2016年09月14日

左から三宅千章、橋本博、伊藤裕道、山本亨、渡辺良行、山本真也、伊藤壽彦

左から三宅千章、橋本博、伊藤裕道、山本亨、渡辺良行、山本真也、伊藤壽彦の各氏

 

NPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会(東京都墨田区立川1の15の1、伊藤裕道理事長、MUD協会)は、災害時の避難所内の情報表示をわかりやすくするためのUD配慮製品「避難所サポートセット」避難所サポートセットを墨田区(山本亨区長)へ寄贈した。今後、墨田区内の避難所42カ所に配置される。

 

「避難所サポートセット」は、災害時に避難所を設営する際に必要な備品や各スペースなどを案内するためのシールやPOP、テープ類を一つにまとめた製品。あらかじめ印刷された製品で、目立ちやすく使いやすいのが特徴。全日本印刷工業組合連合会が昨年12月に開催した「第9回メディア・ユニバーサルデザインコンペティション」で最優秀賞経済産業大臣賞を受賞した作品で、大阪シーリング印刷㈱(本社・大阪市天王寺区小橋町1の8、松口正社長)が開発した。今年4月に熊本地震が発生した際には避難所5カ所にも避難所サポートセットが配布された。

 

外国人にも分かるように英文を併記

 

今回、墨田区に寄贈された「避難所サポートセット」の内容は、①スペース分けテープ4種×20シート(道路テープ、立入禁止テープ、要配慮者用テープ、居住テープ)②案内シール9種×10シート(支援物資、受付、居住スペース、ゴミ置き場、男湯、女湯、男子トイレ、女子トイレ、情報掲示板)③ゴミ分別POP5種×30枚(フタ、燃えないゴミ、ペットボトル、燃えるごみ、生ゴミ)④掲示板POP5種×20枚(日用品、衣料、交通、食料、伝言板)⑤だれだれシール3種×100枚(コミュニケーション、スタッフ、フリー)などで、外国人にも分かるように英語を併記している。大阪シーリング印刷が、身近なシールや紙器を用いて、不安や不便さの多い避難所生活を改善できるようにカラフルで子供からお年寄りまで誰でも分かりやすくデザインしている。

 

寄贈式は8月25日午後5時半から墨田区役所7階の区長応接室で行われた。墨田区から山本区長と山岸幹郎防災係長、印刷側からMUD協会の伊藤理事長、企画製版部次長が出席。さらに、「避難所サポートセット」が最初に配置される立川一丁目町会の谷村隆夫会長、小林正典・石川雅敏副会長、横山賢一防災委員長も同席した。

 

墨田区では、平成26年度に「女性の防災対策懇談会」を開催し、懇談会から請けた女性の防災対策の推進に向けた7つの提言を基に、平成23年7月に作成した『避難所運営マニュアル』を今年3月に改訂した。東日本大震災における避難所生活の経験から、災害対策基本法の一部改正や防災基本計画の見直しが行われ、また、男女共同参画の視点に立ったガイドラインなどが策定されたが、これらの内容も含め、女性や要配慮者に配慮した避難所運営について、男女共同参画の視点を取り入れた内容へと改訂した。山本区長は「実際に避難所を運営していく中で、高齢者も多く、テレビなどの報道で避難所のようすを見ると、無機質な小学校や避難スペースなので、誰でも気づくように配慮していただくことは非常に大切なことである。墨田区でも防災対策として区長就任1年目に避難所運営マニュアルを改訂・公表させていただいたが、考え方だけでなく、避難所サポートセットを活用することによって実際に見た目でわかりやすく避難所運営を強化できる」と感謝の意を述べた。

 

これに対し、MUD協会の橋本事務局長は「熊本地震の避難所5カ所でサポートセットを使っていただいているが、無機質な避難所にカラフルな色と形で、文字がわかりやすく、いろいろな情報を伝えるのに非常に役立っている。現在、避難所サポートセットを配備しているのは墨田区だけ。これをきっかけに各自治体にも避難所強化のためにサポートセットの配備をご検討いただきたい」と述べた。製品開発に協力した大阪シーリング印刷の山本次長は表示シールの特徴について「水に濡れることを考慮して耐候性・耐水性を保ちつつ、どこに貼ってもきれいに剥がせる粘着力の強度などを工夫して開発した」と説明した。

 

最後にMUD協会の伊藤理事長は「高齢者が増える中、色覚障がい者に見やすくすることで、かえって高齢者に見づらくなってしまうことがある。そこで当協会では、どちらにも見やすい色の選定を研究しており、NPOで教育検定を実施している。MUDの普及啓発活動を通じ、メディアのエキスパートとしてより良い社会づくりに貢献したい」と述べた。

 

寄贈式終了後に行われた墨田区地域防災会議でも「避難所サポートセット」が紹介された。

 

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