2018年04月20日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、水野秀也社長)は4月18日、㈱ウエマツ(本社・東京都豊島区南長崎3の34の13、福田浩志社長)の戸田工場で工場見学会を開催した。

多くの来場者が訪れたこの会では、ウエマツが導入した、オフセット印刷の自動運転を実現する「Push to Stop」コンセプトに基づいて設計された「スピードマスターXL106」の稼働状況を披露。

生産性や稼働効率、品質管理体制を高めることに成功し、異次元の生産環境を構築しているところを紹介した。

 

ウエマツは、グループ全体で28台169胴の枚葉オフセット印刷機を擁し、そのうち戸田工場では18台119胴が稼働する、枚葉オフセット印刷の専門工場としては国内屈指の印刷会社。

受注のすべてが同業者からの下請けという特化したビジネスモデルを採っている。

仕事の内容として多くを占めるのが、同業者が嫌がるような、手間がかかるもの、難易度が高いもの、納期が短いものとなることから、保有する印刷機のほとんどが特色にも対応できる5~6色機や短納期に対応する8~10色の両面機となっている。

 

ウエマツの福田社長

ウエマツの福田社長

今回ウエマツが導入した「スピードマスターXL106」は、ハイデルベルグ社が提唱する「Push to Stop」コンセプトを具現化したモデルで、印刷機がワークフローシステムからジョブ情報を受け取ると、自動的にジョブ替え作業から本刷りを行い、オペレーターが印刷機の停止ボタンを押さない限り、指定した数のジョブを次々と連続的に自動運転する。

さらに、全自動で全胴の版替えをしながらその間にブランケットやローラーの洗浄も並行処理するので、ジョブ替え時間の極小化を図ることができる。

 

その導入の目的と動機についてウエマツの福田社長は「売上額は単価×数量で決まるので、売上を増やすには単価を上げるか数量を増やすしかない。しかし、どちらについても今の印刷市場で実行するのは難しい。ただ、売上ではなく利益を増やすとなると話は別で、生産効率を上げることが大事になる。とくに印刷機の生産効率は、全製造業の中でもとても悪い部類にある。だからこそ、ここに成長・改善の余地があると見込んだ。その上で、ハイデルベルグ・ジャパンに“枚葉オフセット印刷機の生産効率が世界でもっとも高い印刷会社を紹介して欲しい”と依頼し、その会社へ視察に行った」と語った。

 

福田社長が訪問したのは、英国のESP社という印刷会社。

そこでは、2台の「スピードマスターXL105/106」で年間に合計で約1.6億枚も印刷しており、印刷機1台当たりの生産効率はウエマツの約4倍という異次元の値をあげていた。

商慣習や運用法などに違いはあるものの、同じ印刷業でこれほど違うことに驚き、日本の習慣や商慣習条を踏まえた上でESP社のパフォーマンスに少しでも近づけるべく、「スピードマスターXL106」を導入して、運用方法の試行錯誤を重ねた。

印刷実演では、10分程で3ジョブを自動処理する異次元のパフォーマンスが示された

印刷実演では、10分程で3ジョブを自動処理する異次元のパフォーマンスが示された

その結果として、国内印刷会社の平均値が25%以下となるOEE(総合設備効率:平均稼働速度と損紙率と純稼働時間の3項目のパーセンテージを掛け合わせた数値)が、高い日では67%に達することが明かされた。

 

印刷実演では、「スピードマスターXL106」を使い、3ジョブの連続自動運転を行った。

CMYKの4色印刷で用紙は変えず、500枚、500枚、1000枚の3ジョブを約10分で完了。

その間、オペレーターは次ジョブの刷版のセットする以外はなにもせず、ジョブ替え作業から色・見当合わせ、印刷中の品質管理も印刷機が自動で行い、そのパフォーマンスの高さと異次元の生産効率をあげられる背景を示した。

 

 

 

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