2016年07月11日

有機ELの特徴を生かした「曲面」の大型デジタルサイネージ

有機ELの特徴を生かした「曲面」の大型デジタルサイネージ

 

大日本印刷は、有機ELディスプレーを活用した業務用のデジタルサイネージを10月に発売する。同製品は、高いコントラストで美しい映像表現を実現するとともに、曲面でもフィットする大型有機ELディスプレーを使用している。LGエレクトロニクス・ジャパン(李仁奎=イ・インギュ社長)と共同で、曲面の55インチ有機ELディスプレーを24(横4×縦6)面並べた大型デジタルサイネージを、日本で初めてDNP五反田ビル(東京・品川区)のショールームに導入した。DNPは、この有機ELの大型デジタルサイネージの提供に加え、そこで放映する4K以上の解像度にも対応した高精細な映像コンテンツの制作、映像配信システムの提供など、トータルなサービスを提供する。7月11日にDNP五反田ビルで開いた記者発表会で大日本印刷・北島元治常務(デジタルサイネージ推進本部担当)、LGエレクトロニクス・ジャパン・李社長らが明らかにした。

 

北島常務

北島常務

 

李社長

李社長

 

DNPは2016年10月を目処に、「DNPマルチサイネージ トールビジョン 有機EL曲面タイプ」を製品化し、大型商業施設やショールーム、公共交通機関、オフィスビルやマンションのエントランスなど、日本市場向けに販売を開始する。また、DNPは、有機ELディスプレーの薄型・軽量・高画質・曲面対応という特徴を活かし、設置場所やデザインに制限されない、液晶では実現出来なかった利用シーンでのデジタルサイネージの導入運用を、活用提案からスペースデザイン、設置・施工、システム設計、コンテンツ制作、配信・運用、効果測定までトータルで提供する。あわせて、有機ELディスプレーに適した高解像度・高品質な映像コンテンツの制作、販売をしていく。同製品とコンテンツ、関連サービスで2019年度までに20億円の売上を目指す。

 

屋外や店頭、公共空間や交通機関などの多様な場所に設置できるデジタルサイネージは、企業のブランディングや販売促進、広告や空間演出、災害・緊急時の情報提供などの目的で、企業や地域社会と人をつなぐコミュニケーションメディアとして急速に普及している。DNPは、デジタルサイネージ関連事業として、コンサルティング、機器の提供、設置・施工、コンテンツ制作、配信・運用、保守まで、トータルに支援するサービスを展開している。今回、LGエレクトロニクス・ジャパンの有機ELディスプレーの強みを活かした曲面の大型デジタルサイネージを発売することで、当事業のサービスを拡充し、より豊かなコミュニケーションを可能にする。

 

同製品を導入するDNP五反田ビルでは、DNPが培ってきた撮影技術・編集技術を活かし、曲面の有機ELディスプレー用に新たに編集した高解像度の映像コンテンツを放映、大型曲面ディスプレーの臨場感や没入感を体感できる。

 

「DNPマルチサイネージ トールビジョン 有機EL曲面タイプ」の特徴は次のとおり。

 

①日本初、有機ELの特徴を生かした「曲面」の大型デジタルサイネージ
LGエレクトロニクス・ジャパン社の55インチの大型有機ELディスプレーを曲面で活用することで、今までにない意匠性を実現し、アイキャッチ効果を演出できるとともに、デジタルサイネージを見る人の臨場感や没入感を向上させる。DNP五反田ビルには、曲面にフィットする55インチのディスプレー24面を組み合わせた大型デジタルサイネージとして、日本で初めて導入した。

 

②有機ELならではの高いコントラストと「黒」の表現力
自発光の有機ELディスプレーならではの深い「黒」を表示できるため、映像を高いコントラストで表現することが可能。

 

③ディスプレーの形状を生かし、空間演出を豊かにするオリジナルコンテンツの提供

五反田ビルに設置した本製品では以下のオリジナルコンテンツを放映する。

 

▽「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」の4K特別映像および8K映像を新たに編集した『京 春夏秋冬』(DNPと毎日放送が「明日の京都・文化遺産プラットフォーム」と連携し、京都の世界文化遺産「古都京都の文化財」(17社寺・城)や国宝・重要文化財を中心に、特別な許可を得て撮影・収録した超高精細なアーカイブ映像)
▽フランス国立図書館(BnF)が所蔵する歴史的な価値を持つ地球儀・天球儀の3Dデジタルアーカイブデータから制作した超高解像度映像(BnFの地図部門が所蔵する特に貴重な55点の地球儀・天球儀を、DNPが独自に開発した撮影技術で撮影し、3Dデジタルデータ化。一点一点をあらゆる角度にスムーズに回転させたり、拡大させたりすることで、実物を肉眼で見た時には識別しにくい細かい部分まで、高解像度で鑑賞できる)
DNPが保有するこれらのコンテンツに加え、顧客の要望に対応したオリジナル映像も制作する。

 

五反田に展示する製品仕様は次のとおり。

 

s_OLED4_

高さは約4m(3924mm)ある

パネル方式:有機EL(OLED)▽画面サイズ:約225型(55型×24面▽解像度:横7680×縦6480(1面:横1920×縦1080)▽アスペクト比:外郭基準32:27(1面16:9)▽映像表示領域寸法(W×H×D):4920×4231×25mm(1面1230×705×25mm)▽映像表示領域面積:約20・8平方㍍)

 

LGエレクトロニクスによると、大型の有機ELディスプレーは、技術的に量産化が難しく、現在、パネルの生産はLGディスプレーだけが世界で唯一、量産を実現しているという。

 

今回は55型の有機ELディスプレー自体を曲げてアーチ状に仕上げており、この試みは国内初。
高精細な映像が映され、包み込まれるような迫力ある空間演出と豊かなコミュニケーションが体感できる。

 
有機ELディスプレーは、液晶ディスプレーとは構造が異なり、自然発光素子の特徴である、非常に高いコントラスト色再現性、視野角の影響をほとんど受けないことから、どの角度でも美しい映像表現が可能である。

 
また、バックライトやさまざまなフィルターを必要としないため、薄く軽量で、曲げることができる。
軽量化により設置の負担も軽減されることから、設置環境に制限されることなく、幅広い用途で利用できる。天井につることや、柱に巻きつけるなど、液晶では考えられなかった新たな利用シーンが生まれる。

 
こうしたことから、LGエレクトロニクスでは、有機ELを活用したデジタルサイネージは新たなビジネスの創出になるとしている。
2015年11月には、有機ELディスプレーでは世界初となる大型曲面デジタルサイネージ(55型140面、縦約13×横8㍍)を韓国仁川国際空港に納入している(2カ所)。

 

 

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