2016年08月23日

川田和照社長

川田和照社長

図書印刷は8月5日午前10時半から、東京・東十条の同社会議室で記者懇談会を開き、川田和照社長が①第1四半期の業績状況②本年度の経営方針・同社の課題と施策について説明した。同社開発の「ラスタシエ」「spreak」「Chiik!」の紹介も行った。小ロット化に対応して沼津工場にKBAの「Rapida106」を2台、4/0、2/2兼用機(LED-UV)と、5/0機(油性)とを導入することなども明らかにした。

 

懇談会には、川田社長をはじめ、髙坂範之副社長、矢野誠之専務、宮川典久常務、藤野俊二取締役らも出席し、質疑に答えた。
川田社長は業況、経営方針、課題・施策について次のように述べた。

 

顧客満足度向上にむけ、創造的な事業活動への変革を推進

 

図書印刷グループの平成29年3月期第1四半期の連結業績は、売上高123億4700万円、前年同期比101・2%、営業利益2億8600万円のマイナス、前年同期からはプラス2億5100万円となった。

 
主力事業である印刷事業の売上高は120億9900万円前年同期比100・6%だった。
 
出版印刷部門では、新聞印刷は減少したものの、単行本、絵本、学参、コミックなどが順調に伸び、雑誌も前年並みを確保でき、当部門の売上高は82億6600万円前年同期比100・4%となった。
 
商業印刷部門では、カタログ・パンフレットなどが減少したものの、リーフレット・チラシ、POP、ノベルティなどが増加し、当部門の売上高は38億3200万円前年同期比100・1%となった。

 

出版事業においては、学校図書、視聴覚教材、デジタル教材などのプラスがあって、当事業の売上高は2億4800万円前年同期比149・9%となっている。

 

当社の置かれた状況を見ると、不安定な欧州経済、中国の成長減速の影響などにより、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いている。国内においては、円高、インバウンド効果の減少などにより、輸出に軸足をおいている企業を中心に慎重な姿勢が示されている。
国内においては昨年並みの市場、消費傾向だと見て取れ、所得、個人消費とも大幅な変動はなく、印刷市場についても当面、横ばいで推移すると見ている。

 

出版印刷領域については、デジタル化の進展、メディアの多様化、消費者のライフスタイルの変化が紙メディアの縮小を助長している。残念ながら依然として厳しい状況が続いている。

 
しかし、国内印刷物の出荷額動向を見ると、印刷市場の縮小傾向に下げ止まりがみられる。全体としての紙媒体の需要は大変厳しいものの、当社としては新たな需要を取り込むことは十分可能であり、既存営業領域でもマーケットや顧客のニーズに的確に応えていくことによって、また新たに体制を整えることによってシェア拡大の機会はまだまだあると考えている。

 

このような環境の中で、今年度は経営方針スローガンとして「顧客満足度向上にむけ、創造的な事業活動への変革を推進する」を掲げた。
近年の厳しい経営環境で事業を進展させるためには、図書印刷の事業の基本である顧客満足度の向上をめざしながら、いままで以上に積極的な発展への施策が重要であるという当社の決意でもある。

 
継続的な成長発展を続けるために、当社の営業モットーである、顧客目線に立った営業スタイル、顧客ニーズに応えるソリューション体制の構築を基本にしながら、新たな事業領域への進出をめざしていく。

 

沼津工場にKBA「Rapida106」を2台新設 小ロット化対応すすめる

 

ハード面では、沼津工場の書籍一貫製造ライン体制の整備、市場環境の変化に見合った川越工場へのKBA機2台の導入による小ロット・多品種・高品質対応などを行ってきた。
 
ソフト面では、顧客の販売促進を支援するさまざまな企画制作やBPOサービスの提供、教科書、教材の組版データをベースとした教育用コンテンツ制作ソリューション「Lentrance(レントランス)」、高演色・広色域ソリューション「Lastacie(ラスタシエ)」、合紙絵本の製本技術を活用した合紙上製本「spreak(スプレック)」の商材開発など顧客満足度を第一に考えた施策に取り組んできた。
 
営業部門では本年度から営業職制のフラット化をすすめ、10月からは全営業にタブレット端末を配布して営業スタイルの効率化をめざす。これにより顧客とのさらなる密着度の向上、より迅速な課題・ニーズの把握と解決につなげていきたい。
 
同時に顧客から信頼され評価されることで個人のやりがいや能力の発揮につながり、さまざまな相乗効果が生まれると期待している。
 
さらに今期は5S活動のさらなる徹底と品質保証活動の抜本的な見直しをすすめる。新たに図書印刷版QMSを再構築し、作業基準の策定、順守、原因分析、対策のPDCAを確実に実施する。 社員一人ひとりが顧客のニーズに応え、心を込めた作品作りを通じて顧客満足度ナンバーワン企業をめざしていきたい。
 
現在、沼津工場では生産効率の最大化と小ロット多品種作業に対してよりフレキシブルに対応できる体制をとるため、再度大幅なリニューアルを行っている。完了は来年の第1四半期となるかと思うが、今年秋に新たにKBA機2台の導入、今年度中に上製ラインの新規更新、現在製本棟で作業している、上製合紙絵本の本工場への統合、証券関係の作業をしているフォーム輪転機の更新、カレンダー作業の川越工場の移転などを計画している。
 
並行して、全面的な環境整備と作業工程場所の再配置をすすめ、いっそうの場内作業の効率化と人員の多能工化によるフレキシブルで迅速な工場運営を図っていきたい。それによって一貫製造工場としてさらなるレベルアップを図っていきたい。
同時に抜本的な製造原価の見直しを図りながら、沼津、川越における高効率な設備への入れ替えなどを引き続き行って、製造拠点、体制の見直しをすすめていく。
 
全社的に、基幹システムを含め業務プロセスをゼロベースで見直し、業務効率の最大化を図って、シンプルで高効率な企業体質構築に向け取り組みを始めている。
 
将来的な事業活動を創造するための新ビジネスの推進については、第一歩として印刷事業で培われたノウハウを活かしながら、既存の営業領域とシナジー効果が生まれる事業を拡大する。昨年、新ビジネスの社内公募を行い、そのなかから今年事業化に向けてスタートした。

 

新事業の発掘をめざしベンチャーキャピタルへの出資、第2回新規ビジネスアイデアの社内公募を実施しており、従業員の積極的な参加を促すために講演会やセミナー、ワークショップを開催してきた。
 
将来的には拡印刷から印刷事業の枠を超えた事業への可能性を模索しながら現在の印刷事業規模に匹敵する事業への成長を期待している。
沼津工場に導入するKBA機は、印刷中に空き胴の版替え、ブラン交換、ローラー洗浄が行える。菊版のLED-UV機(4/0、2/2兼用)と油性機(5/0)を各1台。1台はリールシーター付き。小ロット化に対応しオフ輪の仕事を平台化していく。年内の稼働を予定している。

 

 

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