2018年04月19日

日本アグフア・ゲバルト㈱(本社・東京都品川区、松石浩行社長)は4月4日、京都・下京のメルパルク京都で「Power of Print in京都~輝く印刷の未来へ~」と題した工場見学会とセミナーを開催した。

たくさんの来場者が訪れたこのイベントでは、プリプレスワークフローや印刷現場のさまざまな改革・改善に取り組んで成果を上げているアグフア社製品ユーザーによるセミナーを開講したほか、平成28年からアグフア社製の現像レスCTPプレート「アズーラ」を採用してオフ輪印刷を行っている栄進堂印刷㈱(本社・京都府京都市南区久世大藪町426、西藤栄祉社長)の工場を訪問し、その運用状況を見学した。

 

今回のイベントは、オフ輪会社による経営的メリット、枚葉機ユーザーによる現場改善、さらにクラウドワークフローに関するセミナーと工場見学会が開かれ、①栄進堂印刷・滋賀工場の見学、②栄進堂印刷の西藤社長と製造部の前田宏二ゼネラルマネージャーによる「品質向上と技術力向上への取組み」、③㈱高速オフセットの赤尾一取締役印刷本部長による「オフ輪で考えたこと、やってみたこと」、④㈱藤和の伊藤英隆工場長による「印刷現場から会社を変える~厳しい市場を生き残るために~」、⑤原多印刷㈱の上村浩二総監督による「標準印刷カラー数値管理~リピートと安定感~」、⑥㈱ニシカワの西川誠一社長による「クラウドだからできる“働き方改革”“BCP対策”」--という構成で行われた。

 

「アズーラ」を使ったオフ輪による低温乾燥印刷のデモンストレーションのようす

「アズーラ」を使ったオフ輪による低温乾燥印刷のデモンストレーションのようす

工場見学を行った栄進堂印刷は、B2判4/4色機が1台とB3判4/4色機が3台を擁する老舗のオフ輪専業会社。

現像レスプレート「アズーラ」については平成28年5月から部分採用し、同年11月からは使用するすべての刷版を「アズーラ」に切り替えている。

その切り替えの狙いとしては、印刷時の湿し水量を絞ることにあり、それによって▽少ないインキ量で濃度を出す、▽ドライヤーの設定温度を下げる、▽火じわや波打ちの発生を抑制する--ために、砂目構造が浅くて均一なことから湿し水量を絞るのに適していると判断して「アズーラ」を採用した。

 

デモンストレーションでは、「アズーラ」を採用したことによって、インキと湿し水量が絞れることで原材料費削減やインキ乾燥温度を低下できること、それによって印刷品質と生産性の向上がもたらされたことを紹介した。

 

アズーラの出力実演のようす

アズーラの出力実演のようす

栄進堂印刷で「アズーラ」を全面採用してからの1年間と採用前の1年間を比較すると、仕事量や内容に大きな変化はないもののインキ使用量が4.6%削減されるとともに、湿し水量を絞ってインキのレベリングが良くなり、薄いインキ膜厚でも光沢のある鮮明な印刷効果が得られるようになったことを説明。

また、湿し水の供給量は水まわりローラーの回転速度に応じて調整しており、この回転速度の設定値がB2判機およびB3判機において約20%減という結果が出ていることが明かされた。

その結果、湿し水量が絞れてインキのレベリングが良くなり、インキの膜厚が薄くなったことで、インキを乾燥させるためのドライヤーの設定温度も紙面温度設定で約5度下げられた。

ドライヤーの設定温度が下げられたことで、火ジワ、波ジワ、ブリスターなどの発生が抑えられ、印刷製品品質が向上。

さらに、ブリスターの発生を抑制することが可能になり、さまざまな紙質のものを使えること、紙面温度を下げたことで静電気の発生も抑制することができ、デリバリーの安定化が図れることで印刷機の回転数が上げられたことも明かされた。

刷版工程においては現像レスの恩恵を受けて現像液購入費用や現像廃液処理費用を削減でき、その削減効果は前年比で4.9%減という結果が出ていることなどが紹介された。

 

 

 

 

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