2017年12月27日

国立印刷局理事長賞を受けた「モリサワカレンダー二〇一八」の見どころをまとめた小冊子。カレンダーには五島美術館が所蔵する国宝「源氏物語絵巻」から鈴虫、夕霧、御法の3帖が掲載されている。監修した同美術館副館長の筆者とアートディレクション・デザインの勝井三雄は、文字を主役に絵や料紙を調和させ優雅な世界を華麗に表現した。

 

▼源氏物語絵巻の詞書は、4種類の書風が確認できる。伝称筆者は、第一類・藤原(世尊寺)伊房、第二・三類・寂蓮、第四類・飛鳥井雅経の3人。五島美術館には第一類の書風だけが伝存する。4種類の中でも至極端整なかなで、12世紀中ごろの筆跡としてはもっとも気品にあふれる。モリサワの作品は第一類のすぐれたかな表現を紹介するもの。

 

名児耶明『かな語り』

名児耶明『かな語り』

 
▼睦月、調和するかなと漢字。如月、行の濃淡による奥行の創出。弥生、筆運びににじむ歌心。卯月、散らし書きに現れた歌心。皐月、文字の太細にひそむ豊かな感情。水無月、行間に漂う情感。文月、響きあう文字と料紙。葉月、余白の味わい。長月、料紙と溶けあう文字。神無月、散らし書きの妙。霜月、重ね書きに込められた想い。師走、文字の肥痩に現れた感情の機微。――月ごとの味わいを詞書の写真・絵と解説で伝える。

 

(モリサワ、カラー・A4・16ページ)

 
 

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