2018年05月30日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、水野秀也社長)は5月10日、生産効率が高い後方給紙タイプのポーラー断裁機システム3ラインを稼働させることによって、断裁工程のみならず製本・後加工の全工程の生産性向上と高い加工品質を実現している㈱シュウエイ(本社・埼玉県川口市東領家4の14の6、中村匡秀社長)で記者懇談会を開催した。

ここでは、後方給紙タイプのポーラー断裁機システムのパフォーマンスの高さと、それをベースにした製本・後加工工程全体に波及する好影響について紹介された。

 

シュウエイは昭和25年に東京・文京で創業し、主に商業印刷物の断裁・折り・中綴じ製本をはじめとした後加工を手掛ける総合紙加工業者で、高級印刷物の後加工や特殊な折り・製本を得意としている。とても高い精度や品質が求められる仕事を数多く受注していることから、常に高い技術水準・品質保証水準を保つことをモットーとしており、そのたしかな技術によって顧客から高い支持を受けている。

 

中村社長

中村社長

シュウエイがポーラー断裁機システムを最初に導入したのは28年前にさかのぼる。

その機械はまだ後方給紙タイプではなかったものの、当時から断裁機単体ではなく、突き揃え、エア抜き、用紙搬送、断裁、積紙までの一連のシステムで導入している。

その後、増設・入れ替えを重ねる中、すべて後方給紙タイプのポーラー断裁機システムを選び、約20年前と5年前に導入したポーラー断裁機システムに加え、平成29年3月に最新鋭機となる「ポーラーN137PLUS 後方給紙システム」を導入し、現在は3ラインが稼働している。

 

シュウエイでは断裁機システムのほかに、16台の折り機と4ラインの高速中綴じ機などを擁している。

シュウエイが断裁工程での高い精度と生産性を求めるのは、折り・中綴じ工程までを見据えた上で四方断裁をしているからだ。

「通常、印刷後の断裁はやったとしても2辺のみしかしないが、当社では中綴じ機を導入した頃からすでに四方断裁をしている。これは当社の会長が音頭を取って始めたもので、当社は多くの印刷会社から仕事を頂くので、さまざまな印刷物が納入される。そこで、その後の工程の効率化と品質保持を図るために、4辺を断裁してきちんと直角を出すことにした」とシュウエイの中村社長はその取り組みの背景について語る。

 

1.ジョガーで突き揃えとエアー抜き

1.ジョガーで突き揃えとエアー抜き

シュウエイでは断裁機3台で月間平均約2400万部、最大では約3256万部を処理している。

しかも、通常よりも一手間かかる四方断裁をしているので断裁工程の効率化が求められるが、後方給紙タイプのポーラー断裁機システムを活用することによってそれをまかなっている。

「中綴じ機を高速で稼働させるためには、その前工程である折り、断裁での下ごしらえごしらえがとても重要となる。それをいかに精度良く作れるか、それにより中綴じ機の回転数アップへとつながる。四方断裁をしたことで、折り機では8ページ折りで毎時1万5~6000回転、中綴じ機は毎時1万~1万2000回転で稼働させることができている。ただ、折り機や中綴じ機が高速稼働できるので、断裁機の生産性が追い付かないという現象も起きていた。そこで断裁部門の生産性向上を図るため、昨年3月に最新鋭機の“ポーラーN137PLUS 後方給紙システム”に入れ替えた。各工程の生産性強化策が相互に作用して、従来比で5割増の生産性となっている」と中村社長はその効果を紹介した。

 

2.ジョガーから断裁機の後方へグリッパーで自動搬送

2.ジョガーから断裁機の後方へグリッパーで自動搬送

後方給紙タイプのポーラー断裁機システムでは、ジョガーに用紙をセットすると突き揃えとエア抜きが行われた後、グリッパーによって用紙は断裁機の裏側へ自動搬送される。

前の用紙束の断裁が終わるとその束を積紙へとスライドさせるが、その間にグリッパーによって次の用紙束が後方から断裁作業位置へとすぐに自動搬送される(給紙と排紙が別ルートになる)ので、オペレーターは次々と連続的に断裁作業を行うことができる。

また、断裁機の裏側に用紙束がストックされるので、断裁作業と用紙搬送作業を交互にする手間からも解放される。

同社の実際の最新機の運用実績では、1パレット8束を四方断裁する場合、一般的にワンマン運用で30分以上かかるところを約19分で処理でき、紙載せ作業に補助を付けた1.5人運用では11分ですべてが完了している。

 

3.断裁した用紙束を移動する間に後方から次の用紙束が入る

3.断裁した用紙束を移動する間に後方から次の用紙束が入る

このような設備投資について中村社長は、「用紙束を手で運ぶのではオペレーターの負担が大きくなる。機械にできることは機械に任せていくことで、2ラインを3人で回すこともできるし、また生産性アップによって空いた時間には断裁作業以外のことをやってもらうこともできるようになった。また、四方断裁をすることにより、折り機での折りズレ検査がわかりやすくなり中綴じ機でもズレ本検知装置がフル活用できるなど、品質管理体制にも大きく貢献している。効率の良い生産体制だけを求めたひとりよがりの設備投資ではなく、顧客に満足してもらえるような付加価値のある製品・品質の実現も果たせる製造環境を構築し、若い従業員が仕事に夢と誇りを持てる会社にしていきたい」と語っている。

 

 

 

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