2018年07月27日

日本印刷産業連合会(金子眞吾会長)はIGAS2018の初日7月26日午後1時半から、東京ビッグサイト会議棟6階でFAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)国際印刷フォーラム「FAPGA2018TOKYO」を開いた。FAPGAの日本での開催は9年ぶり。

 

DSCN6302浅野副会長

浅野健副会長

 

浅野健日印産連副会長あいさつのあと行われた基調講演ではAssociation for Print Technologies (旧NPES)のセイヤー・ロング会長が「印刷産業におけるイノベーションと世界の動向-出版/商印/パッケージ分野」をテーマに話した。

 

パッケージ印刷が印刷拡大の原動力

 
講演によると、パッケージ印刷、出版印刷、マーケティング&商業印刷の三大区分の世界印刷市場は2017年の3890億ドル20年に4210億ドル増加し、年平均2.7%の成長率を達成する。
 
パッケージ印刷は年間4.5%の健全な世界的成長により20年まで印刷拡大の原動力なる。出版印刷では印刷の成長率が下落し、18年から20年は年率2%で縮小する。マーケティング&商業印刷は0.7%の緩やかなペースで伸びる。
パッケージ印刷は17年の印刷市場全体のほぼ3分の2を占める。出版印刷は印刷市場の5分の1程度である。
パッケージ印刷は消費支出の増加継続と所得増に支えられて、今後、数年にわたり、より堅実に成長して市場シェアを獲得する。印刷市場におけるパッケージ印刷のシェアは、17年の64%から20年には68%に増加するが、出版印刷は17年の20%から20年には17%に減少する。
 
パッケージ印刷産業の展望の原動力は新興市場の台頭である。
所得増と都市化がパッケージ印刷の成長を支えており、経済成長、識字率の上昇、生活スタイルや消費者の嗜好の転換により、一層洗練された消費者が生まれ、加工食品や飲料、玩具、電子機器および医薬品などのパッケージ入り製品の需要増に拍車がかかっている。
 
新興市場の成長は先進諸国を上回り、11年の33%から、20年までには世界市場の41%に達するものとみられる。新興市場のパッケージ印刷は、予測年率2.6%を大幅に上回る年率6.0%で成長する。先進諸国市場は、西欧諸国を中心に、経済危機の余波を受けて控えめな成長が続く。16年6月の英国のEU離脱決定による不透明感が先進諸国市場の先行きの脆弱性を強調している。
最大新興市場の中国は今後数年かなりの成長を続けると予想される。米国は20年も依然として最大のパッケージ印刷市場と考えられる一方で、中国が米国との差を相当縮めていると思われる。
 
15年のパッケージ印刷全体の最大市場5カ国は、米国、中国、日本、ドイツ、英国だった。
16年にインドが米国を上回り第5位となった。成長著しいインドは20年までに、長期にわたる成長停滞が続いている第4位の日本にほぼ追いつく。
15年、米国と中国だけでパッケージ印刷市場全体の60%を占めた。両国の合計市場シェアは、20年もほとんど変わらないと考えられるが、米国のシェアを中国がかなり奪っていると思われる。
パッケージ印刷産業は世界的にみて地理的に集中しており、その傾向はさらに強まる。
 
パッケージ印刷については、アジア太平洋地域が43.6%を占め、16年から20年には6.8%の成長率で世界第2位の急成長を遂げる地域になる。同時期に急成長を遂げる10カ国のうち5カ国がアジア太平洋地域にあり、なかでもインドの成長が著しい。
中国での人件費(および所得)の上昇に伴い、域内で製造業が移転しており、同時期にパッケージ印刷における中国のシェアがやや低迷し、その一方でベトナムやインドネシアの勢いが加速しているため、東南アジアが徐々に「世界の工場」の称号を引き継ぎつつある。
段ボールは域内で最も成長の遅い分野であり、同時期にはさらに鈍化する。アジア太平洋は概して貿易重視地域であり、15、16年の米国およびEUからの世界的な需要低迷が貿易および出荷を抑制し、段ボール分野の成長を鈍化させている。

 

セイヤー・ロング会長

セイヤー・ロング会長

 

続いてオーストラリア、中国、インドの代表が各国印刷業界の現状を説明した。

 

「デジタル印刷の現状」をテーマに実施したパネルディスカッションでは、オーストラリア、中国、インド、マレーシア、ネパール、フィリピンの代表が各国の実情を話した。

 

180726_FAPGA2018TOKYO_9年ぶりに日本で開かれたFAPGA

9年ぶりに日本で開かれたFAPGA

 

FAPGA(Forum of Asia Pacific Graphic Arts)アジア印刷会議は、1996年にアジア地域における印刷産業発展と協力関係構築のために、日本印刷技術協会(JAGAT)が中心となり設立したFAGAT (Forum of Asia Pacific Graphic Arts Technology)が母体で、2013年からFAPGA (Forum of Asia Pacific Graphic Arts)に名称変更した。現在の活動はメンバー国間での印刷・コミュニケーション産業の市場、関連技術動向、ベストプラクティスに関する意見・情報の交換を行い、アジア・パシフィック地域における印刷・コミュニケーション産業の発展を目指している。
日印産連は第10回(08年マニラ)からオブザーバー参加し、第11回(09年東京)において日本の代表機関としてJAGATと交代した。第12回以降は日印産連が日本の正式代表となり参加している。
加盟国は、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ネパール、ニュージーランド、フィリッピン、シンガポール、スリランカ、タイ(アルファベット順)。議長国はオーストラリア、議長はピーター・レーン。FAPGAの会合は各国が持ち回りでホストカントリーとなっている。

 

 

 

PAGE TOP