2018年01月31日

木村惠也

木村惠也幹事

全日本印刷工業組合連合会(全印工連、臼田真人会長)は、政府の平成29年度基本方針の中に、知的財産権の財産的価値について留意する内容が盛り込まれたのを受け、昨年12月パンフレット『大きく変わる知的財産権の取り扱い』を作成し、周知・啓発に乗り出した。1月10日札幌市で開かれた北海道地区印刷協議会(板倉清会長)では、全国に先駆けて説明会を行い、全印工連官公需対策協議会の木村惠也幹事(岩手県印刷工業組合副理事長)が概要を解説し、「国や地方公共団体の発注者に対して、著作権を適切に取り扱うよう、理解を促してほしい」と呼びかけた。

 
木村幹事の説明要旨はつぎのとおり。

 
はじめに一番伝えたいことを説明する。第1は、平成29年7月25日閣議で決定した「平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」で、「発注者は著作権の財政的価値に十分に留意しなければならない」ということが明確になった。官公需の仕様書や契約書から「著作権を無償で譲渡する」「無償で利用する」という記載が削除された。
第2は印刷用データ等の中間生成物も、著作権同様に財産的価値に配慮が必要。印刷用データ等の中間生成物はアナログの時代から、特約がない限り印刷会社が所有権を持つが、中間生成物についてもその財産的価値が認められることが、経済産業省・中小企業庁のチラシに明記された。

 
従来の官公需では、著作権を無償で譲渡・利用する契約が多かった。これからは発注者が知的財産権、印刷請負契約ではとくに「著作権」について無償ではなく、財産的価値に十分留意した発注としなければならない。
平成29年度基本方針に盛り込まれた内容は、「知的財産権の財産的価値について十分に留意した契約内容とするように努めるものとする」だけの非常に短い文章である。毎年基本方針が発表されると、その説明のために全国各地約50会場で「官公需確保対策地方推進協議会」が開かれる。そのときの資料に掲載された解説文では、受注した中小企業の著作権を適切に保護することが求められている。

 
具体的に留意するのは、受注者の印刷会社ではなく、発注者となる国や地方公共団体であることを、間違えないように。
第1は「知的財産権の無償譲渡・利用の適正化」。著作権を含む知的財産権を無償で譲渡や利用してはいけないと発注者に求めている。一般の職員には「基本方針」が伝わっていない場合もあるので、パンフレットで説明していただきたい。
第2は「知的財産権の利用範囲の特定・明確化」。官公需における仕様書や契約書では、ほとんどの場合、その権利範囲が明確化されていない。また利用範囲を特定することにより、違法な利用を抑制し、トラブルを未然に防ぐことにもなる。
第3は「一律の権利譲渡の見直し」である。現状の官公需では、著作権の譲渡がなぜ必要なのか、譲渡した後に何に利用するのかもわからずに一律に譲渡が求められている。

 
次に印刷用データ等の中間生成物の取り扱い。中間生成物は、特約のない限り印刷会社の所有物であり、譲渡が必要な場合は、印刷請負契約とは別の契約が必要になる。

 
官公需における知的財産権の適切な取り扱いに向けての今後の取り組みについては、やはり発注者と発注者がお互いを理解する必要がある。民間同士の取引と同じで、顧客の課題解決に向けて、相互の話し合いの場を持つことが重要になる。
官公需の場合、個別企業との話し合いはむずかしいと思う。印刷工業組合を利用し、印刷工業組合と発注者である県や市町村と意見交換する場を持つべきである。

 
全印工連も引き続き活動するので、十分理解した上で国や地方公共団体等の発注者に対し、著作権が適切に取り扱われるよう、呼びかけを続けていただきたい。

 

 

 

 

 

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