2016年12月07日

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「Eco & Fast Printing」活動で標準化が進み環境負荷も減った

「お客様の役に立ち 喜ばれ 感謝され 選ばれる会社」といった企業理念を持つ㈱大風印刷(本社・山形県山形市、大風亨社長)は、今年で創業70周年を迎える。同社は、カタログ、パンフレットなどの商業印刷を中心に、印刷から後加工までを手掛け、顧客ニーズへ積極的に対応し続けている。現在では、本社以外に5つの営業所・出張所を設け、総従業員数は131人にのぼる。
設備導入にも積極的に取り組んでおり、時代の趨勢を見極めながら他より1歩先を行く設備を入れ続けてきた。それが地域の印刷会社の範となっている。「今までは攻めの経営で仕事をしてきた。これからは、攻めの経営に加えて確実に利益を確保できるような守りの力も付加してゆく」と、今期からの方針を掲げている。
この姿勢は同社の環境への取り組みにも表れている。2008年初頭に露呈した古紙配合率偽装問題を受け、すぐさまFSC森林認証を取得し、クライアントに対し環境問題への真摯な姿勢を示した。これを始めとして、クリオネマーク取得、SOYインキおよび植物油由来インキの使用など、次々と環境配慮へ取り組んだ。

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水田係長

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佐々木課長

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太田課長

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工場外観

加えて、「プリプレスの現場では、ワークフローシステムとして富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ㈱(FFGS)のXMFを導入し作業のデジタル化を進め、色校正紙の削減に努めたほか、CTP現像においても、同社のサーマルCTPシステムXPシリーズを導入し、廃液処理を8分の1に減らす取り組みを行った」とDTP課の佐々木伸一課長はプリプレス部門の環境負荷低減に向けての活動を説明した。
そして、昨年、日本印刷産業連合会の環境に配慮した印刷の総合認定制度であるグリーンプリンティング認定制度に応募し「GP認定工場」を取得した。「これまで取り組んできた環境配慮の集大成として取得したため、当社では環境配慮に対する対策ができあがっていて、比較的楽に取得できた」と布施昇一取締役は語った。
環境問題へ関心の高い同社は、今年2月から7月までの約半年間、FFGSが提供する印刷現場改善支援ソリューション「Eco&Fast Printing」を実践した。大風印刷の保有する印刷機群は、メーカー、導入の時期など様々であり、さらにはUV印刷機まで導入している。「給水や乾燥方式、インキなどの異なるシステムが揃う現場のため、印刷品質の維持管理は各印刷オペレーターのスキルに依存していた。改めて、水回りやローラーを含め、標準化と厳密な管理を再構築しなければと思った」と同社印刷課の太田健一課長は言う。基本に立ち返り、まずは標準化を目指そうとしていたところ、FFGSから「Eco&Fast Printing」を活用してみないかという話がきたという。
「Eco&Fast Printing」は、「『印刷条件の維持管理の重要さを理解し、実践すること』がムダをなくし、人を変え、現場を強くする」というテーマのもと、STEP1~6までのメニューに取り組むことで、印刷現場の生産効率アップ、損紙の削減、乾燥のガス・電気代削減、ムダなインキの削減、ムダな湿し水の削減、印刷トラブルの減少へとつなげる活動であった。1~6まであるSTEPは、・STEP1=セミナー・STEP2=印刷診断・STEP3=報告・課題共有(スタートアップミーティング)・STEP4=実践サポート・STEP5=効果確認(フォローアップ・診断ミーティング)・STEP6=継続・維持サポート――といった段階を踏んだメニューが組まれたという。
「Eco&Fast Printing」活動に取り組みはじめた当時、同社印刷課の水田弘幸係長は「最初に印刷診断を実施し、当社の印刷チャートを見て愕然とした。思っていた以上にできていないと実感し、これは行うべきだと思った」と話す。「Eco&Fast Printing」活動では、最初に実施する印刷診断結果から、印刷会社の課題にそった目標を掲げ印刷条件の適正化を進めていく。大風印刷では、網点品質の向上、ベタ濃度の安定化、ローラー、インキ、水まわりのメンテナンスの標準化、湿し水管理方法の構築を目標に掲げ、FFGSのサポートのもと日々のメンテナンスを行っていった。活動を積み重ねていくことで、水が絞れるようになり、添加剤の使用量の削減や乾燥時間が早くなった。また、印刷途中の汚れや不具合なども極端に減り、さらなる品質の向上・安定と同時に環境負荷の低減にもつながっていった。社内では毎日細やかなメンテナンスを「こつこつ」と行うことで、確実に結果が出るという意識の変化が現れた。
「GP認定工場」の取得による環境負荷への対策や、「Eco&Fast Printing」活動での印刷品質の安定、それに伴う環境への取り組みを行う同社は、「環境負荷への対応は企業の社会的責任であり、さらに進めて行かねばならない」(布施取締役)と考えている。これは同社の先代から受け継いでいる攻めの経営と、守りの経営の具現化だと考えられる。今後は、さらにカラーマネージメントにも力を入れていくという。「これまで、油性インキで印刷していた印刷物を、UV印刷機で改めて印刷する際には、色などの品質を合わせる必要があるため、今後は全印刷機の色の標準化をめざし、UV印刷への対策をFFGSのサポートを受けつつ進めて行く予定だ」と太田課長は話してくれ

日本印刷新聞 10月31日号

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