2018年06月18日

日本印刷産業連合会は6月13日、東京・千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで第33回定時総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、山田雅義会長に代わり、印刷工業会会長の金子眞吾氏(凸版印刷㈱代表取締役社長)を新会長に選任した。本年度は新たな国際規範といわれる「SDGs」(持続的な開発目標)を基軸に、印刷産業の果たすべき役割を整理しながら①社会の持続的発展に貢献するための「新しい価値の創出」②「社会の期待に応える誠実な企業行動」③「地球環境への高い配慮」④印刷産業について社会の理解と信頼を高めていくための「情報発信の強化」の4つのテーマに基づく活動をさらに充実させていく。
 
総会は、山田会長を議長に議案審議を行い、平成29年度事業報告並びに決算報告案、30年度事業計画並びに収支予算案を原案どおり承認した。

 

IGASに合せアジア印刷会議開催

 
30年度は、7月にIGASが開催されるのに合わせて、日印産連ではFAPGA(アジア印刷会議)の開催を決め、IGAS会場内に日本の印刷産業を紹介する展示を実施し、会員10団体との連携により、印刷産業の役割を広く国内外に向けてアピールするため、広報委員会の中に「FAPGAアジア印刷会議推進部会WG」を設置する。

 
主な事業として、FAPGAアジア印刷会議を東京ビッグサイト会議棟をメイン会場に7月26~28日の日程で開催する。IGAS2018にJPEX(JapanPrintingExhibition)ブースを10団体と協力して出展し、日本の印刷産業を国内外にアピールしていく。展示に関しては各種コンクールの優秀作品の展示、印刷産業の広がりの紹介、環境やCSR、メディアユニバーサルデザインなど印刷業界の各種取り組みの紹介などを行う。さらにIGAS2018において、FAPGA InternationalPrintingForumを開催し、基調講演のほか、FAPGA参加メンバーによる発表やパネルディスカッションを通じて、アジア各国の印刷業界の状況を知る場を提供する。このほか、印刷博物館や都内の大手書店の視察を通じて、FAPGAメンバーに日本の印刷文化や出版分野の現状を紹介する。
 

SDGs検討プロジェクト新設

 
また、時限プロジェクトとして「SDGs検討プロジェクト」を新設し、SDGsに描かれている17のゴール、169のターゲット、また日本政府の掲げている実施指針などと日印産連の活動テーマとの関連づけなどをベースに、SDGsの達成に向けた印刷産業の果たすべき役割や活動テーマを検討する。
 
審査・認定事業について、プライバシーマーク審査認定事業では、3月現在の認定事業者数は464社となっているが、30年度目標は新規12社、更新227社の合計239社、審査収入9770万円。グリーンプリンティング(GP)認定審査事業について、認定工場数は平成29年度現在391工場で、30年度目標は新規48工場、更新142工場、売上3208万円。
 
役員改選では、各団体が推薦した理事候補者45人、監事候補者3人を原案どおり承認し総会を終了。引き続き、平成30年度第2回理事会を開き、田口薫推薦委員長が新会長に金子眞吾氏を推薦し、全会一致で承認。さらに金子新会長が副会長、専務理事、常務理事、常任理事、顧問、常設委員会および顕彰委員会委員長を推薦し承認した。

 

今まで以上に社会に貢献できる産業になるよう努力

 

日印産連の10代目の会長に選任された金子新会長は就任あいさつで「山田前会長の活動と実績を引き継ぐとともに、本年度の方針に基づいて、印刷産業界の課題解決に着実に取り組んでいきたいと考えている。微力ではあるが、誠心誠意、会長の職を務めさせていただく」と前置きして、日印産連の活動方針であるグランドデザインの深耕を図ることを第1の目標としてさまざまな活動を推進してきた山田前会長の功績に対し感謝の意を表したのち「ペーパーメディアが縮小すると同時にIoT、ビッグデータ、AIなどのテクノロジーの急速な進展によって経営環境が激変している。印刷産業にとっては大変厳しい状況だが、印刷産業はいつの時代も『情報コミュニケーション』の担い手として時代に対応し、またその先駆者となって社会に貢献してきた。印刷産業が今まで以上に社会に貢献できる産業となるよう、会員10団体をはじめ関連団体の皆さんとともに日印産連の活動をより強化できるように努めていきたい」と抱負を述べた。
 

金子眞吾会長

金子眞吾会長


 
一方、退任あいさつに立った山田前会長は「平成28年6月の総会で稲木前会長の後任としてご選任いただき、以来、2年間皆さんのご支援により歴史と伝統のある日印産連の会長を務めさせていただき感謝申し上げる。稲木前会長は印刷産業と日印産連のあり方を見直すグランドデザインに着手された。私は前会長の思いを元に印刷産業のさらなる発展と社会貢献できる産業となることをめざして活動を続けてきた。同時に新しい取り組みにも着手した。とくに社会責任報告書の発行や『印刷と私』エッセイ・作文コンテストなど、より社会と印刷の関わりをアピールする情報発信にも努めてきた。現在、印刷産業はデジタル化、ネットワーク化により紙媒体の印刷需要が減少している。一方で一部の原材料の値上がりや、物流費の高騰などにより産業全体の事業環境はかなり厳しい状況にある。こうした中、まさに日印産連に対して会員10団体はもとより各企業、行政機関からも業界全体の活性化のために強いリーダーシップが求められている。今後は金子新会長のもと各種取り組みをいっそう強化し一段と進められることを心から願っている」と感謝の意を表した。
 
金子新会長は、総会後に経済産業省からの来賓や賛助会員が出席して行われた懇親会で改めてあいさつ。山田前会長の功績に対し敬意を表したのち、今年度事業に触れ「7月には9年ぶりに東京で開催されるFAPGAアジア印刷会議も控えている。各国の印刷連合会の幹部が参加するこの会議を皆さんのご協力をいただきながら、しっかりと実行したい。さらに、今年から再来年にかけて日本は大きく変化する。来年には皇位継承がなされ、新元号となる。また、スポーツでは来年にラグビーワールドカップ日本大会、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催となる。訪日外国人も多数お見えになり、全国各地に出向かれるものと思う。政府が推進する『観光立国』や『地方創生』に対して、印刷産業が貢献できることは数多くあるものと思う。今年度がその実質的なスタートの年になると考えており、日印産連としても会員の皆さんに様々な支援を推進したい」と決意を述べた。
 
日印産連の平成30年度役員は次のとおり。
 
会長 金子眞吾(昇任、凸版印刷㈱、印刷工業会)
副会長 浅野健(㈱金羊社、印刷工業会)、臼田真人(㈱アドピア、全日本印刷工業組合連合会)、櫻井醜(昇任、トッパン・フォームズ㈱、日本フォーム印刷工業連合会)
専務理事 杉村亥一郎(昇任、専従)
常務理事 小野隆弘(専従)、小澤典由(昇任、専従)
常任理事 藤森康彰(共同印刷㈱、印刷工業会)、北島義斉(新任、大日本印刷㈱、同)、堆誠一郎(宝印刷㈱、同)、新村明義(新村印刷㈱、同)、沖津仁彦(図書印刷、同)、永井直裕(永井印刷工業㈱、同)、岩尾純一(㈱一九堂印刷所、同)、松原靖広(㈱電通テック、同)、佐藤裕芳(昇任、㈱千代田グラビヤ、同)、藁科忠(新任、印刷工業会専従)、作道孝行(作道印刷㈱、全日本印刷工業組合連合会)、細井俊男(新日本印刷㈱、同)、滝澤光正(滝澤新聞印刷㈱、同)、橋本唱市(昇任、文唱堂印刷㈱、同)、池尻淳一(新任、全印工連専従)、小谷達雄(㈱イセトー、日本フォーム印刷工業連合会)、中村耀(NS印刷製本㈱、日本グラフィックサービス工業会)、田中真文(昇任、㈱田中紙工、全日本製本工業組合連合会)、田村壽孝(㈱東京ニュース、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会)、田中祐(山王テクノアーツ㈱、全日本シール印刷協同組合連合会)、田口薫(大日本パックェージ㈱、全国グラビア協同組合連合会)、吉見正彦(マルワ工業㈱、全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会)、鶴田和也(宏和樹脂工業㈱、全日本光沢化工紙協同組合連合会)

PAGE TOP