2017年12月01日

今回のツアーで訪れた、ハイデルベルグ社製の最新鋭印刷機を導入して先進的な取り組みをしているパッケージ印刷会社の1社が、ハイデルベルグ製の4台の菊全判印刷機(6色Wコーター機、6色コーター機×2台、2色UVコーター機)が印刷部門を担い、中でも今年に導入した完全自動運転機能を搭載したPush to Stopモデルの菊全判6色Wコーター付印刷機「スピードマスターXL106-6+LYYL」がショートリードタイム化に大きく貢献している、オランダのAcket drukkerij kartonnage社だ。

 

1882年に創業した同社は、食品・飲料品の紙器パッケージをメーンに営業展開しており、オランダ国内のその分野で14%のシェアを持つ。

近年は人件費が安い東欧やアジアの印刷会社が進出してきているが、それらの印刷会社との不毛な低価格競争を避けるために同社が採った戦略として、印刷製品の運搬に多大な時間を要することになる遠距離の外国企業では参入しにくい、リードタイムが短い品目(=食品)に狙いを絞った。

 

新興国との低価格競争から脱却するため
ショートリードタイムのパッケージに注力

 

そこで同社では、製造時間を短くできるような機器、すなわち高生産性と短い準備時間にフォーカスを当てて設備を整え、プリプレスから印刷、加飾、打ち抜き、製函、配送までを自社工場で一貫処理をする。

スピードマスターXL106-6+LYYL

スピードマスターXL106-6+LYYL

年間に1500万㌔㌘/9100万枚の板紙に印刷をして5億5000万個の紙器を製造する同社の印刷工程で活躍しているのが、Push to Stopモデルの菊全判6色Wコーター付印刷機「スピードマスターXL106-6+LYYL」だ。

この「スピードマスターXL106-6+LYYL」では、ジョブ替えの自動化を図るソフト「インテリスタート2」とインライン色調管理装置「プリネクトインプレスコントロール2」を搭載。

「インテリスタート2」では、ジョブ内容をすべて認識してなにをどの順番で処理すればもっとも効率良くジョブ替えができるかを判断し、それを自動で実行。

もしオペレーターによる手作業での処理を要する場合は、もっとも効率的に処理ができる順番をナビゲートする。

「プリネクトインプレスコントロール2」は、印刷機内の分光光度計で全印刷物のLab値を測定し、その結果に応じて印刷機のインキキーを自動補整する。

印刷中の色調変動の制御のほか、刷り出し時の色合わせ作業も自動で行える。これにより、ジョブ替え、刷り出し時の調整作業、印刷中の監視・制御を自動化できる。

 

自動運転機能を背景にした瞬発力が
国内顧客の確保と在庫の削減に寄与 

 

Tom Acket社長

Tom Acket社長

創業者から数えて5代目として同社を牽引するTom Acket社長は、「この印刷機には、インライン色調管理装置による刷り出し時の素早い色合わせ、そしてジョブ替え作業の自動化も図れる“インテリスタート2”によって、用紙替えやインキ替えを要さない場合は完全自動運転をすることができ、圧倒的な生産性とリードタイムの短縮が実現できる。実際、ジョブ替え時間は紙替えをしても5分程、しなければ2分程しかかからない。毎時1万8000回転で実稼働できる高速生産性に加え、フィーダー部からデリバリー部へと空パレットを送れるシステムも利便性と生産性に貢献してくれる」と語る。

 

また同社では、突然の納品要請にも対応できるように、納品した各パッケージ製品を大量に在庫しているが、この印刷機の瞬発性を活用することで、その在庫を減らしていくことも見通している。

 

 

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