2016年12月22日

DICグラフィックス㈱(本社・東京都中央区、谷上浩司社長)は、高濃度印刷を実現するパッケージ用水性フレキソインキ「マリーンフレックスLM」を新たに開発した。

この新製品は、インキ中の揮発性有機化合物(VOC)を5%未満に抑えたもので、地球環境負荷低減に配慮するとともに、欧州の食品パッケージの安全性に関わる「スイス条例」にも対応可能な世界基準のインキとなっている。

 

現在、パッケージ用インキは、基材となるプラスチックフィルムへの濡れ性(なじみやすさ)や印刷時の乾燥性にすぐれる溶剤系が主流となっているが、新興国を中心とした国家レベルでの環境負荷や残留溶剤の低減に向けた取り組みなどにより、水性やUV硬化型など環境対応型インキへのニーズが急激に高まっている。

パッケージフィルムへの印刷には、凹版を使用するグラビア印刷や凸版を使用するフレキソ印刷が主に利用されるが、水性化の検討は世界的にフレキソインキが先行している。

この現象は、フレキソ印刷がグラビア印刷に比べてインキ塗布量が少なく、乾燥が遅い水性インキを使用する際に乾燥エネルギーを抑制でき、生産性(高速印刷)が優位であるといった理由がある。

その一方でフレキソ印刷は、インキ塗布量が少ないため高濃度・高精細印刷が難しく、印刷品質がグラビア印刷に比べ劣るため、その改善が求められている。

 

それを踏まえて「マリーンフレックスLM」では、同社が保有する配合技術と分散技術を駆使し、印刷適性を損なうことなくインキの高濃度化に成功したことで、印刷品質をグラビア印刷と同等レベルにまで高めることを可能にした。

また、バインダーとなる樹脂を構造から見直し、インキ高濃度化によるラミネート時の接着強度低下を防ぐとともに、版から基材へインキ転移後、版面に残ったインキの再溶解性を高めることで印刷品質の安定化を図るなど、安心と信頼を生む使いやすさを実現した。

 

同社では、「マリーンフレックスLM」を戦略製品として位置付け、深刻な環境問題を背景としたVOC規制などにより水性インキなど環境対応インキ市場の急激な拡大が期待できる、中国やインドをはじめとしたアジア地域を中心に拡販を進めていく方針を示している。

 

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