2017年06月17日

㈱ウイル・コーポレーション(本社・石川県白山市福留町370、若林圭太郎社長)と㈱日本HP(本社・東京都江東区、岡隆史社長)は6月15日、アジア地区では初導入となるHP製のフルカラーインクジェット輪転印刷機「HP PageWide Web Press T490HD」や、これとインラインで接続したミューラー・マルティニ社製の最新デジタル製本システム「シグマライン2」、デジタル印刷対応の全自動無線綴じライン「アレグロ・デジタル」などを披露するオープンハウスを開催した。

多くの印刷物発注者や出版社などが訪れたこのイベントでは、「アジア初、最速デジタル印刷機が切り拓くデータドリブンマーケティングの最前線」をテーマに、ウイル・コーポレーションが導入した高速インクジェット輪転印刷機の説明や活用法の展望などを紹介したのち、ウイル・コーポレーション北國工場で稼働するこれらの最新設備を披露した。

 

HP PageWide Web Press T490HD

HP PageWide Web Press T490HD

「HP PageWide Web Press T490HD」は、大量印刷を短納期で製作でき、小ロットから大量印刷までのさまざまなニーズに応えられるモデル。

巻取紙は給紙ユニットからプライマーユニットを通過していき、それに続くCMYK+ボンディングエージェント(カラーの発色やくっきりとした文字品質にするために用紙の印字部に塗布する下塗り剤)の5つの水性インクジェットユニットが収納されたプリントエンジン2基で表裏の印刷が施される。

最大1067㍉までの用紙幅に対応し、毎分最大305㍍(生産性モード時)、8000ページ超の両面印刷が可能。新たに高精細ノズルアーキテクチャを採用し、従来のインクジェットと比較して大幅な生産性と印刷品質の向上を実現するとともに、より鮮明な文字や微細な線、滑らかなグレーの発色やグラデーション、効果的なハイライトや細かな陰影を再現することを可能にしている。

 

アレグロ・デジタル

アレグロ・デジタル

ウイル・コーポレーションではこの「HP PageWide Web Press T490HD」とインラインで「シグマライン2」を接続し、ワンパスで印刷から本文のブックブロック製作までできる体制を整えている。

「シグマライン2」は、最高速度毎分305㍍、最大紙幅1524㍉(今回導入したモデルは1067㍉)に対応するデジタル製本ラインで、輪転タイプのデジタル印刷機にインライン接続して断裁・折り・丁合を行い、毎時4000冊のブックブロックを生産できる。

ここで製作されたブックブロックは、ニアラインに設置した世界初のモーションコントロール(各ユニットの可動部がサーボモーターで単独駆動した上で全体を同期制御する)技術を採用した全自動無線綴じ機「アレグロ・デジタル」で表紙と合わせて完成本に仕上げる。

「アレグロ・デジタル」は「タッチレスワークフロー」機能を搭載した最新モデルで、ブックブロックの断裁余白部に印字した製本情報のバーコードを読み取ることで、無線綴じ機および三方断裁機の各部の切り替えを1部ごとに自動で行いながら高速かつ効率的な小ロット/バリアブル製本ができる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ウイル・コーポレーションの若林社長は「HP PageWide Web Press T490HD」導入の動機や狙い、そして今後のデジタル印刷を活用した事業展開や戦略について、大要次のとおり語った。

 

 

若林社長

若林社長

当社は、チラシやダイレクトメールといった商業印刷物をメーンにやってきたが、近年はデジタル印刷設備を導入し、ビジネスの移行を図っている。

Web通販ではその人の嗜好や行動に合わせたレコメンド機能が当然のようにある。ダイレクトメールでも、発信者の都合だけではなく、受け手ひとりひとりの嗜好や情報に合わせたものを製作するような世界を実現したい。そして今、当社のデジタル印刷機群やビッグデータ分析、AIを活用することで、そのような価値が提供できる時がやってきた。

 

また、出版印刷市場でも縮小傾向が続いているが、その中で小ロット分野は未開拓領域だと思っている。従来は、最初にオフセット印刷で大量に製作し、在庫を持ちながら販売をして、最終的に売れ残った在庫は廃棄する。これでは在庫保管および廃棄にコストが掛かってしまう。そこで、必要なタイミングで必要な部数だけを瞬発力をもって生産することができれば、最初の製作量は少なくしてコストを削減できる。このようなことを実現できるのが今回披露するシステムだ。

 

HP Indigo10000デジタル印刷機

HP Indigo10000デジタル印刷機

当社では18台のオフ輪・加工機を有しているが、これからはチラシの減少、そしてメディアの多様化にともなって冊子も減っていくだろう。そこで現在、第2の創業期と位置付けてデジタル印刷への移行を図っている。北國工場では「HP PageWide Web Press T490HD」や「HP Indigo10000デジタル印刷機」などを活用し、そして今まで北國工場で稼働していた「HP T230カラーインクジェットプレス」とホリゾン製のデジタル印刷向け書籍製本システム「Smart Binding System」を千葉県の工場へ今年7月に移設し、全国の拠点でデジタル印刷に対応できる体制を整えていく。

 

当社の工場をみなさん自身の工場と思ってもらい、テストマーケティングや実験で活用してもらうことも歓迎する。また、デジタル印刷の高速一貫生産による瞬発力を活かした「データ入稿から48時間以内の生産/72時間以内の納品」というサービスメニューや、フルバリアブル印刷/製本への対応力を活かして、これまでは電子メディアでしかできなかった即効性や費用対効果の検証、タイムリーな情報提供といった価値をみなさんに届けていく。

 

 

 

技術・製品-関連の記事

PAGE TOP