2017年02月10日

全国グラビア協同組合連合会(田口薫会長)は、『品質判定ガイドライン~軟包装(インキ抜け)~』(A4判カラー・本文54㌻)を発刊し、2月10日から販売開始する。販売価格は組合員3240円(税込・送料別)、一般5400円(税込・送料別)。

 
包装業界を取り巻く環境は、少子化や長引くデフレの影響により年々厳しさを増している。一方で、顧客からの品質要求レベルは年々高まっており、その相反することについて、会員企業ではその対応に苦慮しているのが実状だ。

 
そこで、ワーキンググループで、こうした背景を基に、現状の要求品質の適正化、生産・廃棄ロス削減、資源生産性アップ、省資源化、環境負荷低減、コストダウンを目的に、現状の材料品質と包装容器製造の加工技術レベルを考慮し、推奨値となる品質判定基準を作成した。

 
ガイドラインは、品質課題の中でも、自力での解決が難しいフィルム起因によるインキ抜けなどについてまとめた。

 
第1章では、軟包装パッケージの品質基準と業界の現状、当課題における背景と目的、およびフィルム起因によるインキ抜けの発生メカニズムをまとめた。
第2章では、現状のフィルムメーカーの品質の実力値、欠点検査機の運用上の精度限界を調査し、それらから軟包装業界として適正と考え得る品質判定基準をまとめた。
第3章に、同書の運用方法などについて、第4章の補足資料には、グラビア印刷関連の周辺情報、およびインキ抜けの実例写真、フィルムによるインキ抜け見本サンプル、欠点検査機の原理をまとめている。

 
このほか、品質判定基準を考えるベースとして利用したコントラストのサイズ表を、フィルムサンプルとして別途同封している。

 

 

「お客様と製造者との接点に」

発刊に当たり、田口会長は「私たちの作っているものは工業製品である。『芸術品』ではない。適正なコストで、大量に、良い物をお客様に提供することが私たちの使命と考えている。しかし、物には許容される分岐点がある。その分岐点は『環境・品質・コスト』の調和である。『品質判定ガイドライン』が、お客様と製造者との接点になれば幸いである。ガイドラインを活用され、各社の営業の方とお客様とで接点を見出し、『もったいない』の心で企業の過剰な負担を除いて下さることを念願している」と、ガイドラインの積極的な活用を呼び掛けている。

田口薫会長

田口薫会長

 

ガイドラインの目次は次のとおり。
▽品質判定ガイドライン発刊にあたり▽はじめに▽1.軟包装パッケージの品質基準と業界の現状▽1―1.背景・目的▽1―2.フィルム起因のインキ抜け▽2.軟包装業界の品質判定基準▽2―1.フィルムメーカーの実力値▽2―2.欠点検査機の運用上の精度限界について▽2―3.絵柄を考慮した品質判定定義▽3.ガイドラインの運用方法▽4.補足資料▽4―1.フィルム製造工程分類別不良一覧(例:Tダイ二軸延伸製造工程図)▽4―2.フィルムの不良名称、及び発生メカニズム▽4―3.インキ抜け実例集▽4―4.製造工程図(例)▽4―5.グラビア印刷の原理▽4―6.グラビア印刷加工における不良名称定義▽4―7.フィルムサンプルによる不良見本▽欠点検査機の原理
※綴じ込み:軟包装インキ抜けサンプル3枚(OPP40μmにデジタル印刷後、ニス加工)
※付録:CMYK+Wの各インキ抜け品質判定シート(PET100μmにデジタル印刷後、両面PPラミ)

 
問合先=事務局、電話03・3623・4046

 
○フィルム起因のインキ抜け プラスチックフィルムは、溶解させたプラスチック樹脂を押し出すことで製膜される。この溶解樹脂の中に、大きさ数十μ程度のゲル(樹脂の不溶解物)もしくは異物(熱劣化物)などが混入すると、それを核として凝集した粗大ポリマー粒子をフィルム中に形成するが、それらはフィッシュアイと呼ばれる。フィッシュアイは、樹脂粒がフィルムから飛び出すことはないものの、フィルム表面に凹凸を生じさせ印刷加工に大きな影響を与える。
フィッシュアイはフィルム製造工程に起因して発生するトラブルであり、現状の製造技術では発生をゼロにすることはできていない。そのため、良品として出荷されるフィルム中にランダムに存在しており、こうした、ゲル・フィッシュアイに対し、一般的にフィルムメーカーの出荷基準では、1000㍍に微小なゲル・フィッシュアイは数個から数百個以内となっている。しかし、その材料を使い、コンバーターが印刷加工することで、その微小な欠点が核となり、大きなインキ抜けを発生させてしまう。その結果、エンドユーザーが求める基準値を超えてしまい、除去対象の不具合となってしまう。

 

 

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