2016年08月17日

凸版印刷は、7月30日から8月28日までお台場・青梅駅前特設会場(東京都江東区青梅2の1)で開かれている「HOUSE VISION 2」(主催:同展実行委員会)に日本デザインセンター原デザイン研究所(製作・進行担当)とともに「木目の家」を展示し、“環境を印刷する”をコンセプトにした生活空間の新しい形を提案している。会場を構成する105㍉角の角材をそのまま拡大したような建築で異彩を放つ。檜の原木を角材に加工し、その木目を25倍に拡大印刷した化粧シートを貼り付けたものだという。

 

木目の家

異彩を放つ「木目の家」

プリント化粧材は、高度な進歩を遂げ、視覚的な精度やテクスチャーの付与によって、本物と見分けがつかないという水準を超え、木材以上の緻密さと安定性を実現している。テクノロジーとの親和性の高さがプリント化粧材を新たな素材へと進化させた。LED光を透過させたり、人びとの生体情報をセンシングし、来場者とインタラクティブな交感を行うなど、環境を変革する凸版印刷のヴィジョンを体現している。

 

同展は、企業と建築家/クリエイターとの協働によって、家のあり方を考えながら未来を具体化してみる試み。確認申請を経て会場に実現された12棟の建築は、絵空事ではないリアリティを帯び、明日にでも利用できそうな未来として説得力をもつ。経済の停滞、人口の縮退、少子高齢化、災害の続発、コミュニケーション・ストレスの増大など、多くの危機を迎えている日本にあって、そういう時代を生き抜いていくための具体的な処方箋と読み替えることもできる。

 

グラビア印刷技術を活かす

 

 

「木目の家」の表面は、ほぼすべて印刷された木目になっている。凸版印刷のグラビア印刷技術が、木目の微細な濃淡表現を可能にした。さらに新技術「質感コート」により、リアルな手触りまで精密に「印刷」してある。高度な同期印刷技術により物理的な凸凹の一つひとつや、つやの変化を加えることにより、木目の質感をもった「木目の家」が実現した。

 

建物の「原稿」となったのは、吉野檜の木片。超解像度スキャンで木目の一本一本まで写し取り、25倍に拡大した。小口・径級から樹齢120年から160年、直径から高さ35㍍から40㍍前後と推測される。直径は400から420㍉。

 

床と内壁には、木目の肌触りまで印刷されている。はだしの足の裏に微かに感じる凸凹は、質感コートを使って印刷された木目で、見た目だけでなく、触った感触まで本物と見分けがつかないほどだ。

 

建物内部では「木目の家」の原型の角材を展示。ショーケースのガラスには電源のオン・オフで「透明」「不透明」を瞬時に切り替える液晶調光フィルムが貼ってある。巻くことができるほど薄く、貼っておけば一瞬で空間の切り替えが可能な製品である。

 

ショーケース展示に液晶調光フィルムを採用

ショーケース展示に液晶調光フィルムを採用

 

床面には人が歩く振動で発電するセンサーが設置してあり、来場者が室内に入ると、壁面の化粧シート奥のLEDが光り、メッセージが浮かび上がる。

壁面にLEDメッセージが浮かびあがる

壁面にLEDメッセージが浮かびあがる

 

椅子にはヘルスセンサーが仕掛けてあり、来場者が座ると、健康状態を音声で知らせる。センサーに連動した信号が健康状態を解析し、化粧シート奥に設置したスピーカーから解析結果を音声で知らせる。
シート化されたセンサーを住空間に組み込み、“環境を印刷する”ことの姿をみせている。

 

HOSE VISION 2の展示ハウスは、それぞれ異なる真摯な提案を含んだ次の12棟。

 

①冷蔵庫が外側から開く家(ヤマトホールディングス×柴田文江)②吉野杉の家(Airbnb×長谷川豪)③の家(パナソニック×永山祐子)④棚田オフィス(無印良品×アトリエ・ワン)⑤遊動の家(三越伊勢丹×谷尻誠・吉田愛)⑥賃貸空間タワー(大東建託×藤本壮介)⑦凝縮と開放の家(LIXIL×坂茂)⑧市松の水辺(住友林業×西畠背順×隈研吾)⑨木目の家(凸版印刷×日本デザインセンター原デザイン研究所)⑩内と外の間、家具と部屋の間(TOTO・YKK AP×五十嵐淳・藤森泰司)⑪グランド・サード・リビング(TOYOTA×隈研吾)⑫電波の屋根を持つ家(カルチュア・コンビニエンス・クラブ×日本デザインセンター原デザイン研究所×中島信也)

 

冷涼珈琲店「煎」(AGF×長谷川豪)

 

観覧ブリッジには、再利用を前提に、もっとも0標準的なサイズである断面105㍉四方の角材をできるだけ加工せずに用いている。

 

URL=http://house-vision.jp/

 

 

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