2017年05月02日

コンバーティングの明日を考える会(田口薫委員長、事務局・関東グラビア協同組合)が主催する第5回セミナーが4月19日、東京・吾妻橋のすみだリバーサイドホールで開催された。340人が参加した。

 

このセミナーは、グラビア印刷関連業界全体で貴重な知見と経験を共有し、食品パッケージの社会的責任の重さと価値認識レベルアップに繋げることを使命としている。大手、中小企業の垣根を越え、サステナブルな業界を目指している。
 
5回目の今回も、業界が目指す「環境・品質コスト」 の調和と「安全・安心」をテーマとしている。内容は包装の未来、安全・安心、品質そして環境貢献に向き合う4講演と、さらに3年の月日を掛けてまとめた「品質判定ガイドライン」の解説となっている。

 

コンバーティングの明日を考える会  340人が参加した

340人が参加した

 

初めのあいさつで田口委員長は講習者にこう語りかけた。

 

「現代は資本主義、自由主義の時代である。人権も尊重されている。しかし、自由主義は一たん軸が外れると自己主義、エゴイズムに陥る。会社単位でも金儲けにだけ突き進んだ結果、対応に苦慮している大手メーカーもある。自己主義に堕ちないためにどうすれば良いか。それは『共同体志向』だと思う。共同体こそ未来を拓く唯一の道だと思う。
 
以前商人は、西洋においては『ベニスの商人』に見られるように、金の蓄財をするだけの最低の存在で、神の意志に反する存在だった。しかし、プロテスタンティズムは、お金を貯めて皆のために奉仕するのなら、神の意志であるとして、商人の地位は高まった。
 
日本では『士農工商』において最下層だったが、『売り手良し』『買い手良し』『世間良し』の近江商人の心得『三方良し』や、渋沢栄一が『右手に算盤 左手に論語』を唱えたことなどで、陥りやすい過ちを正した。道徳と金儲けは両立できるが、今は金儲けだけで道徳がない。
 
ヤマトの宅配問題をはじめ、日本のきめ細かなサービスは限界に達している。われわれのサービスも同様で、従業員にしわ寄せしても、いずれどこかに行ってしまう。
 
短期的な視点は限界で、長期的な視点、つまりサステナブル、共同体志向で行かなければならない。適正なサービスと価格がマッチして、全体が栄える業界になる道をたどってもらいたい」
 

田口薫委員長

田口薫委員長


 
続いて5氏によるセミナーが行われた。
 
「飲料パッケージの開発動向・グラビアラベルの課題と期待」(吉井孝平キリンビバレッジ㈱生産本部技術部部長代理)
「サステナビリティとフードロス削減への包装の役割 ~世界の流れと日本~」(有田俊雄有田技術士事務所所長)
「軟包装から見た容器包装の新たな規制の動きについて」(坂田亮軟包装衛生協議会常務理事)
「2030年に向けた世界の環境トレンド ~SDGsがもたらすインパクトとは~」(木下敏郎凸版印刷㈱エコロジーセンター環境政策部部長)
「品質判定ガイドランの内容と運用に関して」(高橋昌男東包印刷㈱品質管理部部長・全国グラビア協同組合連合会)
なお、『品質判定ガイドラン』は現在品切れ状態で、予約のみ受付けており、5月末頃に発送予定。
 
質疑応答の時間も盛んに質問が出て、会場側から時間切れのストップ要請がかかるほどだった。
 
 

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