2016年09月30日

東邦車輛(横浜市、辻和弘社長)・シキボウ(大阪市、清原幹夫社長)・山本香料(大阪市、山本芳邦社長)・凸版印刷(東京・千代田区、金子眞吾社長)の4社は、糞便臭を芳香に変えて消臭する新発想の衛生車(バキュームカー)用潤滑油「デオマジックVC1オイル」を共同開発した。現場の労働環境や地域環境の改善が期待される。東邦車輛が2016年10月1日から、バキュームカーを所有・運用する全国の環境整備事業者向けに販売を開始する。辻社長をはじめ、辻本裕シキボウ開発技術部長兼商品開発課長、肥下隆一山本香料営業推進部部長、田淵直樹凸版印刷関西生活・産業事業部ビジネスイノベーション本部本部長らが9月29日に記者会見して発表した。

 

左から肥下隆一、辻本裕、辻和弘、田淵直樹の各氏

左から肥下隆一、辻本裕、辻和弘、田淵直樹の各氏

 

体臭や環境臭など、臭いに対する不快感を軽減するため、数々の消臭製品が開発・販売されている。これまで、①物理的処理や②化学的処理、③感覚的処理(強い匂いでマスキングする)の消臭剤においては、一定の成果が出る製品が開発されているが、わずかな臭いでも不快に感じさせてしまう糞便臭は、完全に消臭することが非常に困難とされていた。

 

この課題に対し、シキボウと山本香料は、香水など何十種類もの香料の成分をブレンドして完成する芳香品の多くに、糞便臭のような一般的に不快と感じる臭いの成分が少量含まれていることに着目。良い香りの香料からあらかじめ糞便臭成分を除いた香料を調合することで、糞便臭成分が加わったときにはさらに良い香りに変化させる消臭技術「デオマジック」を2011年に共同開発し、畜産業界向けに提供してきた。

 

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「デオマジック」は、良い香りの香料から糞便臭成分を除いた香料を調合することで、糞便臭成分が加わったときに良い香りに変化させる(提供:シキボウ)

 

このほど、シキボウ・山本香料に加え、デオマジックの販売代理店である凸版印刷の協力のもと、衛生車(バキュームカー)の製造を手がける東邦車輛と共同で、デオマジックの仕組みを応用したバキュームカー向けの新製品「デオマジックVC1オイル」を約2年の期間を経て開発した。開発コンセプトは「作業環境を大幅に改善し社会に貢献する」こと。

 

デオマジックVC1オイルは、バキュームカー作業時に使用する真空ポンプ用潤滑油にデオマジックの成分を調合した新しい潤滑油。従来の潤滑油を同製品に変更するだけで、デオマジックが真空ポンプと配管を通じてバキュームタンク内を循環し、糞便臭を芳香に変化させる。これにより、作業員はもとより、近隣へ飛散する糞便臭を防止できるため、現場の労働環境や地域環境の改善を実現した。

 

同製品においては、東邦車輛・シキボウ・山本香料・凸版印刷の4社がバキュームカー向けデオマジックを企画・開発。シキボウ・山本香料が基盤となるデオマジックの製造を、東邦車輛がバキュームカーの真空ポンプ用潤滑油の製造を行う。東邦車輛が販売する。

 

仕様イメージ

真空ポンプ用潤滑油「デオマジックVC1オイル」を注ぐ(提供:東邦車輛)

「デオマジックVC1オイル」の特徴
・糞便臭を芳香に変える魔法の潤滑油
「デオマジック」の機能を持つバキュームカー向け真空ポンプ用潤滑油のため、使用するオイルを本製品と交換するだけで、糞便臭を芳香に変えることができる。
・モニター試験で、ほぼすべての事業者で効果を確認
全国の環境整備事業者数十社にてモニター試験を行った結果、ほぼすべての事業者から、排気からの糞便臭を感じなくなったという回答を得ており、その効果が実証されている。

 

予定販売価格は3万5000円/缶(20㍑入り)。
東邦車輛は「作業環境を大幅に改善し社会に貢献する」をコンセプトに全国の環境整備事業者に向け本製品を拡販、初年度約3億円の売上を目指す。
またシキボウ・山本香料・凸版印刷の3社は、デオマジックを活用した新製品の研究開発を継続し、より便利で快適な社会の実現に向け貢献していく。

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