2017年11月20日

ハイデルベルグ・ジャパン㈱(本社・東京都品川区、水野秀也社長)は11月15~17日の3日間、同社東京カスタマーセンターで「Push to Stop day~完全自動運転を体感できる3日間」と題したプライベートショーを開催した。

会期中にのべ400人超の来場者が訪れたこのショーでは、必要な情報や作業を統合することで、従来にはない滞りのない高レベルのパフォーマンスが達成できる、進化した印刷現場像を示した。

 

同社では、印刷作業は人の手によってスタート指示をしてから開始される従来型の工程(Push to Start)から、機械が自動的に生産をスタートして、作業状況も機械自身で監視し、なんらかの必要が生じた時にだけ人が介入して機械を止める(Push to Stop)という未来型のコンセプトを打ち出している。

そこで今回のイベントでは、1日目をコマーシャルプリンティング、2日目をパッケージプリンティング、3日目をパブリッシングプリンティングとテーマを分け、それぞれの業態においてPush to Stopによって成される革新的な手法を、各種製品のデモンストレーションを通じて紹介した。

 

オフセット枚葉印刷機で完全自動運転を行う近未来の印刷現場像を示した

オフセット枚葉印刷機で完全自動運転を行う近未来の印刷現場像を示した

そのうちのパッケージプリンティングdayでは、菊全寸延び判6色コーター付UV印刷機「スピードマスターXL106-6+L-X3」を使い、3種類の厚紙印刷の実演を行った。

この印刷機には、▽ジョブ替えの自動化を図るソフト「インテリスタート2」、▽インライン色調管理装置「プリネクトインプレスコントロール2」--といった機能が搭載されており、これらの機能を組み合わせることで自動運転を実現する。

「インテリスタート2」では、ジョブ内容をすべて認識してなにをどの順番で処理すればもっとも効率良くジョブ替えができるかを判断し、それを自動で実行する。

また「プリネクトインプレスコントロール2」は、印刷機内の分光光度計で全印刷物のLab値を測定し、その結果に応じて印刷機のインキキーを自動補整するシステムで、印刷中の色調変動の制御のほか、刷り出し時の色合わせ作業も自動で行える。

これにより、ジョブ替え、刷り出し時の調整作業、印刷中の監視・制御を自動化できる。

 

これまでは手作業だったニス版の交換も自動化で

 

実演デモでは、1ジョブ目と2ジョブ目では2~5胴目でCMYK、6胴目でOPニス、コーターユニットでニスを塗布するジョブを、印刷オペレーターがなにも操作・指示をしない完全自動運転で印刷。

3ジョブ目では、1胴目で特色、6胴目はインキ替えをして金インキ、コーターユニットでニスを塗布。

手作業でのインキ替え作業をしても、「インテリスタート2」が指示するもっとも効率が良い方法に沿って作業をすることで、10分強でジョブ替えが完了するナビゲート印刷を行った。

また、この印刷機では全自動全胴同時刷版交換装置に加え、刷版交換している間に圧胴、ブランケット、インキングユニットを同時に並行して洗浄できる「ハイカラーマルチドライブ」を搭載。

さらに、これまでは手作業で行うほかなかったニス版の交換についても、印刷用の刷版交換とまったく同じ要領で半自動もしくは全自動で行うことができる「オートプレートコーティング(半自動)/オートプレートコーティングプロ(全自動)」も搭載。

あらゆる作業を同時に並行処理できることから、圧倒的な速さでのジョブ替えが可能となるところを示した。

 

さまざまなジョブ替え/洗浄作業の同時・並行処理も可能に

 

3日目のパブリッシングプリンティングdayでは、「スピードマスターXL106-6+L-X3」で各200枚の3つのジョブを完全自動運転で連続処理し、すべてのジョブを約10分で完了させるデモンストレーションを行った。

「ハイカラーマルチドライブ」では、全自動刷版交換、圧胴・ブランケット・インキングローラーを同時に洗浄できるほか、任意のユニットのインキングを別個に動かしたり、止めたりすることができる。

これまでは、あるジョブで印刷しないユニットがあった場合、これまではそれでもインキローラーが回転してしまうので、ローラーが傷まないように油を流し、次のジョブでその印刷ユニットを使う時には油を落とす作業が必要となっていた。

しかし、「ハイカラーマルチドライブ」を搭載していると、印刷しない場合はインキローラーを止めておくことができるので油を流す必要がなく、また次のジョブで印刷をする場合でもただちに使うことができる。

 

 

印刷機の実演デモのほか、各印刷機の稼働状況データを解析し、詳細な稼働状況のレポート出力をしたり、さらには印刷機のトラブルの予知、消耗部品や印刷必需品のオンライン注文ができる機能「ハイデルベルグ・アシスタント」の紹介。

さらに、使用する用紙の種類やサイズ、印刷面積率などの諸条件を勘案して、印刷機の稼働効率や自動運転によるパフォーマンスを最大化させるように印刷順を並べ替えられる「プリネクトスケジューラー」といった機能の紹介も行われた。

 

 

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