2018年03月29日

独・KBAシートフェッドソリューションズ社では2016年にパッケージ印刷/ラベル印刷向けに向けてロータリーダイカッター「Rapida RDC106」を開発し、その日本法人であるKBAジャパン㈱(本社・東京都中央区、岡田修社長)でも昨年12月から販売を開始している。

そしてさきごろ、KBAシートフェッドソリューションズ社は同社ラデボイル工場で、日本の報道関係者に向けて「Rapida RDC106」を披露する内覧会を開催した。

そこでは、その性能と高精度な仕上がり、短い準備時間と高速稼働による実生産性の高さなどが示された。

 

マグネットシリンダーに装着したフレキシブルダイ

マグネットシリンダーに装着したフレキシブルダイ

「Rapida RDC106」は、菊全判枚葉オフセット印刷機「Rapida106」のフレームや機構をベースとして開発・製造されたロータリーダイカッター。

枚葉オフセット印刷機のブランケット胴や圧胴に相当する部分がマグネットシリンダーとなっており、そのシリンダーにフレキシブルダイを貼り付けて使用する。

たとえばパッケージ用途の3ユニット構成を例にすると、1胴目では上下のシリンダーにそれぞれ凹凸のフレキシブルダイを取り付けて筋入れ・エンボス、2胴目でダイカット、3胴目でストリッピング(カス取り)をすることが可能となる。

また、たとえばラベルのハーフカット用途だけでしか使わない場合は1ユニット機で導入することもできるなど、用途に応じて構成ユニット数を増減することもできる。

 

同機の大きなポイントの1つが、平盤打ち抜き機を遥かに上回る高い実生産性だ。

その要素は、高速稼働と大幅な準備時間の短さにある。

稼働速度については、枚葉オフセット印刷機「Rapida106」のエンジン構成を踏襲していることから、毎時1万5000回転(インモールドラベルでは1万7000回転)の最大処理能力を有する。

実際の作業の流れは枚葉オフセット印刷機と同様、フィーダーから1枚ずつ用紙が流れていき、各ユニットで筋入れ、エンボス、ダイカット、ストリッピング(カス取り)などが施されてデリバリー部から出てくる。

 

ダイプレートの交換がボタン操作だけで完了
ムラ取り作業が不要なので準備時間が大幅短縮

 

ダイとシリンダーのピンの位置を合わせてボタンを押すだけで装着できる

ダイとシリンダーのピンの位置を合わせてボタンを押すだけで装着できる

ジョブ替えの準備作業についてはマグネットになっている各胴のシリンダーにフレキシブルダイを貼り付ける方式を採用し、その脱着に工具などは不要。

フレキシブルダイとシリンダーのピンの部分を合わせて機械のボタンを押すだけで、自動でシリンダーへと巻き付いていく。

もし見当調整が必要な場合は、オペレーションスタンドのタッチパネルから1μ㍍単位での高精度な変更が可能。

用紙にかかる圧が接触面全体で一定となる枚葉オフセット印刷機のシリンダーを転用しているので、平盤打ち抜き機の準備作業において大きな時間と労力を要するムラ取り作業も一切不要となる。

用紙搬送に関する設定については、これも枚葉オフセット印刷機と同様、ジョブ情報に応じてフィーダーからデリバリーまでの各部の自動プリセットが行われる。

これらの機能によりジョブ替えの準備時間が3ユニット構成機でも20分以内に収めることが可能。このようなことから平盤打ち抜き機と比較して準備時間の短さと稼働速度が大きく上回るので、紙器パッケージでは65%、ラベルでは300%の生産性向上に繋がると試算している。

 

同社のマイケル・グリーガー副社長は「印刷機の技術を活用した自動プリセットにより、とても短い準備時間で高い見当精度が得られるようになっている。また、操作がとても簡単なのですべての作業を1人のオペレーターだけで行うことができ、しかも印刷機と同じインターフェースなので印刷機のオペレーターが兼任できるので、柔軟な人材配置計画を立てられるようにもなる。一般論として、印刷機の生産性に対してダイカット工程の生産性は低いのでそこにボトルネックができがちだが、この機械は1台で従来型の印刷機2台分の生産量に対応することができる。それに加え、製造現場の騒音も小さく、さらには抜き型を保存するためのスペースも小さくなるので、さまざまな点でメリットは大きい」と述べた。

 

見当調整はタッチパネルから1μ㍍単位で変更可能
印刷機と同じ操作性なのでオペレーターの兼務も

 

 

「Rapida RDC106」の主な特徴は次のとおり。

▽30㌘/平方㍍のフィルムから500㌘/平方㍍の板紙までの幅広い基材に柔軟に対応。枚葉オフセット印刷機「Rapida106」で採用されているユニバーサルグリッパーシステムを流用しており、基材の厚みが変わっても爪台の調整作業は不要。

 

▽最大打ち抜きサイズは740×1060㍉で、最高稼働速度は毎時1万5000回転(インモールドラベルでは1万7000回転)。

 

▽オペレーションスタンドのタッチパネルから幅方向および送り方向の見当調整を1μ㍍単位でできるため、高精度な位置決めが簡単にできる。

 

▽レーザーによるスキャニングによってフレキシブルダイの厚みに応じた自動プリセットができ、時間がかかるムラ取り作業などが不要。ダイカット圧も1μ㍍単位で高精度な設定ができる。

 

▽枚葉オフセット印刷機のノウハウを流用した、用紙搬送に関するエアー調整機構を搭載。また、ロール紙をカットしてからフィーダーへと送るリールtoシーターも用意。

 

▽枚葉オフセット印刷機と同様のリモートメンテナンスサービスを提供。万一のトラブルが発生した場合、同社のサービス部門が通信回線を通して、その機械の状態を診てリモートで直せる場合は即座に対応。修理が必要となる場合でも的確に修繕箇所が分かるので、迅速な初動対応ができる。

 

インモールドラベル製作での高い適性も示す
操作は簡易で、生産性は従来比300%に向上

 

 

Rapida RDC106-4

Rapida RDC106-4

デモセンターでの稼働実演では、1ユニット構成の「Rapida RDC106-1」と4ユニット構成の「Rapida RDC106-4」を披露。

「Rapida RDC106-1」では、菊全判機で印刷されたインモールドラベル用の紙厚60μ㍍の基材を使用。60面付されたものの打ち抜き加工を行うにあたり、フレキシブルダイの取り付けとジョブ情報の入力だけというわずかな作業と時間だけで準備を済ませて運転を開始。

毎時1万7000回転の最高速で高精度な加工を行い、実生産性の飛躍的な向上と作業負担の大幅な軽減が図れることから、ラベル製作のワークフローが劇的に進化する可能性を示した。

また「Rapida RDC106-4」では、250㌘/平方㍍と260㌘/平方㍍の紙を使用して2種類の紙器パッケージの打ち抜き加工を、最高速となる毎時1万5000回転で行った。

「Rapida RDC106-4」は、1胴目でエンボス、2胴目で筋入れ、3胴目で打ち抜き、4胴目でストリッピング(カス取り)を行う構成のモデル。

1~3胴目に関しては各加工工程に応じた雄/雌のフレキシブルダイを、4胴目のストリッピングではニス用の樹脂版を装着させる。

ストリッピングについては、下側のシリンダーが用紙接着時にエアーを吸うことでカスを取り込み、シリンダーから用紙が送られた後に機外へ排出される。

 

打ち抜き加工の次工程となるブランキングについては、㈱レザック製の高速ブランキングシステム「MASTER BLANKER CBL」をKBAシートフェッドソリューションズ社で販売。

今年度内にはインモールドラベル専用モデルの発売が予定されているほか、「Rapida RDC106」のデリバリー部から「MASTER BLANKER CBL」のフィーダー部までをつないだ、省力化システムの開発・提供も予定されている。

 

 

 

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