2018年08月01日

ミューラー・マルティニ ジャパン㈱(本社・東京都板橋区)はIGAS2018会期3日目の7月28日、同イベント会場となる東京ビッグサイトで記者会見を開催した。

この会見では、モーションコントロール技術(各ユニットの可動部がサーボモーターで単独駆動した上で全体を同期制御する)を採り入れた無線綴じ機「アレグロ」とプロセスマネージメントシステム「コネックス4.0」を、今年11月に㈱あけぼの(本社・新潟県新潟市江南区曙町4の8の3、玄間浩之社長)に納入することが発表された。

 

あけぼのは、出版印刷、商業印刷、帳票印刷などの製本・加工をメーンに行っている㈱第一印刷所(本社・新潟県新潟市、堀一社長)グループの会社で、ポストプレス分野に特化している。

中綴じ機3ライン、無線綴じ機2ラインのほか、断裁、折り、丁合入紙/貼込、ミシン入れ、穴開けをはじめとした各種設備を取り揃え、プリプレスからポストプレス、配送までの全工程をグループ会社内で一気通貫処理を行っている。

 

堀社長(左)とミューラーCEO

堀社長(左)とミューラーCEO

会見の冒頭、あいさつに立った第一印刷所の堀社長は「あけぼのは専業特化を目的に分社した製本会社で、当社グループでは現在、あけぼのを含めたグループ会社全体でプリプレスから配送までを一気通貫で対応している。市場では多品種小ロット化が進み、またオフセット印刷のみならずデジタル印刷での生産も多くなってきているので、どのような版式やロット数であっても仕事が停滞しないようにしなくてはならない。それが今回の導入の狙いである。年末の繁忙期には本格稼働できることを予定しており、これによる製造のさらなるスピード化が印刷メディア・印刷文化の再評価となるようにアピールしていきたい」と述べた。

 

第一印刷所では近年、枚葉オフセット印刷機の更新による実生産性の大幅な向上、オフセット印刷に迫る印刷品質を持つ枚葉インクジェット印刷機の新規導入によってオフセット/デジタル印刷機のハイブリッド運用を図るなど、印刷部門の拡充と多品種小ロット化への対応を図ってきた。

その次のステップとして、印刷とポストプレス間のグループ内のワークフローを抜本的に見直し、綴じ工程の強化を図る一環として「アレグロ」と「コネックス4.0」を導入する。

小出専務

小出専務

その狙いについて第一印刷所の小出博信専務は「これらを導入することによる高い生産性、自動化、スキルレス化によって、内製化率アップとグループ間における作業人員のマルチ化を進めることができ、厳しい市場環境に対応できる生産体制が実現できると期待している。またこれにより、プリプレスからポストプレスまでスマートファクトリー化に対応できる生産設備が揃うことになるので、第4次産業革命の道を突き進むとともに、ますます加速する小中ロットニーズへの対応力も伸ばしていきたい」と説明した。

 

あけぼのが導入する「アレグロ」は、無線綴じ機では世界で初めてモーションコントロール技術を搭載したモデル。

モーションコントロール技術とは、各ユニットの可動部がサーボモーターで単独駆動した上で全体を同期制御するもの。

各ユニットの駆動がダイレクトドライブになっていて個々に動かすことができるので、各ユニットの同時並行作業ができるとともに、高い位置決め精度と各プロセスの効率化が図れることによってジョブの切り替え時間が大幅に短くなり、短時間で最大の生産性を発揮される。

また、加工ユニットの選択・組み合わせもモジュラー形式で柔軟に組み合わせることができる。

 

また、「コネックス4.0」は、上位MISから受け取ったJDFデータを各製本機に送ってジョブ替えの自動セットができるようになるとともに、各製本機の稼働データをオンタイムで自動収集できるもの。

これにより、ジョブ替え作業のスキルレス化、省力化、短時間化ができるとともに、生産工程・稼働状況の見える化が実現する。

あけぼのでは2年前、各製本機の稼働データをオンタイムで自動収集する「コネックス・インフォ」を導入しており、その結果、どの機械のどの部分で、誰がどのようなジョブをしている時にエラーや稼働率低下が発生するのかがすべてわかるので、稼働率が落ちる原因の追究とその回避、万一のトラブルが発生する前のメンテ・保守作業、オペレーター間のスキルの平準化などを図れている。

そして今回、「コネックス4.0」へとアップグレードすることで、第一印刷所のMISから詳細なジョブデータを受け取って、それを各製本機に流すこともできるようになることから、ジョブ替え作業の自動化・迅速化・スキルレス化も図れるようになる。

 

玄間社長

玄間社長

あけぼのの玄間社長は「2年前に“コネックス・インフォ”を導入して稼働状況を詳細に分析できるようになり、製本機の能力を最大限に活かしきれない理由に気付けるようになった。それにより改善策を打てるようになったことで、チョコ停も少なくなり、不良率も17%削減している。当社では現在、3000部以下のジョブが全体の7割を占めており、ジョブ替えの迅速性が求められている。そこで、“コネックス4.0”によるプリセット、そしてモーションコントロール技術を搭載した“アレグロ”の能力には大いに期待を寄せている。とくに“アレグロ”については、ジョブ替え時間はこれまでの1/10程でできるとみており、4倍の実生産性になると見込んでいる。これまで、繁忙期にはオペレーターの超過勤務に頼っているところもあったがそれを解消するとともに、それでも生産能力には余裕があるので近隣会社からのジョブも多く受けていきたい」と期待を表した。

 

それを受け、ミューラー・マルティニグループのブルーノ・ミューラーCEOは「ファイルから完成品までのエンドtoエンドのワークフローは高品質を保証する。デジタルデータにより、機械が自動的に新しいジョブの準備をすることが可能となる。これは、シームレスなワークフローに加え、高度な自動化と正確な機械工学が必要で、当社はこの要素を組み合わせることで理想的なタッチレスワークフローシステムを実現した。もっとも重要なことは、“アレグロ”および“コネックス”ワークフローシステムにより、プリプレスからポストプレス後まで、第一印刷所様およびあけぼの様におけるシームレスな流れを実現するということだ。これは、当社の印刷産業の未来を見据えた実践的な例と言える」と述べた。

 

 

 

 

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