2018年06月18日

全日本シール印刷協同組合連合会(田中祐会長)は、「平成30年・第59回通常総会」を5月30日、上野精養軒(東京・台東)で開催し、すべての上程議案を原案どおり承認した。30年度事業計画として、環境問題、人材育成・営業力強化、技術力のレベルアップ等、個々の企業では限界のある課題に対して、情報を発信し、セミナー等を企画する。「技術優良工場認定制度」の継続とその個人版「ラベルマイスター制度(仮称)」の19年創設に向けた準備などが盛り込まれた。

 

田中祐

田中祐会長

 
懇親会に移り、田中会長が次のようにあいさつ。
 
「会長に就任し1年が経った。感想を述べたい。昨日も同じ上野精養軒で東京都正札シール協組の総会があり、懇親会の乾杯あいさつをしたが、その内容が乾杯にそぐわないので、もう一度ここで話してくれと、報道の方から言われたので、もう一度話す。1年間全国を回り同業者に会って、様々な話しを聞いた。するとあることに気付いた。それは地方の同業者が、東京に事務所を出し、当初の目的を達成できずに、事務所を閉めたという例がほとんどないこと。仮説だが、これは東京でうまく営業しているということなのだろう。ここから導き出されるのは、首都圏は景気の回復の実感が感じられないが、地方はさらに疲弊しているということ。だから地方の企業は、死に物狂いで仕事を取りに来る。東京で取った仕事を地方の自社工場で物作りして、顧客に納めるというビジネスモデルが出来上がりつつある。2、3年前から地元の仕事量より、東京の仕事量の方が多いという話しを聞く。昨日の正札シールの場では、だから東京頑張れよ、というニュアンスで話した。だからといって、バリアを張って首都圏に入ってきちゃダメとは言えない。自由競争の時代でそんなことはできない。協同組合の同業者でタッグを組んでもできるはずがない。
 
ここで考えてほしいのは、競争相手は同業者だけではないということ。経営学者のマイケル・ポーターが、競争が激しくなる要因を挙げているが、1つは同業者が増えること、もう1つは異業種からの参入が挙げられる。商業印刷は苦しいが、シール印刷はまだ安泰だよね、という声を聞く。だから一般、フォーム、グラビアの印刷会社が、シール印刷機を導入しているという声も聞く。しかし、それで私たちが協賛会メーカーに、組合員以外にシール機を売っちゃダメ、紙・インキを売っちゃダメ、と言えない。また、日本印刷産業連合会のデータによると、加盟社数が昨年から今年にかけて7755社から7558社に減った。減少率は2・5%。私たち全日本シールの社数は550社から530社に減った。減少率は3・6%。シールはまだ安泰と言われながらも印刷業全体のシュリンクよりシール印刷業のシュリンクの方が早い。この数字を見たとき正直言って驚いた。またもう1つの競争の要因としては、新技術によるリプレイスがある。例えば粘着ラベルが、いつの間にかシュリンクスリーブやインモールドラベルに変わったりする。私の会社のケースでは、電車内の各種表示物というものをやっているが、以前はアクリルや金属だったのを、われわれがシールに置き換えていった。それが今や、シールから液晶やLEDの電光掲示に変わろうとしている。新しい山手線新型車両E235系では、吊り広告もない。広告のエリアが全部液晶になっている。従来のものが、新しい技術にすべて置き換わってしまうという脅威もある。シールは安泰だと言われているが、うかうかしていると『ゆでガエル』になっちゃうよといいたい。そうならないために、もっと様々な情報を吸収して、一歩先を考えなければならない。そのために組合があるのかなと考えている。組合員が減ったのは寂しいかぎりだが、寂しがってばかりいられない。組合員が減少すると、組合員の頭数が賦課金の金額に換算されている。組合員が減ると賦課金が集まらないからどうしよう、と本末転倒な議論になってしまいがちだ。そうではなく、残ったメンバーで一致団結して、切磋琢磨して、自社にないものを同業者のみんなから良い意味で盗んで、それで次の手を考えていかなければならない。そんなことを考えた1年だった」
 
引き続き「第29回世界ラベルコンテスト最優秀賞・審査員特別賞受賞各社へのトロフィー授与式」が行われた。西尾弘之リンテック㈱社長から乾杯の発声があり、歓談になり、平山良一副会長の中締めで散会した。
 
 

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