2017年12月01日

スピードマスターXL162-5+L

スピードマスターXL162-5+L

今回のツアーで訪れたもう1社のパッケージ印刷会社が、ベルギーのSmart Packaging Solutionsだ。

同社の特徴は、パッケージ製品の印刷・製造だけではなく、原反の製造もしていること。

その原反は、段ボールように中芯が波状になっていない、極厚の板紙「Solid board」だ。

 

「Solid board」は段ボールの弱点である湿気に対しても強く、また段ボールより薄くても同様の強度を得ることができる。

ベルギーおよび周辺国は農業国なので、野菜や果実、花などの生産が盛んとなっており、そのパッケージは湿気・水分に強いことが求められる。

もちろん肉や魚についても同様なので、その分野に狙いを定めた営業展開をしている。

 

湿気に強いSolid boardで
農産品や生花などのパッケージに強み 

 

1.6㍉厚の板紙「Solidboard」は、波打ちやすいので用紙搬送の円滑さが生産性を左右する

1.6㍉厚の板紙「Solidboard」は、波打ちやすいので用紙搬送の円滑さが生産性を左右する

同社では、今年2月に導入したハイデルベルグ製の四六倍判5色コーター付印刷機「スピードマスターXL162-5+L」を活用して、この「Solid board」への印刷を行う。

それまでは、他メーカー製の菊倍判5色コーター付印刷機で印刷をしていたが、フィーダーや用紙搬送に課題があり、毎時6000~9000枚の速度でしか印刷できなかったという。

一方、「スピードマスターXL162-5+L」は胴径が大きいので1.6㍉厚の「Solid board」でも用紙搬送がスムーズ。

しかも「Solid board」は左の写真でもわかるように、波打ちやすい原反なためフィーダーでのトラブルが起きがちになる。

しかし「スピードマスターXL162-5+L」ではそれも起こらないので、ジョブによっては毎時1万5000回転のスピードで印刷できている。

 

 

刷り出し時の損紙はわずか5~10枚
パレットの自動移送も生産性向上の鍵に

 

Hopstaken工場長

Hopstaken工場長

同社のMarc Hopstaken工場長は、「印刷機を導入するにあたり、重たい原反へ印刷するので頑丈な印刷機であること、そして用紙搬送がスムーズなこと、この2点に着目して選定し、“スピードマスターXL162-5+L”に決めた。“Solid board”は高価なので、できる限り刷り出しの損紙は少なくしたい。そこで実際のジョブでは、5~10枚程で本刷りに入っている。競合となるパッケージ製品は段ボールなので高い品質は問われないものの、一定レベルの品質は必要となる。わずかな枚数で色がきちんと出てくれることは大きな意味がある。ジョブ替えについては、もっとも効率が良い手順を印刷機自身が判断して、自動化機能によってできることは印刷機自身で処理し、手作業が必要な点はオペレーターにナビゲートしてくれる“インテリスタート”により、時間も作業負担も大きく軽減されている」と導入の感想と効果を語る。

 

同社の平均ロットは約1万5000枚だが、重たい原反に印刷する中でクリアすべき2つの問題がある。

1つは、UV機ではないので裏付きする可能性があること。

これについては、印刷する内容に応じて全面に水性ニスをひいてから乾燥させることで対応している。

もう1つの問題は、印刷機は嵩上げしているものの、1パレットに載る「Solid board」の枚数はわずか800枚。

そこでこの「スピードマスターXL162-5+L」では、フィーダー部で使った空のパレットを印刷機のステップの下を通してデリバリー部へと送れる機構を搭載して、パレットがすぐに用意できるようになっている。

 

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