2016年09月07日

出版科学研究所の調べによると、2016年上半期(1~6月期)の紙の出版物の販売金額は前年同期比2・7%減の7701億円となった。比較的小幅なマイナスに留まったが、内訳は書籍が4064億円で同1・6%増と前年を上回ったのに対し、雑誌は3637億円で同7・1%減と過去最大の落ち込みとなった。

 

文庫の不振つづく

 

書籍は上半期に大ヒットした『天才』をはじめ、『羊と鋼の森』など文芸書でブレイクした作品が複数あった。ノンフィクションでは『嫌われる勇気』が再ブレイクするなど、コンスタントに重版がかかるベストセラーが登場し、好調に推移した。児童書は絵本を中心に大幅に伸張しており、今後も成長が見込めるジャンルとして期待されている。

 

雑誌は若年層の獲得が年々困難に

 

雑誌で売れたのは40代以上の読者に向けた企画が中心で、若年読者の獲得は年々厳しくなっている。創刊誌は分冊百科(ワンテーママガジン)とパズル誌で半数を占め、創刊号の発行部数で10万部を超えたものはすべて分冊百科。

 

雑誌の不振は、取次の収益減、中小書店の経営悪化、輸送業界の効率悪化、それに伴うデジタルメディアへの移行などさまざまな側面に大きな影響をきたす。

 

とくに主要販路であるコンビニエンスストアも週刊誌の販売不振が影響し、低迷が続いており、雑誌を中心とした物流インフラの保持が大きな課題。

 

定額購読のびる電子雑誌

 

また、2016年上半期の電子出版市場規模は前年同期比28・9%増の847億円(出版社、電子書籍ストア、電子取次各社へのヒアリングを基に、小売額としての販売金額を推計)。
コミックが市場全体の74・7%を占めており、伸びは大きいが、15年に比べると伸びは鈍化傾向にある。書籍は各社が積極的に電子化を進めており、読者への認知という面では課題が多いが、着実に成長している。電子雑誌はNTTドコモの定額制雑誌読み放題サービス「dマガジン」の伸びが大きく、占有率も前年同期の7・9%から10・9%へと伸ばした。
上半期の紙の出版市場と電子出版市場を合わせると、8548億円となる。

 

 

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