2017年05月06日

岩波文庫が7月に創刊90周年を迎える。記念行事のひとつとして各界を代表する人びとに、今までに読んだ岩波文庫のうち、心に残る書物、ぜひとも他の人にも勧めたい書物を3点選び短評を添えてもらうアンケートを実施した。回答は228。『図書』臨時増刊号「私の3冊」として編集・刊行した。

 
▼印刷関連からは凸版印刷・足立直樹会長、大日本印刷・北島義俊社長が回答し、共に『武士道』を挙げた。苅谷剛彦(現代日本社会論・教育社会学)、永田恭介(分子生物学)らも勧めた。足立会長はほかに『河童他2編』(芥川龍之介)、『若きウェルテルの悩み』(ゲーテ)、北島社長は『文明論之概略』(福澤諭吉)、『摘録断腸亭日乗』(永井荷風)を選んだ。

 

▼「近代以降日本人の道徳感の淵源は武士道にあるとし、2020年を見据えた今、わが国を世界に向け語る為には必読」(足立)、「日本人の道徳規範を『武士道』に見出した洞察力に感銘」「暗黙知を明文化した功績も大きい」(北島)と熱い思いが溢れる。「優れた比較文化論」(苅谷)、「武士道では知識は行動という形をとり、その根幹は愛、恥、名誉など。孟子四端の仁義礼智を含む」(永田)という、いま読まれるべき1冊。

 

(岩波文庫、A6・159ページ、税別560円)

 

 


武士道 (岩波文庫 青118-1)

 

 

関連図書:

芥川龍之介『河童 他二篇』(岩波文庫)
 
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』 (岩波文庫)

 
 
福澤諭吉『文明論之概略』(岩波文庫)
 
永井荷風『摘録 断腸亭日乗〈上〉』『摘録 断腸亭日乗〈下〉』(岩波文庫)

 

 

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