ミューラー・マルティニ ジャパン㈱はIGAS2018で、デジタル、小ロット化、高品質とますます多様化する市場ニーズに応える最新機種を出展する。
ブースは、東5ホール5-3。
ミューラー・マルティニ社ではこのような市場ニーズに対して「フィニッシング4.0」というコンセプトを打ち出している。
これは、量産用の機器を使いながらもデジタル印刷機などでカスタマイズされた可変印刷製品を、省コストで効率的に生産する手法の提案。
カスタマイズされた本や冊子、雑誌などを付加価値をつけながら生産することで、競争力維持につなげることを訴求している。
その典型例として生産単位がほぼ1冊のフォトブックが挙げられるが、それを実現するには、各機器がデジタルデータに基づいて各ジョブごとに自動的にセットアップされる「タッチレスワークフロー」となるのが理想的となる。
そこで、すべての機器をデジタルワークフローシステム「コネックス」によって統合し、各ジョブを行う機器を自動セットすることで、頻繁なジョブ替えを要する極小ロットの仕事でも効率的に処理することができるようにすることが肝要となる。
そのコンセプトに基づいた製品として今回は、▽極小ロット対応無線綴じ機「バレオ」、▽全自動型替三方断裁機「インフィニトリム」、▽モーションコントロール技術を搭載した全自動中綴じ機「プリメーラMC」、▽上流から下流まで機械がつながる「コネックス4.0ワークフローシステム」――を出展する。
「バレオ」は、連続式の高速・安定生産性および間欠式の高品質製本という両方のメリットを採り入れるために、モーションコントロール技術を活用して開発されたワンオフ(1冊製本)無線綴じ機。
3つのクランプを持ち、その3つのクランプは個別のサーボモーターで駆動(非同期モーションコントロール)するため、極小ロットを高効率で製本加工することができる。
サーボモーター駆動を採用したことで、加工ステーションごとにそれぞれのクランプの動作・移動速度・停止時間などを別々に調節できるので高品質な製本をすることができ、かつステーション間の移動を加速させることで高い生産性も実現している。
とくに、背のシャープな仕上がりが要求される日本市場では、ニッピングでの停止時間を長くできる機能はとても有効となる。
また、個々のブックブロックに印字したバーコードから製本寸法データを読み取り、それぞれ異なる製本寸法にセットするので、1部からの極小ロットでも活用でき、ショートランでの使い勝手にもすぐれる。
さらに、表紙と中本のバーコードによるマッチングや、PURノズルの場合の糊厚みのモニターも可能としている。
この「バレオ」に三方断裁機「インフィニトリム」を接続して実演を行う。
「インフィニトリム」は、断裁代に印字しておいた製本情報を収録したバーコードをベルトコンベア上で読むことで、その本が機械に着いた時にはセット替えが済んでおり、連続的にブックオブワン製本ができる。
「プリメーラMC」は、最高速度毎時1万4000回転の全自動中綴じ機。
それぞれのユニットを個別のサーボモーターで駆動させるモーションコントロール(=MC)機能を搭載したことで、切り替え時間の短縮が図れる上、フィーダーの選択肢も増える。
また、デジタル印刷とオフセット印刷の双方に対応するハイブリッド製本システムで、ロール紙とカット紙との兼用も可能としている。ブースでは表紙の角背対応の実演も行う。
「コネックス4.0ワークフローシステム」は、上位MISから受け取ったJDFによる製本仕様のプリセット、さらに生産データがJMFによって常時工場の生産管理システムへフィードバックできるもので、これにより生産工程の見える化が実現する。
また同社では、ブースを効率的に見学できる「MMクイックツアー(予約制)」を企画している。
このクイックツアーでは、最新機種の紹介とそれぞれの実演デモ運転を所要時間15分程度で案内する。
申込は http://www.mullermartini.co.jp/2018/06/07/igas2018/ から。