2018年04月27日

㈱第一印刷所(本社・新潟県新潟市江南区曙町4の6の18、堀一社長)がハイデルベルグ社製の最新鋭菊全寸延び判両面兼用8色印刷機「スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED」を導入し、4月24日に火入れ式を行った。

この新規導入機は、完全自動運転印刷機能に加え、UV LED乾燥装置による両面即乾印刷、各種洗浄や刷版交換などの同時並行動作によるジョブ替え時間の大幅短縮、全体の生産効率がもっとも上がるような各印刷機へのジョブの振り分けおよび印刷順を設定する機能、プリセット機能を新搭載したナンバリング装置付きインライン品質検査装置などを搭載したもの。

同社ではこの新規導入機を核として、世界最高水準の革新的なものづくり環境を構築し、商業印刷およびページ物印刷のスマートファクトリー化を目指す。

同日、同社会議室で記者会見を開き、その詳細について説明した。

 

火入れ式でスタートボタンを押す堀社長

火入れ式でスタートボタンを押す堀社長

会見の冒頭、あいさつに立った堀社長は「今年は当社の創業75周年を迎える年とある。今回の“スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED”の導入はその目玉となる。この印刷機の導入を機に、ヒト・モノ・カネという経営資源を効率的に運用できるように経営革新し、好循環を生み出していきたい。また第一印刷所内だけでなく、企画・デザインから流通にいたる当社グループ全体で、一気通貫の全体最適化が図れるように運用していく。そして、そのメリットを地域社会や顧客など、当社を支えてくれるみなさんに向けながら進んでいく」と述べた。

 

同社が今回導入した「スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED」は、ハイデルベルグ社が提唱する、枚葉オフセット印刷の完全自動運転を実現するコンセプト「Push to Stop」に基づいて設計された最新モデル。

印刷機はジョブ情報を受け取ると、自動的にジョブ替え作業から本刷りまで行い、オペレーターが機械を停止させる操作ボタンを押さない限り、ジョブ情報を受け取った分のジョブを次々と連続的に自動運転していく。

さらにこの印刷機では、全自動全胴同時刷版交換装置に加え、刷版交換している間に圧胴、ブランケット、インキングユニットを同時に並行して洗浄できる「ハイカラーマルチドライブ」を搭載しており、インキ替え作業も含めたジョブ替え時間の大幅な短縮が図れる。

なおこの導入機は、「スピードマスターXL106」の両面兼用8色機に、「ドライスターLED」と「ハイカラーマルチドライブ」を同時に搭載した世界初のモデルとなる。

 

今回、「スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED」の導入にともない、2台の菊全判両面兼用8色印刷機(油性)を廃棄し、かつ2台の菊全判両面兼用2色印刷機(油性)はバックアップ機として保有はするものの基本的には稼働しない方針を決めている。

そこで「スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED」には既存機4台分超の生産力を見込むとともに、商業印刷/ページ物印刷、両面印刷/片面多色印刷といったことを問わず、あらゆるジャンルでの高品位な小ロット印刷で活用することを予定。

また、枚葉オフセット印刷機はUV LED機2台とUV/油性兼用機1台という構成になることから、基本的にはUV LED印刷で対応。

そのために、これまでUV LED印刷はプロセスカラーのみを対象としてきたが、今後は東洋インキグループと連携して中間色のLED対応インキも活用していく。

 

スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED

スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED

火入れ式では、デモンストレーション運転も行われ、そこでは①4/4色印刷、②CMYK+グリーン+レッド+ゴールドの片面7色印刷、③UV LEDによる即乾を活かして片面7色のドン天印刷--の3ジョブを行った。

最初の4/4色印刷では、前工程から受け取ったジョブ情報に基づいて印刷機のプリセットおよび色や見当などの自動調整を行い、本刷りを開始。

機械最高速の毎時1万5000回転で、全紙の欠陥検査をしながら色調変動の自動制御も行える点をアピール。

またUV LEDで即乾するので、デザインや面付けにおいてシートブレーキの位置を考慮する必要がない点も紹介された。

 

次ジョブへの切り替えでは、刷版交換と同時に各種洗浄作業が行える「ハイカラーマルチドライブ」が威力を発揮。

インキ替えおよび反転胴の切り替え作業も含めたジョブ替えについて、既存機であれば30~40分程かかっていたが、前ジョブの刷了からわずか10分20秒でこのジョブの本刷りに入り、その迅速性をアピールした。

3番目のジョブでは、即乾の特性を活かした7色のドン天印刷を行い、今後の印刷工程での運用方法における可能性を示した。

 

今回導入した「スピードマスターXL106-8-P ドライスターLED」には、生産効率をいっそう高めるための新技術も搭載されている。

その1つが、ウエブテック㈱製のインライン品質検査装置「SENSAI」の新機能だ。

「SENSAI」は、フィーダーボード上ですべての用紙の余白部にインクジェットでナンバリングし、もし欠陥を検出したら用紙のナンバーとともに認識する仕組み。

今回搭載された新機能では、これまでは用紙サイズが変わるとインクジェット印字部を手動で移動・調整する必要があったが、印刷機が受け取ったジョブ情報と連動して自動で印字部のセットがされる。

 

もう1つの技術が、「プリネクトAIプランナー」だ。

これは、プリプレスワークフローとは別に、MISのデータとPPFのデータから自動的にジョブ情報を生成し、各印刷機の機能や能力を踏まえた上で、全体の生産性や稼働効率がもっとも高まるような順番にジョブの割り振りおよび並べ替えをするもの。

用紙の種類やサイズの変更、色の濃淡によるインキ替え時間の長短、両面印刷/片面印刷の切り替えをはじめとしたあらゆる条件をAIによって勘案して、その生産現場における理想的なジョブの流れを自動的に作り出すことができる。

 

同社ではこれらの技術や機能をフルに駆使することで、入れ替えをした既存印刷機では10%を切っていたOEE(総合設備効率)が30%超になると見込む。

さらに、4台の印刷機を1台に集約したことや自動化機能の活用によって、ボトルネックになっていた部門へ印刷オペレーターを異動したり、生産管理やポストプレス工程などにも対応できるようにする多能工化を進め、グループ全体の最適化を図っていく。

 

 

 

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