2017年01月16日

高橋弘二会長

高橋弘二会長

まず冒頭に当工業会の主たる活動内容を紹介申し上げます。

 
現在、当工業会には、商標登録された表示マーク制度が3つあります。」

 

1つは、インキ製品に配合することが好ましくない物質を禁止する「印刷インキに関する自主規制」(通称、NL規制)で、準拠した製品に表示するNLマークです。これは昭和48年より始まった自主規制で、対象禁止物質は当初の60物質から現在640物質まで拡大しており、インキ製品の安全性維持に寄与しているものと自負しております。平成15年より対象製品のラベルに表示しております。

 
2つ目は、植物油インキマーク制度です。平成20年に制定した同制度は、それまでの大豆油インキ制度と違って、食料である大豆を原料とする大豆油に限定せず、一般的に非食用とされる他の植物油や再生植物油等も採用することとしました。また植物油は、石油系溶剤に比べて生分解性があり、VOCの排出もほとんどなく環境負荷低減に寄与しております。制度開始から約8年が経過しておりますが、現在ではオフセットインキのほとんどが植物油インキ対応製品となっております。一方、この制度はポスターやカレンダー、カタログ等々の印刷物にもマーク表示が可能ですが、これまでに約2500社の印刷会社等の方々と使用にあたっての許諾契約を結んでおり、数多くの印刷物に表示されております。

 
3つ目は、昨年9月に制定したインキグリーンマーク制度です。再生可能な生物由来の資源であるバイオマスの割合を主たる環境配慮の指標とし、インキ製品に含まれるその度合いを考慮して3段階の認定基準を定めております。当面は、オフセットインキ、新聞インキ、UVインキで運用を開始しましたが、それ以外のインキについても検討しており、今後もインキグリーンマーク制度の拡大普及に努めていく所存です。

 
当工業会ではこれら3つのマーク制度を通じてインキ製品の安全性や環境負荷低減に積極的に取り組んでまいります。その上で環境安全面から、安衛法、化管法、化審法等関係法令の遵守や国際上から求められているGHS対応、EUのREACH規制等、諸外国からも情報収集を行いその対応を図っていく考えです。

 
さて、昨年を振り返って全体的な感想としては、残念ながら「景気回復への足音は聞こえなかった」というのが実感です。ここ数年の動向を見ますと、景気は本当に回復するのだろうか、「景気回復」という言葉そのものが死語になっている感さえするほどです。当然ながら、私どもインキ業界を取り巻く環境につきましても、需要の大幅な減退や円安傾向に伴う原材料価格の上昇により、たいへん厳しい状況下におかれています。

 
昨年の印刷インキ合計の出荷量は対前年比でやや上回ったものと推計されますが、40万㌧を僅かに超えた程度で、ピーク時に比べれば約10万㌧下回っております。依然として、インキ業界を取り巻く需要構造が大きく変わりつつあるさなかであると思われます。需要構造の変化への対応、環境変化への適応がいまこそ問われていると痛感している次第です。

 

 

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