2017年11月08日

一般財団法人印刷図書館は、2017年3月に財団設立70周年を迎え、記念事業の一つとして、このほど、約2万点を超える貴重な資料・収蔵品をまとめた『印刷図書館コレクション』(A4判・120ページ・上製本)を刊行した。
 
印刷図書館は、昭和22(1947)年の設立以来、「印刷文化に貢献すること」を目的に、印刷の唯一の専門図書館として、資料閲覧などの日常業務を進めるとともに、後世に残すべき貴重な印刷文化資料の保存に努めている。しかし、一般には印刷図書館そのものや、そこでどのような貴重な資料が所蔵されているのかなど十分認識されていないのが現状。そこで、印刷図書館を広く認識してもらうため、財団設立70周年を記念する事業の一つとして同書を刊行した。
 
『印刷図書館コレクション』には、2万点を超える所蔵資料の中から、貴重な資料などを図版とともに紹介した「収蔵品図録」をはじめ、これまでの印刷図書館の歩みを記した「沿革」と詳細な「年表」、さらには巻末には、これまで、そして、これからの「印刷」を知るうえで欠かせないタイトル1500冊をピックアップし、「主要図書リスト」として掲載している。
 
『印刷図書館コレクション』の制作にあたっては、松本佐恵美さん(印刷図書館)が編集企画、宗村泉氏(印刷博物館)が選書協力、上田宙氏(烏有書林)が編集協力、橋詰隆裕氏(る~む)がデザイン・撮影、朝日印刷工業㈱が印刷・製本をそれぞれ担当した。
 

 『印刷図書館コレクション』表紙

『印刷図書館コレクション』表紙


 
 
印刷図書館では、10月26日に東京・一ツ橋の如水会館3階「松風の間」で、関係者約100人を集めて出版パーティーを開き、同書を披露した。
 
また、一般に「印刷」を広く理解してもらうための一助として、『印刷図書館コレクション』を、全国の文化・芸術および関連の専門情報機関・研究機関などへ謹呈するとともに、希望者へ頒布する。頒布価格は2000円(税・送料別)。

 

 

「発刊に寄せて」 印刷図書館理事長 山田雅義

 
山田雅義

 
 
2017年3月、印刷図書館は財団設立70周年を迎えました。本木昌造氏により和文活字製法が開発され、明治の始まりとほぼ時を同じくして日本の近代印刷が始まりましたが、この図書館設立が企図された1930年代は、技術や資機材もまだ海外に依存している状況でした。
 
初代印刷学会会長の矢野博士を中心にして、今後、日本の印刷産業が発展していくためには、将来を担う印刷人のための学びの場、そして情報を発信していく場が必要と考えられ、図書館設立の準備が始められました。
 
こうした印刷産業の発展に向けた強い思いが実り、印刷図書館は1946年に日本印刷学会の附属施設として開館し、翌1947年には財団法人印刷図書館としてのスタートを切りました。印刷、製本、出版、製紙、機械製造、インキ業などに関する内外の文献を収集するとともに、多くの篤志家の方々より貴重な資料をご寄贈いただき現在の図書館の基礎を築きました。これらのコレクションをさらに拡充させながら、印刷図書館はその後の日本の印刷産業の発展を支え、また印刷文化の素晴らしさを今日でも伝え続けています。
 
印刷図書館が、こうして70周年を迎えることができましたのも、ひとえに、印刷を愛する業界先輩方の高い志と、長年にわたりご支援いただいた印刷会社ならびに業界団体、関連団体の皆様方のおかげと深く感謝申し上げます。
 
さて、印刷図書館設立70周年を記念する事業の一つとして、この『印刷図書館コレクション』を刊行することといたしました。図録作成にあたっては、明治・大正期発行の資料・作品を中心に、図版としてご覧いただきたいものを選択・掲載し、このほか、図書館の主要蔵書リストも巻末に掲載しました。本書が、印刷図書館さらには印刷産業をご理解いただく上でお役に立つことを念願しております。
 
デジタル化、ネットワーク化が進む今日、印刷の役割も変貌してきておりますが、社会の発展を支える基盤事業としての機能、そして情報コミュニケーションのメディアを提供する役割はこれからも続いていくと確信しております。印刷図書館はこれからも日本の印刷産業のデータベースとしての役割を担い、印刷産業の発展そして印刷文化の発信に邁進してまいります。

 

(財団設立70周年記念誌『印刷図書館コレクション』より)

 

 

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