モンセラート・ペドロ・インサ氏による「印刷を再定義する、デジタルプリントビジネスの価値と可能性」、刀代表取締役CEO森岡毅氏による「Enable Marketing~マーケティングを機能させるために」の2講演が行われた。
 

全国から集まった約330人の参加者がブランド価値のあり方を学んだ

全国から集まった約330人の参加者がブランド価値のあり方を学んだ


 

開催にあたって塚田司郎HDF21本部会長は「例年、秋に開催しているが、今年はIGASがあるので本日の開催となった。ハイデルベルグのブースはVR技術を使って新技術を見せている。IGASでは各社からさまざまなニュービジネスが提案されている。新聞には貿易戦争ということばが躍り、各国の貿易戦争が経済に及ぼす影響が試算されている。資材の出荷は昨年に比べて悪い。いままで以上に新しいビジネス、新しいチャレンジをしなければいけない環境である。
 

塚田司郎

塚田司郎会長

 

そうした中で今日のセミナーの前半ではハイデルベルグのデジタル印刷の戦略について責任者のモンセラート・ペドロ・インサさんに語っていただく。後半ではユニバーサルスタジオジャパンのV字回復を成し遂げた森岡毅さんにマーケティングについての話を伺う。紙メディアはデジタルメディアとともに企業のマーケティング活動に対してどのような効果が出せるかが問われている。時宜を得た講演である」と述べた。

 

インサ氏は、デジタルを採用する上で必要なこととして、マーケットの需要、堅牢なテクノロジーの2点をあげて詳しく説き、市場ニーズに応えるプライムファイア106の機能、役割などを明らかにした。
 

モンセラート・ペドロ・インサ

モンセラート・ペドロ・インサ氏

 

森岡氏の講演終了後、ハイデルベルグ・ジャパンの水野秀也社長は参加者・講師に謝辞を述べるとともに、次のように新たな時代の到来を告げた。
 

「2週間ほど前、ドイツに久しぶりに行って、2つの衝撃を体験した。とてもさびしい思いと強烈に面白くなってきたという思いだ。もともと製版技術を学び、卒業研究も製版関係のことを書いた。私のバイブルはユールの書いた『カラーレプロダクションの理論』である。自分なりに印刷を追究してきたつもりだ。会社に入ってずっとオフセットに携わってきたが、インクジェット技術はすでにある部分オフセットを超えてしまった。オフセットでは達成できないレベルにあることを確信した。
日本の製造業の最大の特徴のひとつは品質が担保されていることだ。膨大なコストをかけて、品質を顧客に提供している。今日の一連の話がブランドの価値のことだとするなら、どうすればブランド価値を高められるのか。いろいろあるが、日本の製造業の最大のブランドは品質の担保だと思う。わずかな傷・ゴミ・色の違いに敏感に反応するクライアントにどう応えていくか。品質は日本の技術が追求してきたことだ。
オフセット印刷技術はレギュレーションの中で、トラランスを決めて、そのトラランスをどうやって縮めていくか。縮めたトラランスの許容範囲の中にどうやったら収まるかということをやってきた。
インクジェットでは、トラランスがほとんどないということに気がついてしまった。
見当精度や特色は難しいことだと思うが、オフセットでは、これほど努力してもなおある一定以下にはならない。材料など問題はいろいろある。オフセットはあまりにも変動パラメーターが大きすぎてコントロールすることが非常に難しい。だからレギュレーションでしかコントロールできない。
ところがインクジェットはコントロールできてしまう。ΔE0・4の範囲の中に最初から最後まで1枚もくるうことなく印刷できてしまう。
人生を振り返ってこれほどの衝撃はなかった。
プライムファイアという機械がすべてだとは思わない。しかし、デジタルとはかくのごとき革命的な技術である。1962年ハイデルベルグがオフセットに進出した時、軽オフセットという小さな印刷機を作ってベストセラーにした。その機械のもとは活版機だった。オフセットが大きく育って主流になってここまできた。まだまだ続くとは思う。
でも、いまの人材、技術でどうするのか。ブランドの価値をどう作り、差別化していくか、そのためにどう会社を作っていくか。
これからの5年間は、過去の50年よりももっと変化してしまう。技術、マーケティング、会社組織をもう一度考え直さなければ衰退してしまう。
すべての皆様が印刷における価値をもう一度再定義し、そこから出てくるアイデアをデジタル印刷を含むデジタル技術でどうやって表現していくのか、消費者、クライアントに買っていただくのか考えていただきたい。
プライムファイアの開発には日夜500人のR&Dの人間が少しでも新しい技術を1日でも早く届けられるように取り組んでいる。できればともに未来を歩んでいきたい」
 
 

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