2017年02月10日

ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)は2月1日、W3Cと国際デジタル出版フォーラム(IDPF)が正式に統合契約を締結したと発表した。出版とウェブ技術を融合するという将来展望に向けてロードマップ作成に着手する。

 

W3CはHTML、CSS、SVG、XMLやWCAGなどのウェブ技術の根幹を策定する世界的な標準化組織。IDPFは、電子書籍と電子出版をグローバルに流通させる電子書籍ファイルフォーマット規格「EPUB」を開発している。

 

IDPF会員の大多数(88%)がこの統合計画に賛成し、IDPF理事会とW3Cは諸手続きを終了させた。同契約は、W3Cで前例を見ない組織数(EPUBを今後もオープンなロイヤリティなしで使用する規格とすることに賛同したIDPF会員、そのほかの標準化団体、IDPFには未加盟の大手出版社など)との連携も含んでいる。

 
W3Cのジェフェリー・ジャフィCEOはこう述べている。

 
「書籍、雑誌、ジャーナル、教材や学術出版物といった多くの形態でコンテンツをこれまで提供してきた、卓越した豊かな伝統をもつ出版業界の知見を取り込めることに心が躍る。
これから一緒に議論をすることで、Publishing@W3Cでウェブ技術を使ったパブリッシングとオーサリング、そしてリーディングに関するエキサイティングな新しい機能と仕様の標準を作っていくが、出版に携わる皆さんは、音楽やエンターテイメント業界が先行して取り込みつつある新しい技術を目の当たりにするだろう。将来、作家は動的なドキュメントや検索、マルチメディアへのリンクなど、さなざまな要素と自然につながっていくウェブの機能を組み込むことができるようになるだろう」

 

 

前IDPF会長も兼ねていたジョージ・カーシャー氏は「双方の組織を統合することで、技術とコンテンツが協調・融合していくことが容易になっていく。ウェブ上でもオフラインでも、全ての利用形態における出版活動が、自然でアクセシブル、かつデバイスに縛られないようなコンテンツになっていく未来に手が届くスピートが加速される」と述べている。

 

 

Publishing@W3Cは、オンラインでもオフラインでも電子出版にアクセスできることにフォーカスした新しい標準を含む憲章(チャーター)をこの春に起草する。これは、ウェブに接続していないデバイスのコンテンツがオンラインに戻った時にもオフライン上で行った情報を保つことを可能にし、逆の状況でも同様の動作を実行できるようにすることを意味する。

 

W3Cは、地球上あらゆる場所で誰もがオープンに、アクセシブルに、そして相互運用ができるウェブの技術標準とガイドラインを策定するために、ウェブの可能性を最大限に引き出すことを使命に掲げており、HTML5やCSSなど、すべてのウェブサイトを構築する基盤技術を標準化している。キャプションと字幕付きオンラインビデオをよりアクセシブルにするW3Cの技術は、2016年のテクノロジー&エンジニアリングエミー賞を受賞した。

 
400を超える会員と各産業の数千の技術者が、W3Cのビジョンである「One Web」を創り上げている。W3Cは、米国MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory(MIT CSAIL:マサチューセッツ工科大学計算機科学人工知能研究所)、フランスEuropean Research Consortium for Informatics and Mathematics(ERCIM:欧州情報処理数学研究コンソーシアム)、日本の慶應義塾大学および中国の北京航空航天大学(Beihang University)により共同運営されており、各国にW3Cオフィスを設置している。

 

 
 

 

 

 

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