2016年11月08日

日本M&Aセンターは10月26日午後1時半から、東京・丸の内の鉄鋼ビルディング24階の同社東京本社セミナールームで「印刷ビジネスの未来と成功する事業承継」をテーマにセミナーを開いた。戦略会議室(達林哲代表)が後援した。全国各地から集まった中堅企業の代表ら約70人が聴講し、シナジー効果などM&Aのメリットを学んだ。

 

当日は、田中肇たなか経営研究所所長「印刷業界における事業承継」、幸亀努日本M&Aセンター執行役員「『売手よし、買手よし、世間よし』の印刷業界M&A」、田中信一ビジネスコミュニケーション研究所社長「印刷ビジネスの未来を創る6つの扉」の3講演が行われた。

 

事業の引き継ぎを実現

 

幸亀努講師

幸亀努講師

このなかで幸亀講師は、国内企業同士の件数増加(IN-IN)(国内集約化)、日本企業による海外大型買収増加(IN-OUT)(海外展開)などM&Aマーケットの状況、M&A増加の背景にある「人口減と超高齢化社会」の抱える課題を説明。数々の成約事例やケーススタディを交えながら、後継者がいない、従業員の雇用を守りたいという将来に悩む創業者・先行きに悩む企業と、もっと成長したい・人材や技術が欲しいという夢を抱く2世や3世・成長したい企業との間で「事業の引き継ぎ」を実現するものであることを示し、売手・買手・世間にもたらすM&Aのメリット・具体的な進め方を解説。親族承継より優れている点としてシナジー効果を挙げた。
 
ケーススタディでは、①個人としては、65歳までに引退したい・リアタイヤさいたら趣味の音楽や旅行に時間を使いたい・リイタイヤ後の生活のために退職金等の創業者利益は取りたい、②会社としては、営業面で苦しんでいるが打開策が見いだせていない・従業員の雇用や会社の存続は第一に考えたい、③後継者に関しては、長男は真面目な性格だが経営を任せられる器かどうかは不安・幹部役員(親族外)の彼なら社長を任せても無難にこなしてくれる気がする・最近M&Aという言葉を周りでも良く聞くが当社でも活用可能か――という例を想定して、長男への承継(親族内承継)、幹部役員への承継(親族外承継)、M&A(第三者への承継)を検討した。

 

全国各地の中堅企業の代表が聴講した

全国各地の中堅企業の代表が聴講した


 

田中肇講師は「印刷業界における事業承継」をテーマに、100年企業存続の条件、経営者の3大関心事(①事業の成長=既存顧客の深耕/新規顧客の開拓/新規市場の創造)②活力ある職場づくり③スムースな事業承継)、中小企業の事業承継は親子問題、事業承継の事例、事業承継のポイント、印刷業の事業承継の事例、経営のタテ糸とヨコ糸について話した。

 

田中信一講師は、「顧客の“何か”を手伝う」ビジネスへの転換を提案。手伝う手段の一つとして「印刷」があると位置づけた時、未来の扉が開くと述べた。
①外部環境の変化は止めることができない②印刷需要の減少と移動が同時並行で進む③われわれの存在価値が問われていると指摘。顧客が真に望んでいる「ワンストップサービス」とは、「特化」し「多様な対応」をすることであり、ある分野に専門特化し、ある分野に関しては、豊富な経験、高度な知識、技術、サービス、ノウハウを保有し、顧客の高い要望や問題(ニーズ)の解決に多様な製品/サービスで応えることであるとした。
未来の印刷会社は「特化―多様型ビジネス」であり、①特化する「顧客/市場」を選び、多様な製品/サービスを提供するか、②特化する「製品/サービス」を選び、多様な顧客/市場に提供するか、2つの選択肢がある。
①の場合には地域活性プロモーター、特定業界スペシャリスト、パーソナルメディアショップ、②の場合には特定機能プロバイダー、メディアプロダクトメーカー、印刷製造スペシャリストという扉がある。

 

 

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