2018年02月28日

謄写版(ガリ版)「温“孔”知新」。2017年は堀井新治郎の謄写版発明(1894年)から123年目に当たっていた。事務文書作成の効率化を模索していた堀井父子は、染色に用いる捺染法にヒントを得て、雁皮紙にロウを塗り、鉄筆で文字や図形を描く方法を完成させ謄写版と命名した。エジソンのミメオグラフの理論をもとに研究開発した。

 

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▼1894年に勃発した日清戦争では軍事通信に採用された。1923年の関東大震災では東京・横浜の中心部が壊滅的な被害を受け、印刷手段が失われた。動力や大掛かりな設備の不要なガリ版印刷が活躍した。新聞社数社がガリ版刷りの号外を発行した。48年に謄写版発祥55年を迎え「謄写印刷文化展」、NHKテレビ放送の始まった53年に「60周年記念孔版文化展」が開かれた。55年には「全日本謄写印刷業連盟」(JaGraの前身)が結成されるなど戦後の黄金期を迎えた。

 
▼89年四国謄写堂が原紙の生産を中止。次第に謄写版関連機資材の生産は消えた。海外での販路を見出した大東化工は2010年ごろまで原紙製造を続けていたが、産業としての謄写版は終焉する。ガリ版の盛衰を写真で伝える貴重な小冊子。

 

(日本グラフィックサービス工業会、オールカラー・A4変型・16ページ)

 
 

 

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