2017年03月28日

日本印刷産業連合会は、「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査(2016年デジタル印刷市場の現状)」の結果をまとめた。回答企業の81・5%(163社)で599台のデジタル印刷機を保有、1社平均で3・67台であった。平均ロットは500枚以下が過半数。ただし1万枚超が12・3%あり、「大ロットデジタル」の傾向も見られる。
 
同調査は、2010年から実施している。会員8団体と日本印刷技術協会から抽出した699社にアンケート用紙を郵送、200社から回答を得た。回答率は28・6%。

 

月間出力枚数は10枚から1300万枚までとばらつき

 
それによると、回答企業の全体の売上に占めるデジタル印刷の割合は平均9・7%であるが、5%以下の企業が54%ある一方、5割強の企業も3社(2%)あった。保有台数は平均3・67台であるが、2~4台が44・0%ある一方、30台を保有する企業もあった。月産出力枚数も10枚から1300万枚までばらつきがあるなど、デジタル印刷の活用は非常に多様化している。
 
方式別ではトナー(紛体)が329台、トナー(液体)が25台、インクジェット(大判)が169台、インクジェット(枚葉)が28台、インクジェット連帳が40台、インクジェット(オフセット機など搭載)が7台。

 

受注品目は事務用、報告書・論文・議事録など、データプリントの順

 

デジタル印刷の受注品目の順位は1位が事務用印刷、2位が報告書、論文、議事録など、3位がデータプリント。成長率が高い順、将来性が高い順の両方で、データプリントが1位となり、現在、そして今後もデジタル印刷のマーケットを牽引していくのはデータプリントという結果になった。
 

平均ロット、データプリント8万枚 大判出力275枚

 
受注1件当たりの平均ロットは500枚以下が全体の56・6%となっており、デジタル印刷∥小ロットという定説がある程度裏付けられたが、平均ロットが1万枚超という回答も12・3%あり、大ロットデジタルの進展も伺える。データプリントの平均ロットは約8万枚、平均枚単価は187・8円、大判出力の平均ロットは275枚、平均枚単価は約7万7250・7円(注:特殊なもので単価の高い回答を含む)となっている。ロットが小さくなるほど単価が上がる傾向にある。
 
デジタル印刷の顧客への訴求ポイントは「極小ロット対応」(74・8%)、「短納期」(62・0%)と、小ロット・短納期の訴求が強い。「1枚1枚内容を変えた印刷ができる」は47・2%。「高いマーケティング効果」は7・4%にとどまった。
 
デジタル印刷が有版印刷を上回る時期は63%が「(今後とも)超えることはない」と答えた。

 

 

報告会開き今後の展開を討議

 

日印産連は3月21日、日本印刷会館で「デジタル印刷の現状と展望」報告会を開き、110人が参加した。
 
第1部「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」報告では、日印産連・デジタルプレス推進協議会座長の郡司秀明日本印刷技術協会専務理事と花房賢同研究調査部副部長が調査結果について説明した。
 
第2部「Hunkeler Innovationdays 2017」の視察報告では、井上秋男㈲メディアテクノス代表取締役・JAGAT客員研究員が、2月20日から23日までスイス・ルツェルンで開催されたデジタル印刷に特化した同展の出展動向などについて解説した。
 
第3部・パネルディスカッション「デジタル印刷市場の拡大に向けて」では、郡司氏がコーディネーターを務め、パネリストに三井明治㈱金羊社デジタルクリエーション部部長、花崎博己大東印刷工芸㈱社長、林田桂一㈱東京文久堂社長、山本久喜東洋美術印刷㈱社長らを迎え、それぞれデジタル印刷機導入の経緯をはじめ活用状況、今後の展開について語った。

 

 

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