2018年05月24日

創業72年を迎えた、オフ輪インライン加工のパイオニア企業である冨士印刷㈱(本社・東京都、秋元裕社長)は、今年4月から現在保有している3つのインライン加工機の最後の1台に日本ボールドウィン㈱が販売するWPM社製パーフォレーター(ミシン加工機)を接続した。これにより、同社のインライン加工システム全台でミシン加工が可能になり、同社の保有するオフ輪機6台のうち5台(1台はデュープレックス仕様)でミシン加工が可能となり、より高付加価値、高効率化が図れる体制となった。
 
同社は、全国で推定200台が稼働しているといわれるA判オフセット輪転機の中で全体の3%を保有していること、さらにそのオフ輪機3台にインライン加工システム(オフ輪機に折り・のり綴じ、断裁などをライン化したシステム)を連結しており、これにより、印刷から加工・検査まで一貫してオフ輪工場がある埼玉事業部(埼玉県加須市)で行えることが大きな強みである。
 
もともとインライン加工を連結しているオフ輪機3台のうち2台がミシン加工可能であったところを、3台すべてにミシン加工ができるようにしようと取り組み始めたのが昨年の秋口である。どうしてもインライン加工で生産する印刷物はミシン入れのリクエストが多くなり、ミシン加工機を2台から3台にすることで、インライン仕事の短納期化、効率化を一層図ろうというのが同社の考えだった。
 
「ミシン入れ需要が2割も伸びてきていた。それに、大ロットより小ロット需要が多く、オフ輪機ではあるが、小ロットをどんどん受け入れている現状がある。当社は社会とともに歩むというのが社是であり、社会環境に合わせ2000年からインライン加工に取り組んできたノウハウと歴史がある。今回も社会からの要求を受け入れ、すべてのインラインフィニッシングにミシン加工を付加させることにした」と同社の秋元宏彰専務取締役は語る。
 

秋元宏彰

秋元宏彰専務取締役

 
そこで最後の1ラインに日本ボールドウィンを通して、30年以上のミシン加工技術の実績を持っているWPM社製3胴式パーフォレーターをインラインシステムに加えた。ただ、精密な仕事を求められるシステムであるため、「既設のインラインにミシン加工機を増設させることには苦労した」と日本ボールドウィンの常陸義隆執行役員は語る。今回のミシン加工機をシステムにどのように組み込むか、同社はインラインシステムの上にミシン加工機を載せるという2層式にした。
 
そうなると、印刷されたロール紙の流れが複雑になり、紙のテンションや複雑な経路を得る紙へのダメージなどが考えられるが、同社の持つ20年のインラインのノウハウでクリアしている。3棟の建物から成る同社の工場は、オフ輪機の設置に加えインライン加工システムの増設もあり、必然的にレイアウトは複雑になっている。場合によっては3次元的なレイアウトを取ってもいるが、なおも高品質な印刷物をワンストップで生産できるようになっているところが、同社の長年の経験があってこそである。
 
このように長年のノウハウを駆使しインライン加工を行っているが「当社も創業70周年を超えた、さらに100年を迎えるため、クライアントに求められたことに対して投資し、クライアントのビジネスのお手伝いをしていく」と秋元専務は話してくれた。
 
 

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