2017年05月13日

 「あんなぁ よおぅききや/『しにせ』を漢字で書いたら『老舗』。老人の老に舗(みせ)と書くけど、しにせは老いたらあかんのや。舗が老いたら死を待ってつぶれることや。『老舗』やのうて、『新舗』(しんみせ)でないとあかんのや。新しくできたての店のつもりで、いつも商いをせんとあかんのや」「他人(ひと)さまのお役に立つような商いをする。鴨川の水と同じように、商いの本質を忘れんと、いつも新しい水を流したらええのや」

 
 ▼元禄2年創業の京の麩屋「半兵衛麩」の11代目玉置半兵衛が父から聞いた話を綴った。肝心なところになると、口癖のように「『あんなぁ よおぅききや』/聞きや 一言一句もらさず聞きや/聴きや よく聴いて覚えておきや/利きや 役に立つように気を利かしや/効きや 立派な効果を期待してるよ」と言ったという。

 
 ▼半兵衛麩の家訓は「先義後利」(義を先にして利を後とする者は栄える)。「義」とは正しい人の道、「利」とは人の強欲。金銭・出世欲によって商いをすると「人をだましてまで儲けよう」という間違った道に進み、破滅する。他人様の役に立つ商売をし、利益を世の中の為に使う、老舗の伝える不易流行52篇の教え。
 
 (京都新聞出版センター、B6・240ページ、税別1238円)

 

 

あんなぁ よおぅききや

 
 
 
 

 
 

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