2018年06月12日

独・ハイデルベルグ社は5月24・25日の両日、中国・上海の同社青浦(チンプー)工場で「パッケージング・デイ」を開催したことを機に、印刷機組み立て工場内を披露した。

 

枚葉印刷機のシルエットを模した外観の青浦工場

枚葉印刷機のシルエットを模した外観の青浦工場

今回「パッケージング・デイ」が開催された青浦工場は、最先端の基準に基づいて建設され、2005年から稼働しているハイデルベルグ社のアジアの生産拠点。

約4万5000平方㍍の工場を持つ、アジアで最大級の印刷機製造工場となる。

現地(中国市場)向けの標準的な印刷機と折り機を製造するために設けられ、操業開始当初は折り機を製造。

その後、菊四裁印刷機「スピードマスターSM52」、菊半裁印刷機「スピードマスターSM74」と製造の幅を広げていった。

そして2010年からは、5万台超という世界でもっとも販売実績がある印刷機である菊全機「スピードマスターCD102」の製造を開始。

そして現在は、▽菊全判印刷機「スピードマスターCD102」、▽菊半裁印刷機「スピードマスターSX74」、▽A全判印刷機「スピードマスターCS92」(中国市場向けの製品)--の3機種の印刷機が製造され、出荷先についても中国国内だけでなく、欧米や日本も含めた全世界へと出荷されている。

 

この青浦工場は、同社の印刷機組み立てのメイン工場であるドイツ・ウィスロッホ工場とまったく同じ製造環境が再現されている。

まず部品については、印刷機に使われるシリンダーやギア、サイドフレームといった主要部品から細かなものまで、すべての部品はウィスロッホ工場で使われているものと同じものをドイツから運び込み、現地調達分はまったくない。

また、青浦工場で使われるシステム、設備、機械、ソフトウェアなどについても、ウィスロッホ工場とまったく同じものを使用。

もっとも重要な人材教育についても、ウィスロッホ工場での半年間の徹底したトレーニングメニューをクリアしたスタッフが従事している。

したがって、ドイツ・ウィスロッホ工場とまったく同じ環境・原材料・標準化された製造方法で、すべてにわたってドイツ仕込みの言わば「中国にあるドイツの工場」となっており、ウィスロッホ工場で製造する印刷機とまったく同じものが青浦工場で製造される。

 

一般的なイメージとして、ものづくり大国であるドイツ製のものへの信頼度はとても高く、それ以外の国で作られたものの信頼度は相対的に低くなる傾向がある。

同社でもそのような傾向は認識していることから、同じ品質の製品を出荷できる体制が整っているものの簡単に覆すことは難しいそのイメージを払拭すべく、青浦工場から出荷される製品は不良ゼロ達成に向けたより厳しい品質チェックが行われる。

結果的に、ウィスロッホ工場から出荷された印刷機と青浦工場から出荷された印刷機の納入後のアフターサービスの出動率について、有意差はないもの青浦工場製の方が良い数字になっているという。

 

印刷機組み立て工場内 一番手前が888台目の記念機となったスピードマスターCD102-7+L

印刷機組み立て工場内 一番手前が888台目の記念機となったスピードマスターCD102-7+L

「スピードマスターSX74」については青浦工場でのみ製造され、「スピードマスターCD102」については複雑な仕様やオプション構成のものはウィスロッホ工場で、それ以外は青浦工場でも製造される。

「スピードマスターCD102」を受注した際は発注主に製造を担当する工場は伝えられ、また発注した印刷機の仕様がどちらの工場でも製造できる仕様の場合、発注主はドイツモデル/チャイナモデルの選択をすることが可能。

ちなみに、チャイナモデルはアジア太平洋地区だけでなく、欧州や北米、日本を含めた全世界ですでに数多く稼働している。

なお、購入コストについてはチャイナモデルの方が安く、かつ日本は海上輸送距離が短いこともあるので納期も大幅に短くなる。

そして繰り返しになるが、品質についてはまったく変わらない。

 

この青浦工場では昨年1年間で、約800ユニットの「スピードマスターCD102」を出荷しており、製造能力にはまだまだ余力があるという。

「パッケージング・デイ」の開催当日には、「スピードマスターCD102」を5台発注した香港の印刷会社に向けて、通算で888台目(=中国で縁起が良いとされる数)の記念機となる青浦工場製の「スピードマスターCD102-7+L(7色ニスコーター付機)」が出荷された。

 

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