2016年07月20日

凸版印刷と東京大学大学院情報学環暦本研究室(暦本純一教授、東京大学暦本研究室)は、IoT(Internet of Things)の次の概念とされるIoA(Internet of Abilities)(能力のネットワーク)研究成果の事業創出を目指し、テレプレゼンス・ロボット等を用いたIoAの共同研究を2016年7月から開始した。
凸版印刷は、共同研究成果をもとに遠隔体験や無人店舗などのIoAを活用したビジネスを2017年からスタートする。

 

IoA(Internet of Abilities)とは、「能力のネットワーク」と言われる概念であり、人間やロボットの持つ能力をネットワークで共有するというもの。「モノのネットワーク」であるIoT(Internet of Things)の次の概念と言われている。たとえば、IoAにより、自宅にいながら、インターネットを介して、地球の裏側にいるロボットの能力を利用し、あたかも自分が存在するかのように、遠隔旅行を体験することができる。2020年に向けて、IoAの世界がより急速に広がっていくと予想される。

 

凸版印刷は、イベントや企業ミュージアムなどスペースデザインの企画・運営に携わってきた。またメーカー、流通企業向けの店頭プロモーションなどリアルの場でコミュニケーションの実績が豊富。さらにVRなどのコンピュータグラフィックスを用いた映像表現も数多くの取り組みを進めてきた。
これらリアルとヴァーチャルの両面からの知見、実績をさらに進化させるために、IoAの提唱者であり、ヒューマンコンピュータインタラクション(人間とコンピュータの相互作用)、ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)研究の第一人者である東京大学暦本研究室との共同研究を2016年7月から開始した。

 

 

共同研究では、IoAの構成要素の一つであるテレプレゼンス・ロボット等を用いた遠隔地からの超臨場体験の研究を行う。東京大学暦本研究室が、技術検証、基盤技術開発を担当し、凸版印刷が仮設立案、実証実験を担当。研究期間は、2016年7月から2017年3月を計画。共同研究の一環として、16年秋以降にイベントや博物館などにおいて共同の実証実験を実施する予定。

 

凸版印刷は、共同研究の成果をもとにテレプレゼンス・ロボットなどのIoAの中核技術と凸版のソリューションを組み合わせた新しいビジネスをメーカー、流通、金融企業向けに2017年から段階的にスタートする予定。
遠隔地からロボットを操縦することで博物館や美術館、工場見学などを体験できる遠隔ミュージアム体験ソリューション、遠隔地からロボットを使って接客する無人ショールーム型店舗ソリューション、将来的には遠隔介護や遠隔教育などの新領域にIoA事業を展開していく予定。
●東京大学大学院情報学環教授 暦本純一氏(れきもと じゅんいち)
理学博士。ヒューマンコンピュータインタラクション、 ヒューマンオーグメンテーション技術を中心に研究。IoTの次の概念とされるIoAの提唱者。
Webサイト:https://lab.rekimoto.org/

 

○ IoT(Internet of Things:モノのネットワーク) コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットを介して相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行う技術。

 

○IoA(Internet of Abilities:能力のネットワーク) 人間の能力の拡張を目的とし、人やロボットが時間や空間の制約を超えて各々の能力を活用しあえるネットワーク環境のことを指す。用途として、他人の体験を自らのものにする(体験の拡張)、代理のロボットなどを介して遠隔地を訪れる(存在の拡張)、各々の専門性を生かして共同作業する(能力の伝達)が考えられる。

 

○テレプレゼンス・ロボット 遠隔地にあるロボットの視覚情報、センサー情報等を受けて、リアルタイムにロボットを操縦、制御することにより、遠隔地にいながら、その場にいるような臨場体験を持つことができるロボット技術。

 

○ヒューマンコンピュータインタラクション(人間とコンピュータの相互作用) 人間とコンピュータ・機械の接点におけるインタラクション(相互関係や対話型操作)に関する研究。

 

 ○ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張) テクノロジーを用いた人間のさまざまな能力の補綴・強化に関する研究。

 

 

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