2016年12月17日

柔らかく深い陰影の“モノクロ”印刷の空間が広がる。1992年以来、白磁を創り続けてきた黒田泰蔵の初めての自選作品集。近年の代表作「円筒」をはじめとした126作品を掲載(図版114点)。建築家・安藤忠雄は「黒田泰蔵さんの白磁を初めて見たときは、心に少なからぬ衝動を覚えた。果たして建築でこれほど純粋な空間をつくり得るだろうか―― 黒田さんの仕事を横目に私も私なりの〈白〉の世界を探している」と記す。
 
▼印刷は光村印刷に託された。白磁、写真・大輪眞之、造本・木下勝弘、それぞれの仕事を確実に書籍に定着させるために、美術印刷の原点に返って再考察することから始めたという。3色モノクロ印刷「トリプルトーン」(スミと2補色)における再現の領域を超えるような印刷美を目指した。補色としての特練グレーは「黒田特グレー」を作成した。
 
▼100年以上にわたって担ってきた「美の再現」の伝統と経験に裏打ちされた、感性の伝承によって育まれた「つくり、つたえ、のこす」という光村印刷の3つの製作キーワードの結晶である。見開きがフラットになる、渋谷文泉閣開発のクータ・バインディングによる製本が印刷を活かす。

 

(求龍堂、A4変型・184ページ、税別5000円)
 

※「日本印刷新聞」【話題の本】から

 
 
 
 

黒田泰蔵 白磁

 

 

 

 

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