2016年08月17日

凸版印刷は、光の反射と散乱を制御するナノ構造設計技術と多層薄膜形成技術の融合によって、顔料や染料などの色素を使わずに、色を示す構造発色シート「モルフォシート」を開発した。偽造防止やブランドプロテクションなどのセキュリティ商品や屋内外でのプロモーションツール向けの製品として、2017年度中の実用化を目指す。

 

構造発色シート「モルフォシート」(左:BLUE、中央:GREEN、右:RED)

構造発色シート「モルフォシート」(左:BLUE、中央:GREEN、右:RED)

構造発色シート「モルフォシート」は凸版印刷が培ったナノ構造をコントロールする技術により実現した。具体的には、ナノインプリント技術により形成したナノ構造上に金属薄膜を多層に成膜することで、光の反射と散乱を制御し、ナノ構造と多層薄膜によって色を表現することが可能となる。構造や多層薄膜による物理的相互作用で発色するため、顔料や染料を使用した従来のものと比較して、太陽光や蛍光灯などの紫外線による褪色がなく、鮮やかな色が長持ちする。

 

 

インダストリー4.0を見据え、ヨーロッパやアメリカを中心にバイオミメティクスと言われる生物の持つ優れた機能や原理を模倣する技術分野が注目されている。2015年12月にはバイオミメティクスに関する国際標準ISOが制定され、設計や製造などのプロセス標準化の検討がなされている。日本においても、文部科学省の新学術領域として「生物規範工学」が採択され、生物学・史学・工学・情報工学が連携したバイオミメティクスに関連する研究・技術開発が進められている。また、バイオミメティクスは国内外の大学や研究機関だけでなく、民間企業でも研究が行われ、産業界に新しい刺激と発想をもたらすと大きな期待が寄せられている。特に、日本においては、玉虫、モルフォチョウ、カワセミ、孔雀など生物の織り成す構造色が好まれ、これら構造色の再現は長年にわたり研究されている。
そのような中、凸版印刷ではモルフォチョウの瑠璃色を表現する構造に着目し、自社のコア技術であるナノ構造設計技術と多層薄膜形成技術を活用することにより、その瑠璃色を忠実に再現することに成功した。

 

 

 構造発色シート「モルフォシート」の特徴

・独自のナノ構造設計技術で、構造発色の広視野角を実現

ナノ構造の形状とサイズ、およびランダムパターン配置の設計によって、表現する色と視野範囲を自由にコントロール。広い視野角を実現した。

・多層薄膜形成を精密制御する独自技術で、均一な構造発色を実現
フォトマスク製造で培った薄膜形成技術によって、ナノ構造上に多層薄膜を精密形成することができるため、反射吸収する波長域を狭めることができる。これにより発色の均一性を高めることができる。

・独自のナノインプリント技術によるナノ構造の量産技術を確立
ナノインプリント技術によって、フィルム上にナノ構造体を大面積で形成することができる。

なお構造発色シート「モルフォシート」の製造に関する「独自のナノ構造設計技術」は特許出願中。

 

 

凸版印刷は構造発色シート「モルフォシート」をセキュリティやプロモーションツールへの活用のため研究開発を進め2017年度中の実用化を目指す。また、凸版印刷はバイオミメティクスを活用した技術開発を進め、多彩な機能を持つ製品などに幅広く展開していく。

 

構造発色シートの動画リンク:https://www.youtube.com/watch?v=2U5ABzt_Rbk&feature=youtu.be

 

 

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