2018年07月20日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、水野秀也社長)は今年2月、チャイナモデルの「スピードマスターCD102」の国内初号機を文化堂印刷㈱(本社・神奈川県小田原市寿町1の10の20、萩野健治社長)に納入した。

ハイデルベルグ社では現在、枚葉オフセット印刷機の組み立てはドイツ・ウィスロッホ工場と中国・青浦(チンプー)工場の2ヶ所で行っており、どちらの工場から出荷しても印刷機の品質が同じになるように、全部品の共通化、作業などの標準化などを徹底し、全世界へと印刷機を出荷する体制を敷いている。

7月19日には、その青浦工場製の印刷機の国内初号機の納入先となった文化堂印刷で記者会見を開催し、青浦工場の製造体制やチャイナモデルの印刷機を導入するメリットなどについて説明をした。

 

 

ハイデルベルグ社の青浦工場は上海近郊に位置しており、10万平方㍍(東京ドーム2つ分)の敷地を持つ。

現在は、▽菊全判印刷機「スピードマスターCD102」、▽菊半裁印刷機「スピードマスターSX74」、▽A全判印刷機「スピードマスターCS92」(中国市場向けの製品)――の3機種の印刷機が製造されている。

 

青浦工場は、ウィスロッホ工場とまったく同じ製造環境が再現されており、印刷機に使われる全部品はドイツから運び込まれたものを使用している。

また、青浦工場で使われるシステム、設備、機械、ソフトなどもウィスロッホ工場とまったく同じものを使用している。

従業員はほとんどが現地採用ながら、全員がドイツのスタッフからのトレーニングを受けて、きちんと技術を継承していることから、どちらの工場で印刷機を組み立てても同じ品質で製造される。

 

文化堂印刷が導入したチャイナモデルの「スピードマスターCD102-6+L UV」は、菊全判6色コーター付UV印刷機。

文化堂印刷では、平成13年に初めてのUV印刷機として「スピードマスターCD102」の5色コーター付機を導入し、平成25年に「スピードマスターCX102」の5色コーター付機と6色コーター付機の2台を増設し、3台体制を敷いていた。

今回の「スピードマスターCD102-6+L UV」は、最初に導入したUV印刷機との入れ替えとなる。

 

中西専務

中西専務

その経緯について文化堂印刷の中西一人専務は「最初に導入したUV印刷機が、長年にわたって24時間体制でフルに使ってきたことから、老朽化が進んで品質安定性や実稼働速度が少し落ちてきていた。ほかの2台の印刷機のスケジュールが埋まっている時も、品質面で差異が出ることを危惧し、その印刷機に仕事を回すことを躊躇うケースもあったので入れ替えを決断した。その決断をしたのは昨年10月のことだったが、どうせ入れ替えるのであれば次の年度末(=今年3月)の繁忙期に使いたいという欲も出る。そこで、ハイデルベルグ・ジャパンにそのような要望を寄せたところ、そのような短い期間でも納入してもらえると提案されたのがチャイナモデルの“スピードマスターCD102”だった」と振り返る。

 

チャイナモデルの「スピードマスターCD102」を導入するメリットとしては、ウィスロッホ工場で組み立てられるドイツモデルと比べて納期がとても短いことと導入コストが安価であることの2点。

納期が短い理由としては、まずドイツからよりも中国からの方が日本までの海上輸送経路が短いので、それだけで1ヶ月超の短縮となる。

また、青浦工場は限られた機種の組み立てに特化していることから製造期間も短くなるので、ドイツモデルよりも大幅に納期が早まることになる。

なお印刷機を発注する際、その印刷機が両工場で製造されている機種の場合は、発注主はドイツモデルとチャイナモデルのどちらにするかを選択することができる。

 

チャイナモデルの国内初号機となったスピードマスターCD102-6+L UV

チャイナモデルの国内初号機となったスピードマスターCD102-6+L UV

その選択について中西専務は「印刷単価が下落傾向にあるので、設備投資額についてもできれば抑えたい。“スピードマスターCX102”が2台あるが、当社のジョブの内容や運用方法を踏まえると、その下位グレードとなるが“スピードマスターCD102”は十分な機能と能力を備えている。しかも、チャイナモデルということでさらにコストを抑えることができた。ただ、ドイツ製ではないことについて、まったく不安がない訳ではなかった。そこで、当社の社員を青浦工場に訪問させてもらったところ、その製造環境や管理体制を見聞きし、また極端な紙厚変更のあるジョブ替えや難しい印刷などのテストをしてそれをクリアしたことで、チャイナモデルに対する漠然と抱いていた不安が払しょくされた。青浦工場の製造工程では入念なチェック体制があって、ドイツの工場と同じく確実な仕事をしている印象だったと報告を受けている」と語る。

 

文化堂印刷では、今年5月から紙器会社と提携をしており、紙器・パッケージの印刷が増加している。

そこで、「スピードマスターCX102」のうちの1台は特殊原反、もう1台は商業印刷をメーンに運用。

今回導入した「スピードマスターCD102-6+L UV」では薄紙からボール紙まで幅広い紙厚のもので活用。

またロットについても50部程の極小ロットから10万部超のさまざまなジョブを行っている。

印刷品質についても上々の評価で、印刷速度についても入れ替え前は平均で毎時7000回転程だったものが、今はたいていのジョブで最高速度(毎時1万5000回転)近くで印刷しているということだ。

 

 

 

 

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