2017年02月28日

大日本印刷は、次世代の3D(3次元)構造のNAND型フラッシュメモリーの需要増加と低コスト化に対応するため、ナノインプリント用テンプレートの複製装置を3月に導入し、半導体メーカーへ回路線幅10nm(ナノメートル)台のテンプレートの供給を開始する。なおDNPは、2月26日(日)から3月2日(木)まで米国で開催される「SPIE Advanced Lithography 2017(半導体リソグラフィ技術に関する国際会議)」でナノインプリントリソグラフィの開発について講演を行う予定。

 

 

現在、スマートフォンやデータセンターのサーバーなどの市場拡大に伴い、搭載されるNAND型フラッシュメモリーの需要も急速に増加している。特にメモリーセルを垂直に配置した3D構造のメモリーは、データ容量を飛躍的に増やせるため、高機能化するスマートフォンやIoTの普及によりデータ量が急増しているデータセンター向けなどで大幅な需要増加が見込まれている。しかし、従来のフォトリソグラフィ技術による半導体製造方法では、製造装置が高価になるなど製造コストの増加が課題となっている。

 
この課題に対し、ナノインプリントリソグラフィ技術は、テンプレートから直接回路パターンを転写して複製するため、高価な光学系の設備を使用せず比較的安価な露光装置での製造が可能です。また、製造工程も簡略化できるため、従来のフォトリソグラフィ技術による製造方法に比べ約1/3の大幅なコストダウンが期待される画期的な製造技術として注目されている。

 

 
DNPは2003年から半導体向けナノインプリント用テンプレートの開発を行っており、2009年以降は株式会社東芝(以下:東芝)やキヤノン株式会社(以下:キヤノン)と共同でナノインプリントリソグラフィのプロセスの開発を進めてきた。また、昨年からは、次世代半導体に向けて回路線幅10nm台の半導体向けナノインプリント用テンプレートの生産体制の構築に向けて、高解像度高速EB描画(マルチビーム描画装置)やドライエッチングなどの関連プロセス装置も含めて、総額40億円の設備増強を進めている。

 
今回DNPは、その最終段階として、3D構造のNAND型フラッシュメモリーの需要増加と低コスト化に対応するために、キヤノン製のナノインプリント用テンプレート複製装置を導入し、東芝への回路線幅10nm台の半導体向けの量産供給ラインを構築して供給を本格的に開始する。この量産複製装置の導入により、10nm台のナノインプリント用テンプレートを安定的にマスターテンプレートから複製、提供することで、半導体メーカーの製造プロセスの簡略化や大幅なコストダウンを支援していく。

 

 

 

○ナノインプリント : 基材上の樹脂などに金型を圧着して、nm(ナノメートル:10-9メートル)からμm(マイクロメートル:10-6メートル)単位のパターンを安定的かつ安価で転写する微細加工技術。

 

 

 

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