2018年05月21日

中央印刷㈱(本社・東京都豊島区高松1の10の2、日岐浩和社長)がコールドフォイル加工技術を応用し、コピー機などによる複写を防止する、コピーガード機能を付加した印刷手法(特許第6250131および特許第6293253)を開発した。

マンローランド社製のインラインフォイラー付菊全判10色コーター付UV印刷機「ROLAND710LV」

マンローランド社製のインラインフォイラー付菊全10色コーター付機「ROLAND710LV」

5月17日、同社岡谷工場で記者会見を開催し、その開発経緯や技術の詳細について説明をした。

 

同社では平成18年に、国内初となるインラインでコールドフォイル加工ができるマンローランド社製の菊全判枚葉オフセット印刷機を採用。平成23年には2台目となるインラインフォイラー付印刷機を追加導入し、コールドフォイル加工を施した印刷を数多くこなしている。

そのような実績を重ねてきたことで、コールドフォイル加工の特性や長所を踏まえたデザイン表現力を身に着けるとともに、箔を使った微細な表現にも対応する高い印刷技術を備えている。

 

 

ブラックインキによる平網部の中に、毛抜き合わせでコールドフォイルによる文字を印刷したサンプル

ブラックインキによる平網部の中に、毛抜き合わせでコールドフォイルによる文字を印刷したサンプル

その同社が今回開発した技術は、印刷物がカラーコピーやスキャンされても、その内容を読むことができなくなるような効果を持つ2種類の手法となる。

その1つは、ブラックインキによる平網部の中に、毛抜き合わせでコールドフォイルによる文字を印刷するというもの。

コピー機などの複写装置は輝度を測ることはできず色だけを測定するので、平網のパーセンテージをコールドフォイルの濃度に合わせて調整することで、印刷物そのものを肉眼で見ると文字は読めるものの、コピーなどをすると平網部全体が同じような色として出力される。

もちろん、平網部がコールドフォイルで文字がブラックという組み合わせでも同様の効果を得ることができる。

 

もう1つの手法は、同一紙面内に、▽薄いブルーの文字、▽コールドフォイル地の中にブラックの文字--を混載させるもの。

これにより印刷物がコピーされた時に、薄いブルーの文字が読めるような濃度に設定するとコールドフォイル×ブラックの部分が読めないようになり、逆にコールドフォイル×ブラックの部分を読めるような濃度設定にしてコピーをすると薄いブルーの文字が読めないようになる。

どちらの印刷手法についてもコールドフォイル加工をするので、対応用紙はコート層があるもの、もしくはPETやPP、クリアファイルのような表面がツルツルした素材を推奨している。

 

日岐社長

日岐社長

これらの印刷技術を開発した背景について同社の日岐社長は「コールドフォイル加工の仕事を長くしてきてその技術が向上したことで、いろいろなお客さまから印刷表現手法についての相談を受けることが多くなった。その中で、“当社が印刷した販売用の本が海外でコピーされ、それが安値で出回っていて困っている”という話を頂いた。コピーすると文字が浮かび上がるような潜像を入れてもその本の内容は読めてしまうので、安価で手に入るならばそれでもいいという人がいると、その手法では対策にならないということだった。そこで、コピーをしたら文字が読めなくなるような印刷手法を考えた結果、この技術にたどり着いた。これは真贋判定を目的としているのではなく、コピー/偽造をさせないことを目的としており、海賊版のような悪貨によってきちんとした著作物である良貨が駆逐されないためのものとなる。コールドフォイル加工は高いアイキャッチ効果や美粧性が求められる分野が主だったが、この技術によって新たな分野・用途を開拓したい」と述べた。

 

柴田常務

柴田常務

また、この印刷技術の開発に携わった同社の柴田文生常務は「コールドフォイルはホットスタンプや蒸着紙への印刷と比べて微細かつ多彩な表現ができるものの、それでも毛抜き合わせでしかもブラックインキの濃度とムラが出ないような精度で印刷するには、工場環境、印刷機の基本性能、そしてオペレーターの印刷技術にも高い水準が必要となる。このような当社の印刷技術による機能が、印刷物や情報の正しい価値を守ることに貢献できれば嬉しく思う」と語った。

 

 

 

 

 

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