2017年09月12日

日本印刷産業連合会(山田雅義会長、日印産連)はこのほど、平成29年度・第16回印刷産業環境優良工場の表彰工場を発表した。経済産業大臣賞の該当工場はなかった。経済産業大臣賞に次ぐ経済産業省商務情報政策局長賞には、一般の部で㈱廣済堂さいたま工場(埼玉県さいたま市、浅野健社長)、小規模事業所振興部門で㈱太陽堂印刷所第一工場(千葉県千葉市、日暮秀一社長)の2工場が選ばれたほか、日本印刷産業連合会会長賞に5工場(一般4、小規模1)、日印産連奨励賞7工場(一般4、小規模3)が選ばれた。日印産連特別賞も該当工場はなかった。表彰式は9月13日に東京・千代田区紀尾井町のホテルニューオータニ「鶴の間」で開催される「2017年9月印刷の月 記念式典」の中で行われる。
 
16回目を迎えた今回は、小規模事業所振興部門27工場を含め合計58工場(前回52工場)から応募があった。全体の傾向は、応募各工場の環境活動レベルは総じて高く、過去に応募しその後も継続して活動している過去受賞工場や、環境マネジメントシステムが確立しているグリーンプリンティング認定取得工場が総合的に見て評価が高かったものの、環境維持・改善に群を抜く活動が認められる工場が見当たらず、経済産業省大臣賞推薦は該当工場なしとなった。
 
フロン排出抑制法など新たな措置が必要となった環境関連の法制化への対応をはじめ、掲示板活用による全員参加の活動や各指標の見える化、「VOC警報器」によるばく露低減など受賞工場が行っているこれらの環境関連活動は、業界内で水平展開できるモデル事例として、今後の活用が望まれる。
 
 

経済産業省商務情報政策局長賞

 
(一般部門)
 
㈱廣済堂さいたま工場(所属団体=印刷工業会)
1967年7月に操業開始した埼玉県さいたま市にある、書籍、文庫本、商業印刷などを手がける大手のオフセット印刷工場である。環境マネジメント体制が構築され、省エネを始めとした環境関連施策が充実し、PDCAサイクルによるマネジメントレベルの向上が図られている。
電力のデマンド管理、高効率モーターの採用、LED照明のほか夜間蓄熱、冷水の再利用など多彩な施策を講じている。その他フロン排出抑制法の対象機器が121台と多数あるが、点検記録を作成し管理している。化学物質の取扱いでは、化学物質のリスクアセスメントを実施し、さらに「VOC警報器」を導入し、作業者の個人ばく露低減を進めている。
GP認定工場、ISO14001、FSC認証など環境関連のマネジメントシステムを取得するとともに、温暖化対策の継続的な活動が定着し、さらに工場の生産効率向上、企業収益の改善に結びつけている。

廣済堂さいたま工場

廣済堂さいたま工場


 
 
(小規模事業所振興部門)
 
㈱太陽堂印刷所第一工場(所属団体=日本フォーム印刷工業連合会、全日本印刷工業組合連合会)
1990年8月に操業開始した千葉県千葉市緑区の印刷工業団地にある、ビジネスフォーム、商業印刷物、データ出力サービスなどの委託業務を手掛ける、正規従業員23人の小規模印刷事業所である。過去、第5回奨励賞、第12回会長賞と受賞ランクが向上している。
工場トップライトからの光による照明など省エネ化、廃棄物分別の徹底などによる99%に達するリサイクル率、ノンVOC・UVインキの使用のほか、「VOC警報器」を6台導入・設置した。とくに、同警報器活用については啓発ビデオを作成し利用徹底をはかるなど、活発な活動を進めている。
5S活動やパトロールチェックのほか、GP認定、ISO14001、CSR認証も取得し、これらのシステムを利用した目標管理・実績管理を行い、経営者の環境への強い意志のもと、活動のスパイラルアップが図られている。

太陽堂印刷所第一工場

太陽堂印刷所第一工場

 

 

日本印刷産業連合会会長賞

 
(一般部門4工場)
 
㈱写真化学メディアカンパニー草津事業所(所属団体=全日本印刷工業組合連合会)
1991年11月に操業開始した滋賀県草津市にある、製品カタログ、パンフレット等の商業印刷物を手掛けるオフセット印刷工場である。水なし印刷、環境保護印刷(クリオネマーク)やFSC森林認証のほか、KES・環境マネジメント(京都方式)を取得している。作業工程のデジタル化をいち早く進めたほか、LEDによる省エネ照明など消費電力削減や廃インキの削減、分別回収による資源の有効活用、濃縮装置導入による製版廃液の削減などで大きな効果を挙げている。その環境活動は意欲的かつ積極的である。

写真化学メディアカンパニー

写真化学メディアカンパニー


 
トッパン・フォームズ西日本㈱九州工場(所属団体=日本フォーム印刷工業連合会)
1972年4月に操業開始した熊本県玉名市にある、帳票等各種ビジネスフォームの製造およびデータプリントサービスを提供する印刷工場である。インバータ、デマンドコントロールによる省エネルギーの展開や、遮光ガラス設置により熱伝導率20%削減などの効果が上がっている。また廃棄物処理では、電子マニュフィストに全面移行し、運用の徹底が図られているほか、ISO14001を取得し、目標・実績管理がシステム化され、さらに小集団活動の充実等環境管理活動が活発である。
 
トッパンフォームズ西日本九州工場

トッパンフォームズ西日本九州工場


 
㈱精工つくば工場(所属団体=全国グラビア協同組合連合会)
2007年4月に操業開始した茨城県土浦市にある、軟包装グラビア印刷工場である。正規従業員128人。VOC排出削減のため、ノンソルベントラミネート機やVOC処理装置の導入のほか、太陽光パネルの設置、照明機器のLED化のほか、カラーマッチングシステムによるインキ削減・再利用にも取り組んでいる。またフィルム薄肉化等の得意先への提案による3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進などの成果にもつなげている。

精工つくば工場

精工つくば工場


 

信和産業㈱本社工場(所属団体=全国グラビア協同組合連合会)
2009年11月に操業開始した千葉県八千代市にある、正規従業員104人の軟包装材等の印刷、製袋加工を行うグラビア印刷工場である。VOC排出抑制のためノンソルベントラミネート機やVOC燃焼装置の導入、浅版化によるインキ使用量削減など、環境に配慮した活動を展開している。毎月報告会を実施する小集団活動や、充実した5Sパトロールの内容など、活発な活動を展開している。2014年にグリーンプリンティング認定を取得し、工場環境対策、広域的環境対策など同業種の他の工場に比較して高水準。

信和産業

信和産業


 
(小規模事業所振興部門1工場)
 
㈱大和紙工業本社工場
(所属団体=全日本光沢化工紙協同組合連合会)
1994年11月に操業開始した埼玉県和光市にある出版物・紙製品、パッケージなどの表面加工・グラビア印刷加工を行う小規模事業所である。2009年にグリーンプリンティング工場認定を取得し、省エネ、省資源、廃棄物の削減および環境配慮製品の得意先への提案など、継続した活動を実施している。電力のデマンド管理、冷却水循環使用による水道水の削減のほか、5Sに安全(=Safety)を加えた6S活動を展開し、コピー紙の削減、エアコン、照明管理などを進めている。工場環境対策など同業種の他の工場に比較して高水準である。

大和紙工業

大和紙工業


 
 

日印産連奨励賞

 
(一般部門4工場)
 
㈱一九堂印刷所東京工場(所属団体=印刷工業会)
石川特殊特急製本㈱MID CENTER(所属団体=ジャグラ、全印工連)
㈱セントラルプロフィックス豊洲工場(所属団体=GCJ、全印工連)
北海シーリング㈱工場(所属団体=全日本シール)
 

一九堂印刷所東京工場

一九堂印刷所東京工場


 
石川特殊特急製本

石川特殊特急製本


 
セントラルプロフィックス豊洲工場

セントラルプロフィックス豊洲工場


 
北海シーリング

北海シーリング

 

(小規模事業所振興部門3工場)
 
秀明印刷㈱(所属団体=全印工連)
㈱美生社(所属団体=全印工連)
㈱大熊製本(所属団体=全日本製本)
 

秀明印刷

秀明印刷

美生社

美生社

大熊製本

大熊製本

 

以上の7工場は、環境改善に努力を払うとともにその効果が認められ、とくに活動に特色があることから、それぞれの業種の特殊性や企業規模を鑑み、今後のさらなる環境改善を期待し、日本印刷産業連合会環境優良工場奨励賞を授与するものである。

 
 

第16回印刷産業環境優良工場一覧
 
 

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