2018年04月06日

デジタル印刷の売上上位の受注品目は1位が事務用印刷、2位が報告書、3位がチラシ。またDMは成長性が高い順、将来性が高い順ともに2位で今後の飛躍が期待される――。

 

日本印刷産業連合会(山田雅義会長、日印産連)が毎年実施している「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査(2017年デジタル印刷市場の現状)」の結果がまとまった。3月29日、東京・新富の日本印刷会館2階大会議室で「デジタル印刷の現状と展望」に関する調査報告会を開き、調査結果を明らかにした。

 

回答企業の85・0%(153社)で608台のデジタル印刷機を保有、1社平均4・22台(※保有企業で台数未回答企業を除いて計算)で、前年度の3・86台から増加した。
 
回答企業の全体の売上に占めるデジタル印刷の割合は平均10・6%で前年度の9・7%から微増となるなど、少しずつ存在感を増しているものの、オフセットなどの従来印刷を越える時期を尋ねた設問では「超えることはない」という回答が昨年に続いて6割を超えた。
 
 
同調査は、日印産連会員の全日本製本工業組合連合会と全日本光沢化工紙協同組合連合会を除く会員8団体と日本印刷技術協会から抽出した707社にアンケート用紙を郵送、180社から回答を得た。回答率は25・5%。

 
それによると、回答企業の85・0%(153社)で608台のデジタル印刷機を保有、1社平均4・22台で、前年度の3・86台から増加した。
 
方式別では、トナー(紛体)が371台、トナー(液体)が12台、インクジェット(大判)が157台、インクジェット(枚葉)が27台、インクジェット連帳が37台、インクジェット(オフセット機など搭載)が4台であった。
 
回答企業の全体の売上に占めるデジタル印刷の割合は平均10・6%で、前年度の9・7%から微増となった。
 
デジタル印刷の売上上位の受注品目の順位は1位が事務用印刷、2位が報告書、論文、議事録など、3位がチラシとなっている。DMは成長率が高い順、将来性が高い順ともに2位で、今後の飛躍が期待される。
 
受注1件当たりの平均ロットは500枚以下が全体の56・4%となっており、昨年とほぼ同等だった。平均ロットが1万枚超という回答も約10%あり、必ずしもデジタル=小ロットではない。データプリントの平均ロットは9万2千枚、大判出力の平均ロットは58枚。
 
デジタル印刷の顧客への訴求ポイントは「極小ロット対応」(72・4%)、「短納期」(70・3%)と、小ロット・短納期の訴求が強い。「1枚1枚内容を変えた印刷ができる」は52・4%となるなど、昨年度とほぼ同様の傾向だった。DMの成長に欠かせないと思われる「高いマーケティング効果」は8・3%と前年より約1%増にとどまった。
 
デジタル印刷関連の売上構成比が全体の30%を占める企業は、従業員50人未満が53・9%を占めており、これも昨年度に引き続いて小規模企業のほうがデジタル印刷へのシフトが進みやすいという結果となった。
 
一方、デジタル印刷の枚数が多い企業は従業員100人以上が47・1%を占めている。印刷枚数が多いグループが極小ロット対応や単価の安さではなく、在庫レスやエコロジー(無駄な廃棄がない)などの顧客メリットを訴求していることがわかった。
 
社内の実施策では、IT力の強化で両グループに大きな差が出た。フリーコメントでも「Web、ITとの融合により顧客の業務支援サービスを展開する。結果として、受注シェアの拡大、関係性の強化を図る。そのために、まず自社がIT、クラウドを使いこなさねば、説得力が持てない」という意見が寄せられている。
 

ポストプレス機のデジタル対応が進んでいる。版や型が不要になり小ロットの仕事に効率的に対応できるだけでなく、従来のアナログ機ではできなかった高付加価値の加工ができると期待される。

 
また、小ロットの仕事を効率的に生産するためには、インラインないしデジタルに特化した製本処理が求められる。そこで、今年度からデジタル後加工機の保有状況、稼働状況などを問うている。表面加工(エンボス、箔押しなど)機は10社10台、抜き加工(レーザーカッターなど)機は21社23台、インライン製本機(デジタル印刷専用)16社26台保有していた。表面加工機、抜き加工機ともに市場の認知度が低いせいか稼働状況は高くない。
 
ただし、表面加工については収益性が高いという回答が半数を占めており、高付加価値対応を裏付ける結果となった。なお、その他(8社44台)の内容は、バリアブルミシン、名刺カッター、スリッター、製袋機などであった。

 
自社においてデジタル印刷の売上が有版印刷の売上を上回る時期について、もっとも多い回答は「(今後とも)超えることはない」で60・6%であった。昨年度に引き続いて6割を超えている。置き換えではなく棲み分けによりデジタル印刷機の特性を活かしていくという意見が今年度も大勢を占めた。ランニングコストの減少と生産性向上を求める声が多いのも例年通りである。さらに、用紙選択が限られる、色再現が安定しない、見当精度(とくに表裏)が不十分といった品質向上を求める声もまだ多い。
 
 

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